コルネリウス・マイスター＆ウィーン放送響のブルックナー交響曲第９番とミサ曲第３番

2016年2月10日 (水)

ブルックナー：交響曲第９番、ミサ曲第３番（２ＣＤ）
コルネリウス・マイスター＆ウィーン放送交響楽団

ウィーン放送交響楽団との来日公演も注目されるコルネリウス・マイスターは、1980年、音楽家の両親のもとにハノーファーに生まれ、地元ハノーファーとザルツブルクで指揮とピアノを学んだドイツの指揮者。大植英二やデニス＝ラッセル・デイヴィスに指揮を師事したコルネリウス・マイスターは、2005年に25歳の若さでハイデルベルクの音楽総監督に就任して注目を集め、2010年にはウィーン放送交響楽団の首席指揮者となり、現在に至っています。
　マイスターはその間も欧米や日本など各国のオーケストラにたびたび客演して声望を高めており、実力を証明してきました。
　今回は2013年4月26日にライヴ録音されたブルックナーの交響曲第9番と、2年2か月後の2015年6月23日にライヴ録音されたブルックナーのミサ曲第3番を組み合わせた2枚組となります。組み合わせと言っても交響曲が61分、ミサ曲が63分とそれぞれ別のディスクに収められているので、未完の第9番のあとにテ・デウム云々といった話ではなく、単にブルックナー作品の抱き合わせということのようです。ちなみに録音年は2年違いますが、会場がウィーンのコンツェルトハウスということなので、どちらも生々しい音が期待できそうです。
　ブルックナーのミサ曲第3番といえば、テ・デウム、詩篇150番と共にブルックナーの声楽作品を代表する傑作。演奏時間1時間ほどのこの作品は、敬虔な美しさが印象深いベネディクトゥスの動機が交響曲第2番第2楽章コーダに、キリエの動機が交響曲第2番第4楽章に引用されていることでもよく知られており、さらにクレドでのゴツゴツした迫力あるフーガも聴きどころとして有名です。
　ミサ曲第3番は、これまでに比較的多くの録音がおこなわれてきましたが、チェリビダッケなどごく一部の例外を除き、ほとんどの演奏はトータル52分から59分台に収まっており、60分を超える演奏はあまり多くはありません。
　今回登場するマイスター盤は、トラック・タイムのトータルが63分を超えており、コリン・デイヴィスの64分に近いじっくり型の演奏と言えると思います。
　マイスター＆ウィーン放送交響楽団のブルックナーは第1弾が交響曲第4番で66分かけたじっくり型の演奏で聴かせましたが、今度は第9番で61分と、これもなかなか期待できそうです。（HMV）

【収録情報】
Disc1
● ブルックナー：交響曲第9番ニ短調 WAB109
　第1楽章：Feierlich, misterioso（荘重に、神秘的に）
　第2楽章：Scherzo. Bewegt, lebhaft-Trio. Schnell（スケルツォ：軽く、快活に−トリオ、急速に）
　第3楽章：Adagio. Langsam, feierlich（アダージョ：遅く、荘重に）

Disc2
● ブルックナー：ミサ曲第3番ヘ短調 WAB28
　キリエ
　グローリア
　クレド
　サンクトゥス
　ベネディクトゥス
　アニュス・デイ

　ルート・ツィーザク（ソプラノ：Disc2）
　ヤニナ・ベヒレ（アルト：Disc2）
　ベンジャミン・ブルーンス（テノール：Disc2）
　ギュンター・グロイスベック（バス：Disc2）
　ウィーン・ジンクアカデミー（Disc2）
　ウィーン放送交響楽団
　コルネリウス・マイスター（指揮）

　録音時期：2013年4月26日（Disc1）、2015年6月23日（Disc2）
　録音場所：ウィーン、コンツェルトハウス
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）