HMV&BOOKS online - ロック|2020年03月18日 (水) 23:30
【インタビュー】蔭山豊 / MANIPULATED SLAVES
2020年03月24日 (火) 18:00
|HMV&BOOKS online - ロック
ーQ : MANIPULATED SLAVESの誕生について教えてください。
1994年4月に結成しました。ボクがギター弾きながらヴォーカルを兼任して、ベーシスト、ドラマーの3人で曲作りをスタートさせました。そして94年の年末にはギタリストを加え4人編成になりました。それからはメンバーチェンジをしながら現在まで活動しています。
95年にライヴ活動を開始するにあたり、3曲入りのデモを録りました。翌96年に2本目のデモを録音し、プロモーションだけじゃなく販売もしました。このデモはファンジンや商業誌にも紹介されたんで、ボクらは調子に乗って97年に3本目のデモを録りました。そのデモが今回のPAST IN THE BLACK FLAMEのボーナストラックに入ってるモノです。こちらもプロモーションと販売で使用しました。98年にはアルバムを出すレーベルを探そうと思い4本目のデモを録音しました。そのデモを使い国内外の幾つかのレーベルとお話ししましたが、最終的に原盤がLights Out RECORDS、販売がWorld Chaos Productionsというカタチで契約し、99年に1stアルバムのレコーディングを開始しました。
ーQ : 当時はどのようにレコーディングしたのでしょうか?
だんじりで有名な岸和田にあるABBY MUSIC STUDIOでレコーディングをしました。エンジニア氏はデモ時代からずっと一緒に制作してた人なんでやりやすかったです。予算も少なかったけど、時間はもっと少なかったんで、昼くらいから録り始めて翌朝まで作業して、一旦帰宅してまた昼から録り始めて…みたいな感じを10日くらいやりました。
ーQ : 曲作りはどの様に行っていたのでしょうか?
現在のマニピュは全部ボク1人で曲作りをし、アレンジのアイディアがあるメンバーが居れば試してみたりして完成させています。アイディアがなければボクが作ったデモのまま完成になります。でもこの1stの時期は基本的に元になるアイディアをボクがスタジオで弾き、それに各メンバーが合わせながらアレンジしていく作曲方法でした。なので色んなアイディアが盛り込まれていてユニークな感じになっていると思います。特にこの時期のメンバーはストイックというか、曲をオリジナリティ溢れるユニークなモノにしようとアイディアを出しまくる人ばかりでしたので、良い感じに曲は成長していったと思います。
ーQ : 当時はどの様なバンドに影響を受けていましたか?
様々な80年代のメタルバンドから影響を受けていました。デスメタル、スラッシュメタルからLAメタルまで何でも吸収していました。特にIRON MAIDENやMETALLICA、MICHAEL SCHENKERから強く影響を受けていると思うので、それらの色が濃く出てる曲やギターソロも多いはずです。
ーQ : 2000年当時の MANIPULATED SLAVES を取り巻く状況はどうでしたか?
とにかくオリジナリティ溢れる曲を作って、ステージでそれを披露し、1人でも多くの人から共感を得たいと思っていました。やはり●●みたいなバンドがチヤホヤされますし、それは分かってるんですが、ボクらは敢えて誰も通ってない道を選びました。
ーQ : 2000年前後は現在の様なスラッシュメタル再評価の兆しは大きくなかったと思いますが?
自分らの影響の在庫から吐き出し作曲すればオリジナリティ溢れるメタルが出来ると信じて、それを演奏していただけなので、スラッシュメタルに拘りはなかったんです。もちろん今も同じです。便宜上スラッシュメタルと名乗っていますが、純粋なスラッシュメタルではないので、本気の人には申し訳ないと常に思っています。
ーQ : 当時の大阪のメタルシーンはどの様な感じでしたか?
当時は沢山の同世代バンドが居ました。みんなホンマにカッコ良くて熱いバンドが多かったです。上手い人たちもたくさんいましたし、切磋琢磨してシーンが盛り上がってるように感じていました。ただ海外の●●みたいなバンドも多く、オリジナルな感じのバンドは少なかったように思います。ボクは87年頃からDASREICHというバンドで活発にライヴ活動をしていたんですが、1990年に解散してしまって、それからはパンクのほうで弾いていたので、いまいちメタルのシーンが分からなくなってたんです。で、またメタルを演ろうとマニピュを94年に作ってそのシーンに戻ってきたので、逆に出遅れたような思いも感じていました。DASREICHが演ってた頃は居なかったようなバンドがシーンの中心になっていたので、彼らに負けない為にはオリジナリティで勝負していかなアカンなぁ、と強く決意しました。
ーQ : リリース後の反響や手応えは如何だったでしょう?
自主制作じゃなく、レーベルと契約してCDをリリースする事が珍しい時代では無かったですが、それでも自主制作バンドとは違うという自負はありましたし、いつも応援してくれてる人らは一緒に喜んでくれました。ライヴに来てくれるお客さんも日に日に増えていきましたし、デモテープバンドからCDバンドになったんやなと実感しました。雑誌のレビューはそれこそ賛否両論で、凄く良い事を書いてくれるところもあれば、酷評もあったりして、人の気持ちって色々あるんやと勉強になったりもしました。今聴き直すと酷評した人の気持ちも、絶賛してくれた人の気持ちも分かる荒削りな作品です。
ーQ : 今、改めて『BURST INTO BLUE FLAME』を思い返すとどんな思いがありますか?
1つのキーだけで1曲やってやろうとか、同じリフが2度と出て来ない曲やったり、オリジナリティを追求するがあまり、無茶苦茶なことも平気でやってるし、音は悪いし、幼稚な事だらけですが、熱い気持ちだけは誰にも負けずに持ってたと思います。特にボクは大学生でも会社員でも無く、バンドやる為だけに生きてた訳で、その熱い気持ちも音源には封じ込められていると思います。
ーQ : 今回『PAST IN THE BLACK FLAME』としてリ・レコーディングした経緯は?
去年春くらいに、とある方から「来年リリース20周年ですよ」と言われまして、長らく廃盤状態だった1stを再発してみたらどうだ、と。良いアイディアだと思いましたが、今のマニピュのメンバーはボク以外全員違うし、再発するためだけにレーベルがカネ出すなら、もっとナイスなカタチでそのカネを使ったほうが良いんじゃないかと思い再録音する事にしたんです。やっぱ当時の音は恥ずかしいですから。それもバンドの歴史だという意見があるのも知っていますし、あの荒さが好きな人がいるのも分かってるんですが、今回は再録音を選びました。
ーQ : 今回のレコーディングで意識したことは何でしょう?
曲はアレンジなど特にナニも変えていないので、古い曲が古く聴こえないように心掛けて録りました。全パートが2000年より進化してる事が分かるように。
ドラムの音色にかなり拘りました。過去の作品とは違う新しい録り方に挑戦しました。この録り方でかなり可能性が広がりました。あとはギターのバッキング。デカい壁が迫ってくるような感じにしたかったんで。ヴォーカルはボクが歌ってた1stとは違うアプローチで録ったんで面白いと思います。あとはヴァイオリンとかです。1stの時はとりあえずヴァイオリンを入れたかったんですが人が見つからず「小学生の時に少し習ってました」くらいの人に弾いてもらってましたが、今回はキッチリと録れたんで、その辺は聴いて欲しいです
ーQ : オリジナル・リリースから20年を経た今、モチベーションやバンドに対する考え方は変わったりしましたか?
ボク個人としては何も変わってないです。20代の頃と同じくバンド中心に考えて生きていますんで。ただマニピュメンバーはそういう人ばかりじゃないので、擦り合わせてベストなスケジュールで活動しています。ボクがボクの立てた計画でバンドを動かせば、たちまちメンバーは辞めてしまうでしょうから。今のマニピュのメンバーをボクは好きなんで誰も辞めて欲しくないです。
ーQ : 今後の活動予定を教えてください。
4月と5月は土日を使って再録盤のレコ発ツアーをします。7ヶ所ですが。それが終わったら、7月に四日市のイベントに今年も呼んでもらえたのでそれに出て、8月に友達のバンドのレコ発をサポートしたらライヴスケジュールは白紙です。そこからは新作に取り掛かるつもりです。ボクは個人的に新しいバンドも立ち上げたので、そっちの活動も忙しくしたいところです。
MANIPULATED SLAVESに関連するトピックス
-
MANIPULATED SLAVES 1stアルバムリリース20周年記念作!
HMV&BOOKS online最新トピックス
-
「鬼滅の刃」柱稽古編 Blu-ray & DVD 発売決定 【HMV限定特典つき】
HMV&BOOKS online - アニメ|38分前
-
Lienel (リエネル) 新曲 シングル『Curry on love / ギラサマ』8月21...
HMV&BOOKS online - ジャパニーズポップス|6時間前
-
■5/12(日)■ 本日2回目のクラシック中古新着品含む"超大量"1000枚出...
HMV&BOOKS online - 中古|8時間前
-
【コピス吉祥寺】5/6(月)〜5/12(日)入荷 新着商品リスト
HMV&BOOKS online - 中古|10時間前