アンブローズ・アキンムシーレ　ブルーノート最新リーダーアルバム『On The Tender Spot Of Every Calloused Moment』

現代ジャズ最高の”トランペット詩人”アンブローズ・アキンムシーレ ブルーノート最新アルバム『On The Tender Spot Of Every Calloused Moment』

遡ること十余年、テレンス・ブランチャード、クインシー・ジョーンズ、ハーブ・アルパート、クラーク・テリー、ロイ・ハーグローヴなどが審査員を務めた2007年度の〈セロニアス・モンク国際ジャズコンペティション〉で優勝、同年〈カーマイン・カルーソー国際ジャズトランペット ソロコンペティション〉でも優勝し、一躍ジャズ界の注目の的となったトランペッター、アンブローズ・アキンムシーレ。

2008年のフレッシュサウンド盤『Prelude... to Cora』に続き、2011年にブルーノートから『When The Heart Emerges Glistening: うちなる閃光』で鮮烈なメジャーデビューを飾り、その後も『Imagined Savior Is Far Easier』(2014)、『Rift In Decorum: Live At The Village Vanguard』(2017)、『Origami Harvest』(2018)とコンスタントにリーダー作をリリースし、今や押しも押されぬ現代ジャズシーンのトップトランぺッターへと上り詰めたアキンムシーレが放つブルーノート第5弾『On The Tender Spot Of Every Calloused Moment』。

本作でアキンムシーレは、自身の”声”を使ってアメリカの黒人生活の複雑さを分析。すべてを解き明かしているような彼のトランペットからは、アメリカ 244年の歴史の中で良いところも悪いところも見てきた黒人の息吹が伝わり、それを49分間のゴージャスで変化に富んだアートに変えていく、言わば「現代的な文脈でのブルース研究」のようだ。

2011年のデビューアルバム『When The Heart Emerges Glistening』には、アキンムシーレの朗読による「My Name Is Oscar」(2009年にオークランドで起きた警官による黒人男性オスカー・グラントの射殺事件に言及)が収録されており、そこで確立されたテーマは、9年の年月を経てリリースされる本作においても変わらず高々と掲げられている。

当時は短い髪ときれいに剃ったポートレートだったアルバムのジャケットが本作では、髪の毛が伸び、髭を蓄え、黒いフード付きのスウェットを着ているものに。また、アキンムシーレは本作について次のように語っている。「これは僕の最初のレコードの続編として考えてもらっていい。ファーストアルバムのランドマークに戻っているんだ」。

収録曲

01． Tide of Hyacinth (featuring Jesus Diaz)

02． Yessss

03． Cynical sideliners (featuring Genevieve Artadi)

04． Mr. Roscoe (consider the simultaneous)

05． An Interlude (that get' more intense)

06． reset (quiet victories&celebrated defeats)

07． Moon (the return amplifies the unity)

08． 4623

09． Roy

10． Blues (We measure the heart with a fist)

11． Hooded procession (read the names outloud)

 

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