ヨゼフ・ブルヴァ/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番、第27番、他
2020年04月26日 (日) 11:05 - HMV&BOOKS online - クラシック
「幻のピアニスト」あのブルヴァの感動、ふたたび。
2014年と2015年に「RCA Red Seal」からソロ・アルバムを発売し、その滋味溢れる演奏で驚きと感動を与えてくれたヨゼフ・ブルヴァ。5年ぶりのニュー・アルバムの登場です。
ブルヴァは1943年ブルノ生まれ。生地の音楽学校で学び、そこで最初に師事したヴァーツラフ・ランカは彼の才能を見抜き、これを大切に育て上げました。ブルヴァは13歳でデビューを飾り、その才能はチェコ内外で認められました。しかし1971年に事故に逢い、1年間の活動休止を余儀なくされたことで自らの芸術への思いを見直し、その翌年にルクセンブルクに亡命します。数多くの録音を行い世界中で認められ始めた頃、彼を再度の悲劇が襲います。1996年3月、凍った道で滑って転んだ彼は左手を負傷、一度は引退を決意しますが、音楽への思いは絶ち難く、手術とリハビリを繰り返し2009年に復帰しています。
彼の最新録音となる2019年に録音されたこのアルバムでは、まさに「音楽への愛」溢れた3人の作曲家のソナタを聴くことができます。2020年に生誕250年を迎えるベートーヴェンの2曲のソナタは、どちらも2楽章からなる比較的規模の小さい作品ですが、ベートーヴェンの穏やかな面が垣間見える旋律的な曲で、とりわけ第27番はシューベルトに影響を与えたといわれるほどに「歌」に溢れたソナタ。ブルヴァの演奏はまさに旋律を慈しむかのような味わい深いものです。続くスクリャービンでは、淡々と曲を進めながらも、第3楽章ではスクリャービンの求める官能性をじっくり描きだしています。そして最後に置かれたのはマルチヌーのソナタ。1954年、彼の晩年に書かれたこの作品は、親友ルドルフ・ゼルキンに捧げられた曲で、祖国チェコを離れ、結局帰郷することができなかったマルチヌーの望郷の念が込められているという力作ですが、ブルヴァは同郷の作曲家の意を汲み取り、刻々と移り変わる楽想を丹念に紡ぎあげていきます。その朴訥とした歌い口は、現代のピアニストたちとは全く違う魅力を放つものです。(輸入元情報)
【収録情報】
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調 Op.78
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
● スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23
● マルチヌー:ピアノ・ソナタ第1番 H.350
ヨゼフ・ブルヴァ(ピアノ)
録音時期:2019年12月8-12日
録音場所:アウグスブルク、バナッカー、ヘーレンハウス
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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