ヨハン・ヨハンソン《レトロスペクティヴボックス》第2巻 2016年12月独フンクハウスでのコンサート映像もボーナス収録した8CD+DVDボックス

2020年09月02日 (水) 17:00

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ヨハン・ヨハンソン追悼《レトロスペクティヴボックス》第2巻 9/18(金)発売

音の革新者でもあったアイスランドの作曲家ヨハン・ヨハンソン。この世を去って2年が経過した今、その功績に改めて敬意を表し、レトロスペクティヴボックスの第2巻がドイツグラモフォンからリリースされる。

ハードカヴァータイプの本ボックスには、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『ボーダーライン (原題:Sicario)』や『メッセージ (原題:Arrival)』など、数々の賞を受賞した、最も影響力のあるスコアとスタジオアルバムの包括的なセレクションが収録されている。

また、映画『博士と彼女のセオリー (原題:The Theory of Everything)』、映画『喜望峰の風に乗せて (原題:The Mercy)』、デビューアルバム『Orphée』、『ティロ・ハインツマンとの12の対話』、画期的な録音による初期の名作『エングラボルン』のリマスター版に加えて、ヴィキングル・オラフソン、坂本龍一、アンビエント・デュオ、ダスティン・オハロランとアダム・ウィルツィーのア・ウイングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルン (A Winged Victory for a Sullen)らによるリワークヴァリエーションも収録。

さらに、ウィンダム・ウォーレスとジョン・シェーファーによる2つの新しいエッセイ、2016年12月ベルリンのフンクハウスで行なわれた記念すべきコンサートのボーナスDVD、そしてヨハンの伝記と音楽への深い洞察を提供する貴重な写真を多数収録している。

ヨハンソンは、映画音楽のスコア、ミニマルクラシック、アンビエント、電子音楽の間を自由かつ独創的に行き来する作曲家たちのサークルにおいて、マックス・リヒターとともに中心的な役割を担ってきた真のクリエイターだった。彼の音楽は、エレクトロニクスやクラシックのオーケストレーションから、ミニマリズムやドローン音楽、電子音楽やクラシックの形態まで、幅広いジャンルをカヴァーしているが、決して既成のカテゴリーに落ち着くことはなかった。


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Johann Johannsson(ヨハン・ヨハンソン)

数々の受賞歴に輝く作曲家/ミュージシャン/プロデューサーのヨハン・ヨハンソンは、1969年アイスランド生まれ。電子音とクラシックのオーケストラ・サウンドを融合させたヨハンソンの音楽は、バロック、ミニマル、ドローン・ミュージック、エレクトロ・アコースティック・ミュージックなど、多様なジャンルの影響を受けている。映画音楽の分野では、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『ボーダーライン』(15)の音楽で米国アカデミー賞作曲賞、BAFTA(英国アカデミー賞)作曲賞、放送映画批評家協会賞作曲賞にノミネート。また、スティーヴン・ホーキング博士の実話に基づくジェームズ・マーシュ監督『博士と彼女のセオリー』(14)の音楽は批評家に絶賛され、ゴールデン・グローブ最優秀作曲賞を受賞したほか、BAFTA作曲賞、グラミー賞サウンドトラック作曲賞、放送映画批評家協会賞作曲賞にノミネートされた。

 ヨハンソンは11歳より故郷レイキャヴィークでピアノとトロンボーンを学び始めるが、高校在学中、音楽を勉強として学ばせるレッスンに窮屈さを感じ、正規の音楽教育を放棄した。大学で文学と外国語を学んだ後、10年間にわたってインディーズ・バンドに楽曲を提供し、ギターのフィードバックを多用した音楽や、複雑なマルチレイヤーからなるサウンドスケープ作品を作曲。ヨハンソンは生楽器のデジタル処理を駆使しながら、生音と電子音を融合させ、個性的で斬新な音楽を生み出した。

 2002年、ソロ名義のデビュー・アルバム『Englabörn』をイギリスのTouchレーベルよりリリース。その音楽はサティ、バーナード・ハーマン、パーセル、ムーンドッグといったアーティストから、ミル・プラトー・レーベルやメゴ・レーベルの電子音楽まで、ヨハンソンが受けた影響の広さを伺わせた。その後リリースしたアルバムに、金管アンサンブル、電子ドローン、パーカッションのために書かれた『Virðulegu Forsetar』(04)、オーケストラのために書かれた『Fordlândia』(08)と『IBM 1401 – A User’s Manual』(06)――後者はIBMの先駆的汎用コンピューターが発する電磁波の発振音にインスパイアされたアルバム――などがある。2010年にはアメリカの実験映像作家ビル・モリソンとコンビを組み、北東イングランドの廃坑の歴史と遺産を叙情的かつ内省的に描いたドキュメンタリー映画『The Miner’s Hymns』を発表。ヨハンソンは同作の生演奏上映のために金管バンド、パイプオルガン、電子音を含むスコアを作曲し、サントラ盤もリリースされた。

 このほか、ヨハンソンはロウ・イエ監督『二重生活』(12)、ヤーノシュ・サース監督『悪童日記』(13)、マックス・ケストナー監督『Drømme i København (Dreams in Copenhagen)』(14)など、ハリウッド作品以外のワールドシネマやドキュメンタリー映画のサントラも手がけ、高い評価を得ている。2015年には、気の遠くなるようなスローテンポでサウスジョージア島と南極半島の荒涼たる光景を旅していく短編映画『End of Summer』で監督デビューを果たし、同作の印象的なサントラも作曲した。管弦楽、室内楽、舞台音楽の分野では、これまでにカナダ・ウィニペグ交響楽団、バング・オン・ア・キャン、シアター・オブ・ヴォイセズ、オスロ・ノルウェー・シアター、アイスランド国立劇場のために作曲をおこなっている。

 2006年12月、アパラット・オルガン・カルテットのメンバーとして初来日。2007年2月には札幌スノースケープモエレIIの公演で単独来日を果たし、さらに同年7月には<東京の夏>音楽祭2007でコンサート「ヨハン・ヨハンソンの世界」を開催した。

 2016年、6年ぶりとなるスタジオ録音アルバム『オルフェ』をリリースし、ドイツ・グラモフォン・レーベル(DG)よりデビュー。同じくDGより、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とのコンビ第3作『メッセージ』(16)サントラ盤もリリースし、ゴールデン・グローブ作曲賞、BAFTA作曲賞、グラミー賞映画・テレビ・サウンドトラック部門などにノミネートされた。

 2017年には、構想7年のマルチメディア作品《最後にして最初の人類》をマンチェスターにて世界初演。同年、ダーレン・アロノフスキー監督と『マザー!』(17)で初めてコンビを組み、音楽をほとんど流さないアプローチが話題となった。

 2018年1月に最後の映画音楽作品となった『Mary Magdalene』(18)を完成させた後、2月にジェームズ・マーシュ監督とのコンビ第2作『The Mercy』(18)サントラ盤をDGよりリリース。最後のソロ・アルバム『エングラボルン(天使たち)』リマスタード&ヴァリエーションズを完成させた直後の2月9日、ベルリンのアパートで遺体が発見された。享年48。

(訳および加筆:前島秀国)




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