アラン・ビュエ/シューベルト:冬の旅(弦楽四重奏伴奏)
2019年12月27日 (金) 16:30 - HMV&BOOKS online - クラシック
シューベルト生前の作法による四重奏版の古楽器演奏で、理想の作品像へ
フランス古楽界では今や大御所、経験豊かなステージ・パフォーマーにして筋金入りの古楽系劇音楽人のアラン・ビュエが、満を持して『冬の旅』の全曲録音をリリースするにあたり、選んだパートナーはなんと弦楽四重奏団。しかも通り一遍のグループではなく、4人とも古楽器の名手として名を馳せてきた腕利きが集うレズール・デュ・ジュール四重奏団がクレジットされています。
一流の古楽プレイヤーでありながら、なぜ彼はシューベルト自身が弾き知っていた19世紀初頭型のフォルテピアノではなく、また現代型の四重奏団でもなく、わざわざ19世紀当時の楽器と奏法を重んじるグループを共演者に選んだのでしょう。本盤の解説書によれば、シューベルトの時代の音楽を演奏再現するにあたっては楽譜をよく読み込み、適切な演奏編成を再構成するのが決して珍しいことではなかった、とのこと。いわば楽譜という「素材」をどう料理するかの一環として楽器編成の再構築も含まれるのなら、本盤の古楽器四重奏団との共演も頷けます。変幻自在の情感表現で作品愛を絶妙の解釈へと昇華させてゆくビュエとともに、経験豊富な古楽器使いたちが繰り出す繊細なニュアンスの連続。シューベルトも首肯するのではと思える迫真の音作り、たんなる編曲版とは明らかに違う古楽流儀の『冬の旅』なのです。(輸入元情報)
【収録情報】
● シューベルト/ジローヌ・ゴベール編:連作歌曲『冬の旅』〜バリトン独唱と弦楽四重奏による演奏
1. おやすみ
2. 風見の旗
3. 凍った涙
4. 氷結
5. 菩提樹
6. 溢れる涙
7. 川の上で
8. 回想
9. 鬼火
10. 休息
11. 春の夢
12. 孤独
13. 郵便馬車
14. 霜おく頭
15. 烏
16. 最後の希望
17. 村にて
18. 嵐の朝
19. まぼろし
20. 道しるべ
21. 宿屋
22. 勇気
23. 三つの太陽
24. 辻音楽師
アラン・ビュエ(バリトン)
レズール・デュ・ジュール四重奏団(古楽器使用)
ジローヌ・ゴベール、デイヴィッド・チャイヴァーズ(ヴァイオリン)
ソフィー・セール(ヴィオラ)
エマニュエル・ジャック(チェロ)
録音時期:2018年9月10-14日
録音場所:パリ郊外イヴリーヌ県マニ・レ・アモー、ポール・ロワイヤル・デ・シャン修道院
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)