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2020年10月20日 (火)

ベルリン・フィル&HMV&BOOKS online提携サイト
IIJのハイレゾ・ストリーミング・サービス「PrimeSeat」で
K・ペトレンコ 指揮のチャイコフスキー「第5」、「第6」を無料試聴!


 株式会社インターネット・イニシアティヴ(IIJ)のハイレゾ配信サービス「PrimeSeat」では、上記CDエディションより、今後3回にわたりK・ペトレンコ 指揮ベルリン・フィルの演奏がご試聴いただけます。第2回はチャイコフスキーの「交響曲第5番」第4楽章、「交響曲第6番」第2楽章。11月8日までの限定ですので、この機会にぜひお楽しみください!音質は、192kHz/24bitのスタジオ・マスター。この機会に、ぜひお試しください!

※IIJは、「ストリーミング・パートナー」として、デジタル・コンサートホールをサポートしています。

PrimeSeatで無料先行試聴する

『レコ芸』記事再録【キリル・ペトレンコの実像とは…満津岡信育・舩木篤也・広瀬大介】(後半)


 キリル・ペトレンコ とは誰か?これまで録音がほとんど存在しなかった彼は、まだ多くの音楽ファンにとっては謎の存在とも言えます。ここでは、『レコード芸術』誌2019年11月号に掲載された、彼をめぐる満津岡信育、舩木篤也、広瀬大介の音楽評論家3氏の鼎談を再録。ライブ演奏会の印象も含め、彼の魅力に迫った必読の内容です!

協力:音楽之友社

広瀬 ミュンヘンでは、リハーサルを何度か見学しました。合唱団の人にも、どんなリハーサルなのか聞く機会もありましたが、練習はけっこうしつこいです。同じところを、手を変え品を変え、時間ギリギリまで粘る。それに本気でつき合うと、みんなクタクタになるけれども、良い結果が出ることがわかっているから、ぜんぜん苦にならない、と。
舩木 やらされている気がしないみたいですね。ルートヴィヒ・クヴァント(第1首席チェロ奏者)とのインタヴューでペトレンコ自身が言っていたことですが、「できてないから何度もやらされてる、と楽員が思わないよう、そこに一番気をつけている。ダメだ、もう1回弾け、ではなくて、もっとこういうやり方があるよねと納得してもらい、一緒にやるようにしている」。
 彼のなかで、こうしたいというコンセプトは、おそらくすごく強くある。妥協はしない。厳しく、頑固なところがある。先ほどの「自分と同じ人たちの間にいる気がする」も、聞きようによっては、けっこう大胆な発言ですよね。百戦錬磨のベルリン・フィルのメンバーを前にして、「自分は君たちと同じレヴェルにいるからな」という風にとれなくもない。裏にはつねに強烈なプライドがある。彼は、これらぜんぶのよき混合でできている。ペトレンコのことを論じる場合、鳴っている音楽はもちろん大事ですけれど、彼という人間のありようも大きいと思います。
広瀬 ミュンヘンにおけるペトレンコの存在は本当に大きくて、ピットに出てきたとき、他の指揮者とはぜんぜん反応が違います。出てきた瞬間にブラヴォーが飛びますよ。いま指揮しているオペラはドイツものが主で、19世紀後半以降のオーケストラ編成が大きいもの。聴き映えするレパートリーが中心です。ミュンヘンでは、新演出は《パルジファル》《オテロ》、再演出が《ニュルンベルクのマイスタージンガー》《フィデリオ》《リング》、それとプッチーニの《三部作》を観ました。
舩木 私もミュンヘンの《マイスタージンガー》は観ました。カウフマンが出た2016年の時で、バイロイトほどの出来ではなかったようですが、プローベの回数が足りなかったのでしょうか。とはいえ、計算と感情のバランスが絶妙で、どちらも同じ熱量をもっている。それを人間相手にどう出すか、そこがうまい。
広瀬 なにかものすごく熱いものが燃えたぎっているんだけど、完全に落ち着いた人格で、その熱いものを謙虚さで覆い隠している。

ドイツ的という共通項
舩木 彼のテンポは速いですか? 私はあまり感じないんですが。
満津岡 速い時もありますよね。というより、速いところのほうが印象に残る。
舩木 音楽が停滞せず溌剌としているところは、往年のカルロス・クライバーを思い起こさせますが、クライバー流のカンタービレはない。歌っていないわけじゃないけれど、拍節の腰が据わっているというか。そういう意味では伝統的、非ラテン的、ドイツ的。ちょっと滑らかじゃないところがあるかもしれない。
満津岡 そこが良さでもありますよね。楽員のインタヴューでも、「中欧的な音楽の基本をよくわかってる人」だと言われています。一生懸命勉強して、ドイツ・オーストリア音楽の基本をきちんと身につけた人なのではないでしょうか。
舩木 ハンス・スワロフスキーの孫弟子に当たりますよね。
満津岡 そういう個性は、ラトルとはぜんぜん違います。だからこそ、ラトルの後任にはこういう人がほしかった、とオーケストラも聴衆も感じたということはあるでしょう。
舩木 ベルリン・フィルは、アバド、ラトルと受け渡され、イノヴェーションを果たしたように見えて、その実、抜きがたくドイツ的なところがある。ではペトレンコは伝統的な「カペルマイスター」かというと、必ずしもそうではない。だけど、ベースとなる軸に、ベルリン・フィルにピタッと嵌まるドイツ的なところがあるのではないか。そんな彼が、もとはシベリアから来たという新鮮さ。
満津岡 移民を巡る状況とか世相とか、そういった時代が求めるものにもうまくマッチしたということもあるのでしょうか。
舩木 ベルリン・フィルは、選んだ時点では、そこまで考えていなかったでしょうね。皮膚感覚的に「あの人はいい!」という、恋人見つけたみたいな感じだったかもしれない。
満津岡 3つのプログラムでしか客演してない段階で決めてしまったわけですからね。それだけ惚れ込んだ。そして彼の可能性に賭けた部分はけっこうあったと思います。
舩木 それを本人も感じていて、あまり熱くなりすぎないよう、本当に自分が受け入れられるか、楽団以上に慎重になっているのかもしれません。

ベルリン・フィルとの《悲愴》?わたしはこう聴いた
満津岡 ペトレンコとベルリン・フィルの初録音である《悲愴》は、本誌の月評で特選盤にならなかったことが逆に話題になりました。これは期待が高すぎたことの反動だったような気もします。
 私は、これは先に出たクルレンツィス盤へのアンチテーゼ的なディスクだなと思いました。クルレンツィスは、演奏はもちろんのこと、録音でできることをとことん突き詰めて、いわばレコード芸術≠ニして徹底的に作り込んでいる。ペトレンコはレコーディングに対するこだわりがあまりなくて、本番とゲネプロの中からできるだけ編集の手を入れないで作っているのだと思います。とはいえ、細かいところまで練られた良い演奏だと思います。管楽器のソロなども、ベルリン・フィルの自発性も織り込んで、きちんとうまく作っている。とくにハイレゾで聴くと、並みの演奏ではありませんよ。
舩木 私は、《悲愴》に関してはクルレンツィスの方により魅力を感じました。ただ、比べても仕方がない部分はありますね。録音物として作り込むというスタンスはもちろん、リハーサルの回数からしてぜんぜん違うわけですから。クルレンツィスの異様なメランコリーの深さ、表現のラジカルさはペトレンコにはない。もちろんそれはペトレンコの美質です。ドラマティックでありながら自制が効いていて、品位がある。
広瀬 ペトレンコはインタヴューで《悲愴》の標題性について触れています。この演奏はオペラ的かもしれないけれど、と語っていて、まさにそういう要素を私も感じます。具体的には第1楽章。展開部の終わりは疑似再現部になっていますね。第1主題は悲劇的に終わり、再現部は第2主題から始まる構造になっています。その再現部の直前、第299〜300小節にf4つからpへのディミヌエンドがあります。これは予期せぬ「運命の打撃」で、さらにその後、第301小節のffで本当の終末がくる。第1主題が悲劇のままに終わることをキチンとわからせる作り込みを施している、というところに、オペラ的なものを感じました(了)。

10月20日終了!ベルリン・フィル・レコーディングス サンプラー全員プレゼント・キャンペーン:期間中に対象商品を購入すると、日本限定2枚組SACDサンプラーがもれなくもらえる!


 ベルリン・フィル・レコーディングスでは、日本での販売元であるキングインターナショナル創立30周年を記念して、同社との共同スペシャル・キャンペーンを開催しています。これまでにリリースされた対象商品をキャンペーン期間中にお買い上げいただいたお客様に、先着で日本限定2枚組SACDサンプラー『プレゼンティング・ベルリン・フィル・レコーディングス』をプレゼント。サンプラーには、これまで発 売されたタイトルから当レーベルで厳選した演奏が収録されています。その際、ラトル指揮のマーラー「交響曲第6番」、ドゥダメル指揮のジョン・アダムズ《シティ・ノワール》(共に抜粋)は、SACD初登場となります。キャンペーンは10月20日で終了。この機会に、ぜひお求めください!

キャンペーンの詳細はこちら

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』、第7番、チャイコフスキー:交響曲第5番、第6番『悲愴』、他 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル(5CD+2BD)

CD

ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』、第7番、チャイコフスキー:交響曲第5番、第6番『悲愴』、他 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル(5CD+2BD)

ユーザー評価 : 4.5点 (5件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥14,300
会員価格(税込) : ¥13,156
まとめ買い価格(税込) : ¥12,155

発売日:2020年10月20日
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交響曲第6番『悲愴』 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル

SACD

交響曲第6番『悲愴』 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル

チャイコフスキー(1840-1893)

ユーザー評価 : 4.5点 (7件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥3,565
会員価格(税込) : ¥3,280
まとめ買い価格(税込) : ¥3,030

発売日:2019年05月11日

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