【第23回】バイヤー寺町知秀のわくわくPOPSランド

2018年06月05日 (火) 10:00

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HMV&BOOKS online - ロック

HMV渋谷をはじめ計13店舗の勤務を経て現在は本社にて洋楽バイヤーを担当する寺町知秀が洋楽の森からオススメ作品をピックアップするコーナー「わくわくPOPSランド」。社内外から信頼を集める生粋の洋楽バイヤーが、今月の洋楽の森からオススメする必聴の5枚とは?

【第23回】君の名で。


しかし今年前半は傑作映画揃いっすよね。良い映画は当然音楽も良くって。ルカ・グァダニーノ監督『君の名前で僕を呼んで』は、エリック・ロメール作品を思い起こさずにいられない美しい映像と、スクリーンから水しぶきがはじけ散ってきそうなくらい瑞々しいスコアと楽曲が並んでいて。サウンドトラックのラストは、映画同様スフィアン・スティーヴンス「ヴィジョンズ・オヴ・ギデオン」で深い余韻を残しながら幕を閉じます。


才女ミシェル・ンデゲオチェロ新作は、敬愛するプリンスをはじめ、ジャネット・ジャクソン、TLC、シャーデーなどを取り上げたカヴァー・アルバム。今回の制作中、ニール・ヤング『ハーヴェスト』を愛聴していたというだけあって、Force MDs「テンダー・ラヴ」やティナ・ターナー「プライヴェート・ダンサー」は特にその影響を色 濃く感じさせますね。全篇素晴らしいっす。


ナッシュビルのレトロモダン歌姫ナタリー・プラスは、ますますカラフルでスウィートなソウル・ポップを聴かせてくれます。再び当代きっての伊達男マシュー・E・ホワイトがプロデュースを手がけ、レイドバック風味なアレンジはナタリー嬢の歌声との相性抜群。


スピーチ、ホセ・ゴンザレス、ロイシン・マーフィーら多様なゲストが参加したステファン・コザラことDJコーツェ新作は、抑制の効いたビートの上を漂う変幻自在なメロディで彩られた、フリー・サイケデリック・ポップ音絵巻。絶妙な浮遊具合がたまりません。


ペイヴメント時代から不変のUSインディ魂が炸裂するスティーヴン・マルクマス&ザ・ジックス大健在。ヘロヘロによれた愛くるしいスティーヴンの歌声とギュンギュンな轟音ギターで胸をわしづかみにされます。「ミドル・アメリカ」むっちゃ最高。それではまた来月お会いしましょう。



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寺町知秀(てらまち ともひで)

1999年にHMV渋谷入社。HMV立川など7店舗で店長を務め、計13店舗の勤務を経て現在は本社にて洋楽バイヤーを担当。

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