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特別寄稿【フルトヴェングラー帝国放送局アーカイヴ:オリジナル・テープの遍歴とソース選択上の背景】 ベルリン・フィル・ラウンジへ戻る

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2018年12月26日 (水)

ベルリン・フィル&HMV&BOOKS online提携サイト
デジタル・コンサートホール:期間限定年末年始キャンペーン
12ヶ月チケットの購入者に、次期首席指揮者キリル・ペトレンコの2枚組特典DVDをもれなくプレゼント


 ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」では、2019年1月6日までに12ヶ月チケットをご購入の方に、2019/20年シーズンからの首席指揮者キリル・ペトレンコの2枚組特典DVD(一般店舗では手に入らない非売品)をもれなくプレゼントいたします。
 ペトレンコは、現在バイエルン国立歌劇場の音楽総監督を務め、欧州で最も注目を集める指揮者のひとり。CDがほとんど存在せず、「謎の存在」と言われています。特典DVDでは、彼のベルリン・フィルとの貴重な最新共演映像が、いち早くご覧いただけます。各紙の絶賛を受けたベートーヴェン「交響曲第7番」をはじめとする名演の数々を、ぜひご体験ください(先着1,000名様限定)。
 お値段は、149ユーロ(約19,000円)。ご購入は、こちらから。数に限りがありますので、お早めにお求めください。

購入はこちらから


キャンペーン内容:
@デジタル・コンサートホール12ヵ月チケット
年約50回のライブ中継、550本以上の過去の演奏会映像ほかが、12ヵ月間見放題!

A特典2枚組DVD(一般ではお求めいただけない非売品)
キリル・ペトレンコ(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

【演奏曲目】
ベートーヴェン:交響曲第7番
R・シュトラウス:《ドン・ファン》、《死と変容》
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番(独奏:ユジャ・ワン)
フランツ・シュミット:交響曲第4番
収録:2018年4月および8月


ベルリン・フィル・レコーディングス最新タイトル
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル
フルトヴェングラー 帝国放送局(RRG)アーカイヴ 1939-45


帰って来たフルトヴェングラー
70年の時を経て蘇るベルリン・フィル本来の響き!


● 戦時中(1939〜45年)にドイツ帝国放送が収録したベルリン・フィルとフルトヴェングラーによる放送録音を集成したエディション。
● 嬉しいことに、初出音源も収録!(ラヴェル:『ダフニスとクロエ』第1組曲(抜粋)、シューベルト:交響曲『未完成』第2楽章)
● ドイツ帝国放送のテープ音源としては、今現在の最高技術をもってサンプリング(28bit/96kHz)を行い、ベルリン・フィルが自ら手掛ける戦時のフルトヴェングラー最高音質の登場。
● 当時の演奏を再現できる最良の音源を選択。現存するドイツ帝国放送テープをすべて網羅し、オリジナル・テープを基本に、最高の条件でセット化。
● 22枚組SACDハイブリット盤。

 この度リリースされる「フルトヴェングラー 帝国放送局(RRG)アーカイヴ 1939〜45」。当セットは、戦時中に(1939〜45年)ドイツ帝国放送が収録したベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とヴィルヘルム・フルトヴェングラー[1886-1954]による放送録音を集成したエディションです。
戦時下の激動の時代にあっても、自らの芸術活動に命を懸けたフルトヴェングラー。指揮者フルトヴェングラーの中で戦時中の演奏は最も重要なものです。戦時中のベルリン・フィル&フルトヴェングラーの現存する演奏をすべて網羅し、過去最高の品質で蘇らせた当セットは、これまでのあらゆる盤を凌駕する決定盤と言えるでしょう。
 また、戦時のフルトヴェングラーの録音を語る上で欠かせないのが「テープの遍歴」についてです。ソ連軍はベルリン占領後、ドイツ帝国放送にあったおよそ1500本のテープを戦利品として押収。そのテープをもとにモスクワ放送の番組に使用したり、露メロディア・レーベルからLPを発売したりと利用されてきました。しかし1987年にはオリジナル・テープのコピー20本が、さらに1991年には押収した原テープが自由ベルリン放送(SFB)へ返還され、今日までベルリン・ブランデンブルク放送(RBB、旧SFB)のアーカイヴに保存されていました。今回、当セットで使用されている音源のほとんどは、1987年と1991年に返還されたテープをベルリン・フィルが新たに28bit/96kHzでサンプリングしたもの。担当したトーンマイスターによると、これらのテープは30年という時間がたっているにも関わらず、非常に良い状態でサンプリングすることができたと言います。また、以前から多くのCDで問題にされていたピッチについても、当時の正しい音程、速度を基準としてサンプリングを行っています。残念ながら演奏会記録が残っているのに欠けているプログラムについては、テープがすでに消失した可能性がきわめて高く、当セットに収録されている音源が、現存する戦時のベルリン・フィルとフルトヴェングラーの演奏のすべてだと考えられています。
 仕様は、最高音質でのサンプリングを活かすべく、SACDハイブリット盤でのリリースとなります。解説書は、ソ連軍による戦後の押収からコピーの返還、マスター・テープの発見に至るまで、この録音をめぐる歴史について書かれた興味深い内容となっています。


【商品仕様】
22 SACD
貴重な図版を含む184ページのブックレット(日本語訳付き)

【日本のみの特別初回特典】
●フルトヴェングラーの貴重な映像を交えたドキュメンタリーを含むDVD
●フルトヴェングラー2019年カレンダー(A5サイズ)

収録曲目を見る

IIJのハイレゾ・ストリーミング・サービス「PrimeSeat」で
「フルトヴェングラー 帝国放送局アーカイヴ」のハイライトを96kHz/24bit無料先行試聴


 株式会社インターネット・イニシアティヴ(IIJ)のハイレゾ配信サービス「PrimeSeat」では、「フルトヴェングラー 帝国放送局アーカイヴ」のハイライトを、96kHz/24bit先行試聴いただけます。帝国放送局のオリジナル・テープは、戦後ソ連に欧州され、モスクワに送られていましたが、大部分が1991年にドイツに返還されました。ベルリン・フィル・レコーディングスは、そのテープを、最新の技術により96kHz/28bitでサンプリング。この無料先行試聴では、そこから生成された96kHz/24bitのハイレゾ・マスター(4タイトル計34分)をお聴きいただけます。とりわけR・シュトラウス「家庭交響曲」の音質には、1944年録音とは思われない、高い鮮度と明快さが感じられます。
 本商品は、DSD形式のSACDハイブリッド盤で発売されるため、オリジナル・ハイレゾ・マスター(PCM形式)がお聴きいただけるのは、この無料先行試聴のみとなります。ぜひお試しください。

【無料先行試聴曲目】
●シューマン:ピアノ協奏曲イ短調第1楽章 [7:38]
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
収録:1942年3月1〜3日
ソース:RRGオリジナル/ロシア・テープ

●シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調第3楽章 [7:38]
ゲオルク・クーレンカンプ(ヴァイオリン)
収録:1943年2月7〜10日
ソース:RRGオリジナル/ロシア・テープ

●シューマン:チェロ協奏曲イ短調第2、3楽章 [10:29]
ピエール・フルニエ(チェロ)
収録:1943年11月13〜16日
ソース:RRGオリジナル/ロシア・テープ

●R・シュトラウス:家庭交響曲 [7:47]
収録:1944年1月9〜12日
ソース:RRGオリジナル/ロシア・テープ


※IIJは、「ストリーミング・パートナー」として、デジタル・コンサートホールをサポートしています。

PrimeSeatで無料先行試聴する


特別寄稿【帝国放送局アーカイヴ:オリジナル・テープの遍歴と本エディションのソース上の背景】
資料まとめ:田中知樹(音楽ジャーナリスト)


今回のエディションでは、帝国放送局のオリジナル・テープが多く使用されている。しかし、オリジナル・テープと言っても、事情はそれほど簡単ではない。ここでは、テープ自体の起源とそのコピー、またそれらがどのような経緯で今回のエディションで採用されたかを、音楽ジャーナリストの田中知樹氏にまとめていただいた。

@基本確認
●今回のエディションでは、フルトヴェングラーのドイツ帝国放送局のオリジナル(「第1次コピー」)、あるいは、現時点で最も音質が保たれている2次的音源を採用している。今日最高の技術によりサンプリングを行い、現在入手可能なソースをすべて考慮。また、帝国放送局の録音で現存するものの全てが収録されている。これ以上オリジナルに近く、網羅的なものは考えられない。

Aテープの起源
ロシア・テープ

●帝国放送局は、複数の演奏会やリハーサルを収録し、編集した。本稿では、サンプリングの元となったソースを「第1次コピー(=実際に放送で使用されたテープ)」と呼ぶが、これは編集されたオリジナル・テープを、最初にコピーしたものを指す(オリジナル・テープはテープの接着等の材質上、保存上の理由から、放送には使用されなかった。オリジナル・テープ自体は、ほとんど現存しないと言われている。これは戦後失われたというよりも、録音1年後には、すでに消失していたと考えられる)。
●この第1次コピーは、戦後の1947〜48年に、ソ連軍により押収・略奪された(1500本)。※1500本とは、フルトヴェングラーだけでなく、ベームなど、他の指揮者との演奏や、歌謡曲などの他ジャンルを含んでいる)
●略奪された「ロシア・テープ」は、1956年以降、LPとしてメロディアから一部リリースされた。
●1987年に音源の一部が、モスクワ放送から自由ベルリン放送(SFB)に送られた。ただし、この時送られてきたテープは、ロシア・テープ(第1次コピー)をメロディア等のためにマスタリングしたものを、さらにコピーしたもので、第1次コピーのコピーではない。つまり、1987年の返還音源の第1次コピーは、モスクワに残ったままで、このエディション用には手に入っていない。※ベートーヴェンの第5、7、9番等がこれに該当する。それゆえこれらのソースには、メロディア独特のエコーが掛かっている)。
●1988年、ドイツ・グラモフォンが、このSFBが作成したコピーを元に、10枚組のCDをリリースした。
●1991年に、モスクワからロシア・テープ(第1次コピー)が、SFBに返還された(1462本)。しかしここには、1987年に返還された音源の第1次コピーは含まれていなかった。
●1991年に返還されたロシア・テープ(第1次コピー)は、返還時に5ヵ月にわたり、7人のトーンマイスターにより、現代のアナログ・テープ、およびDATにコピーされた。
●この時点でSFBは、このアナログ・テープ・コピーないしDATを使って、12回にわたるラジオ番組を放送した。しかしそれ以降、ロシア・テープがCDとしてリリースされることはなかった。例外は、2011年のテスタメントのブルックナー「第5」で、これはベルリン・フィルの学芸員のヘルゲ・グリューネヴァルト氏が直接関わったためである。その際原盤用に使われたのは、1991年のSFBのコピーだった。ロシア・テープ(1991年コピー)を使ってのリリースは、それ以外は一度も行われていない。
●ロシア・テープは、その後、ベルリン・ブランデンブルク放送(RBB。ドイツ統一後のSFBの後続放送局)に保管されていた。
●今回のエディションで使用されているのは、2017年に、1991年に返還された第1次コピーと、1987年に返還されたモスクワ放送によるコピーを、新たに96kHz/28bitでサンプリングしたものである(全体の65パーセント)。96kHz/28bitのADコンバーターからは96kHz/24bitが生成され、それがリマスタリングのもととなった。
●一般に、アナログ・テープによる録音は、1940年代初頭に実用化された。それ以前は、SP(シェラック)により収録が行われていた。帝国放送局においても、1942年以前の録音は、放送用SPで録音されている。今回のエディションでは、これらのSPも、同様に96kHz/28bitでサンプリングされている。

ドイツに残ったテープ
●帝国放送テープの一部は、ドイツ国内のほかの放送局のためにコピー(第1次コピー)されていたが、それがその地方局に残っていた。
●そのためこれらの音源が、戦後LPとして流布するようになった(演奏会10、13、14、19、21)。
●しかし、第1コピーは、保管スペースを小さくするために倍速でコピーされた後、処分された(!)。
●ドイツ放送アーカイブ(DRA)に現存するのは、この倍速でダビングされた質の劣るコピーである。
●しかし、様々な放送局に複数のコピーが存在するため、当エディションでは、現状で最も音の状態が良いものを採用して96kHz /28bitでサンプリングしている。

様々な音源の利用
●原則的に言えるのは、音源のソースの選択には、様々な可能性があるということである。このエディションでは、ロシア・テープを土台にしたものもあれば、ドイツに残ったテープを土台にしたものもある。ロシア・テープの第1次コピーが一番音質が良いことが多いが、音質はテープの起源とともに、テープの保存状態にも依存するため、必ずしも全ての場合でロシア・テープが最良の選択にはならない。場合によっては、楽章ごとにクオリティが異なる(楽章ごとに違うオリジンのテープを採用する)ケースもある。当エディションでは、現状で手に入る全てのソースを比較し、その上で一番状態が良いものを取捨選択して採用した。
●例えば、1991年に制作されたアナログ・コピーの方が、2017年のロシア・テープ(第1次テープ)の状態よりもいい、というケースもある。その場合は、1991年のアナログ・コピーを96kHz /28Bitでサンプリングした。
●今回のボックスでは、「現時点で得られる最も良いもの」を選択するように努めた。今手の尽くせることはすべてしたのが、このボックスである。

なぜ演奏会のプログラムの一部が欠けているのか
●戦時中に、テープが焼失したと考えられる。

A音質
●今回のサンプリングでは、第1次コピー他を28BitのADコンバーターでサンプリングしている(96KHz)。
●多くのものが、30年という時間的劣化にも関わらず、非常によい状態でサンプリングできた。それは総じて、1991年当時のコピーよりも、はるかに良い音になっている。
●コピーでは、雑音を取り除く作業を行なったほか、テープの伸縮を考慮し、当時のチューニング音程を基準にしてテープを再生。当時の正しい音程と速度でサンプリングを行った。

Bレパートリー
ドイツ帝国放送のテープ(1942年以降)は、おそらく3分の1が消失している。ここで集成されているのは、そのうち、現在発見されているもののすべてである。帝国放送の音源で、これ以上の音源はほぼ存在しないと考えられる。このエディションは、それを現在望みうる最高の条件でサンプルし、リリースするものである。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー&ベルリン・フィル 帝国放送局(RRG)アーカイヴ 1939-45(22SACD)

SACD

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー&ベルリン・フィル 帝国放送局(RRG)アーカイヴ 1939-45(22SACD)

ユーザー評価 : 5点 (11件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥35,648
会員価格(税込) : ¥32,797
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発売日:2021年11月30日
入荷日未定

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交響曲第6番『悲劇的』 サイモン・ラトル&ベルリン・フィル(2CD:2018年&1987年ライヴ+BD:2018年ライヴ)

CD

交響曲第6番『悲劇的』 サイモン・ラトル&ベルリン・フィル(2CD:2018年&1987年ライヴ+BD:2018年ライヴ)

マーラー(1860-1911)

ユーザー評価 : 4.5点 (7件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥9,166
会員価格(税込) : ¥8,434
まとめ買い価格(税込) : ¥7,792

発売日:2018年10月20日
在庫あり

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ピアノ協奏曲全集 内田光子、サイモン・ラトル&ベルリン・フィル(3CD+2BD)

CD

ピアノ協奏曲全集 内田光子、サイモン・ラトル&ベルリン・フィル(3CD+2BD)

ベートーヴェン(1770-1827)

ユーザー評価 : 5点 (8件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥11,000
会員価格(税込) : ¥10,120
まとめ買い価格(税込) : ¥9,350

発売日:2018年11月21日
在庫あり

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