村上春樹 『騎士団長殺し』には『ドン・ジョヴァンニ』と『ばらの騎士』ほかが登場
2017年2月24日 (金)
村上春樹の新作『騎士団長殺し』には「騎士」つながりのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』と『ばらの騎士』を中心に、クラシック作品多数のほか、ジャズやボブ・ディラン、ビートルズの曲も登場、さらにオーウェルの『1984』、ドフトエフスキー『悪霊』といった文学作品から、ヒッチコック監督の『白い恐怖』、キューブリック監督の『シャイニング』などの映画作品にも触れられるなど、作中に音楽や文学、映画をさまざまな手法で登場させて読み手のイメージを拡大する手法は相変わらず見事なものがあります。
モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』といえば騎士団長殺しに由来する「地獄落ち」の場面が有名です。厳粛な要素と邪悪な要素、そして善良な要素の対立を軸としたオペラのクライマックスにあたるのがその「地獄落ち」の場面ですが、音楽はその後、がらりと姿を変えて日常生活の回復を示す方向に舵を切った結尾部分で締めくくられます。
たとえば指揮者のオットー・クレンペラーはその部分について、次のように述べています。
「この結尾部を削除すべきか演奏すべきか。作曲者自身ですら、1788年ウィーンにおける上演では、ドン・ジョヴァンニが地獄堕ちしたところで締めくくったのである。グスタフ・マーラーも同じことをした。しかし、モーツァルトはこの結尾部で、鋭い、ほとんど皮肉なまでの光を社会のモラルに当てることによって、この問題にはっきりした解決を与えていると、私には思われるのだ。」
ここでの「モラル」という言葉は、「ドン・ジョヴァンニは本当に悪人なのだろうか」といったような、ある社会の形成したモラルに対する問いかけのような意味合いも含むものなのではないかと思われます。自身の欲望のためドン・ジョヴァンニが騎士団長を殺すことにより、登場人物たちの帰属社会と帰属階層による価値観の相違の問題があぶりだされた非常に興味深いオペラです。
『ドン・ジョヴァンニ』とは対照的に、深刻な出来事は何も起こらない『ばらの騎士』は、退廃した貴族社会に属する元帥夫人と愛人、男爵たちの織りなすドタバタコメディとリリシズムを満喫させるオペラ。元帥夫人の愛人である騎士オクタヴィアン役を女性歌手が歌い演じ、女装して女性演技までするという倒錯した世界は人工的な面白さも格別。
『騎士団長殺し』の中では、濃厚サウンドの往年のウィーン・フィルをショルティがぐいぐい統率する演奏がとりあげられています。騎士オクタヴィアン役のイヴォンヌ・ミントンは、この録音の数年後にメトロポリタン歌劇場へのデビューをオクタヴィアン役で飾っていました。
● R.シュトラウス:オーボエ協奏曲
● シューベルト:弦楽四重奏曲第15番/ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団
● プッチーニ:オペラ『トゥーランドット』
● プッチーニ:オペラ『ラ・ボエーム』
● モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ/ラファエル・ドゥルイアン、ジョージ・セル
● ヴェルディ:オペラ『エルナーニ』
● メンデルスゾーン:八重奏曲/イ・ムジチ合奏団
● セロニアス・モンク「モンクス・ミュージック」
● シェリル・クロウ「Tuesday Night Music Club」
● ミルト・ジャクソン
● MJQ「ピラミッド」
● ボブ・ディラン 「ナッシュヴィル・スカイライン」
● ビートルズ 「フール・オン・ザ・ヒル」
● ドアーズ 「アラバマ・ソング」
● ブルース・スプリングティーン 「ザ・リヴァー」
● ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ
● ABC 「ルック・オブ・ラヴ」
● バーティ・ヒギンズ 「キー・ラーゴ」
● デボラ・ハリー 「フレンチ・キッスィン・イン・ザ・USA」
● オーウェル 『1984』
● ドフトエフスキー 『悪霊』
● ルイス・キャロル 『不思議の国のアリス』
● エリア・カザン監督 『波止場』
● アルフレッド・ヒッチコック監督 『白い恐怖』
● オードリー・ヘップバーン主演 『おしゃれ泥棒』
● スタンリー・キューブリック監督 『シャイニング』
『1Q84』の登場曲
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の登場曲
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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featured item
輸入盤
『ドン・ジョヴァンニ』全曲 クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管、ギャウロフ、ルートヴィヒ、他(1966 ステレオ)(4CD 録音風景付)
モーツァルト(1756-1791)
価格(税込) :
¥2,970
会員価格(税込) :
¥2,584
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販売終了
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輸入盤
楽劇『ばらの騎士』全曲 ショルティ&VPO(3CD)
シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)
価格(税込) :
¥5,170
会員価格(税込) :
¥4,498
まとめ買い価格(税込) :
¥3,877
通常ご注文後 2-3日 以内に入荷予定
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輸入盤
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の芸術(22CD)
価格(税込) :
¥6,380
会員価格(税込) :
¥5,551
まとめ買い価格(税込) :
¥4,785
入荷日未定
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Violin Sonatas.24, 25, 28, 32: ドルイアン / Szell
モーツァルト(1756-1791)
価格(税込) : ¥1,068
会員価格(税込) : ¥982
まとめ買い価格(税込) : ¥908発売日:1996年06月21日
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販売終了
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輸入盤
歌劇『ドン・ジョヴァンニ』全曲 カラヤン&ウィーン・フィル
モーツァルト(1756-1791)
ユーザー評価 : 4点 (15件のレビュー)
価格(税込) : ¥1,969
まとめ買い価格(税込) : ¥1,871発売日:2000年05月09日
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販売終了
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輸入盤
『ドン・ジョヴァンニ』全曲 ジュリーニ&フィルハーモニア管、ヴェヒター、シュヴァルツコップ、他(1959 ステレオ)(3CD)
モーツァルト(1756-1791)
ユーザー評価 : 5点 (6件のレビュー)
価格(税込) : ¥5,159
まとめ買い価格(税込) : ¥4,902発売日:2009年10月26日
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輸入盤
『ばらの騎士』全曲 カラヤン&フィルハーモニア管、シュヴァルツコップ、ルートヴィヒ、他(1956 ステレオ)(3CD)
シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)
ユーザー評価 : 4.5点 (17件のレビュー)
価格(税込) : ¥3,949
会員価格(税込) : ¥3,436
まとめ買い価格(税込) : ¥3,436発売日:2009年10月26日
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輸入盤
『ばらの騎士』全曲 シュレシンジャー演出、ショルティ&コヴェント・ガーデン王立歌劇場、テ・カナワ、ボニー、他(1985 ステレオ)
シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)
ユーザー評価 : 4.5点 (2件のレビュー)
価格(税込) : ¥4,949
まとめ買い価格(税込) : ¥3,812発売日:2004年03月30日
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輸入盤
『ばらの騎士』全曲 ハルトマン演出、カラヤン&ウィーン・フィル、シュヴァルツコップ、ユリナッチ、他(1960)
シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)
ユーザー評価 : 5点 (20件のレビュー)
価格(税込) : ¥5,489
まとめ買い価格(税込) : ¥5,215発売日:2010年11月27日
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