ジェフ・トゥイーディー 最新ソロアルバム『Love Is The King』CDリリース ロックダウン下で自身の心の安らぎを求めた ”癒しのカントリーロックサウンド”

2021年06月01日 (火) 14:00

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ジェフ・トゥイーディー 最新ソロアルバム『Love Is The King』がCDリリース この時代だからこそ伝えたい愛と希望。ロックダウン下で自身の心の安らぎを求めた ”癒しのカントリーロックサウンド”

ウィルコのフロントマン、ジェフ・トゥイーディー。ウィルコとしての活動だけでなく、ここ最近はソロアーティストとして、また息子とのバンド、トゥイーディーとしても作品を発表している彼だが、2018年のソロアルバム『Warm』、そして2019年にリリースした続編的作品『Warmer』に続く最新ソロアルバムを完成させた。 ウィルコとしても昨年、アルバム『Ode To Joy』をリリースし、また自身の著作『How To Write One Song』を上梓するなど忙しくしていたジェフが10月に配信先行でリリースした最新作『Love Is The King』。今春、コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの中で制作されたアルバムだ。そのアルバムが配信に続き、待望のCDとアナログLPで発売となる。

アメリカでも猛威を振るったコロナウイルスの感染拡大により、3月以降のウィルコの北米ツアーが延期となったジェフは、シカゴの自宅に戻った。そこで世界的な危機による不安や混乱を避け、息子のスペンサーとサミーとともにスタジオにこもり、アルバムができるまで1日1曲を作りレコーディングしていくというタスクを自らに課したのであった。クリエイティヴィティと音楽こそが、彼らにとって安らぎをもたらし、ホッとできるものであったからだという。曲を作る中、彼らは外の世界で起きている大きな混乱を取り上げるのではなく、自身の内面に向き合い、心の中に生まれる恐怖や別離、脆弱性というものが引き起こすものを表現しようとしたという。





「痛みを無駄にしてはいけない」。そう語りながらジェフは、持ち前の知恵とウィットで、生きることや愛することの二面性を受け入れ、曲へと描き出していく。例えばタイトルトラックにある “人生は平等じゃない / 愛こそが王だ” という歌詞の一説のように。またアルバム収録曲の「Robin Or A Wren」では、死を悼みながら転生を受け入れ、絶望と希望を対比させている。

さらには短編映画を思わせる詩的な語り口でパーソナルなテーマに触れながら、広く共感を得る作品もある。ジェフとトム・シックがプロデュースを手掛けたこのアルバムに収録されている楽曲は、音楽と詩によって、ある特定の時代における人々の苦闘を表現しながらも、直接その時代を引き合いに出すことなく、ところどころに滲ませているのだ。曲を歌うジェフの口元がエルヴィス・コステロやロビン・ヒッチコック、ノラ・ジョーンズや彼の息子たちなど様々な人物の口元に置き換わるユーモラスな「Gwendolyn」のミュージックビデオも注目だ。


Gwendolyn (Official Music Video)


Guess Again (Official Lyric Video)




本作について、ジェフは次のように語っている。「ロックダウンが始まった頃、僕は自分を慰め元気付けるためのカントリーソングを書きはじめたんだ。フォークとかカントリーの類は僕にとっては快適な食事みたいな存在でとっても心地いいものなんだよ。『Guess Again』は、この一連の楽曲制作によって、うまく外界から距離を置くことができた、とてもいい例になっていると思う。僕の恵まれているところを思い返しながら、自分の生活の中に、愛すべきものを持ってることがなんて幸せなんだっていうことを実感できたよ。ちょっとした恐怖とか不安が忍び寄ることもあったから、まあずっと安定しているのは難しかったんだけど・・・ そんな感じで数週間後にはこの『Love Is The King』が完成したんだ。希望に溢れた作品なんだけど、間違いなく自分を落ち着かせる能力の限界ってものを発見した作品でもあるよ」。

アルバムが生まれるきっかけとなったのは、ロックダウン下、創造性の心地よさを盾にしながら、家族としての落ち着きを得ようとしたことだったという。しかし完成したアルバムにおいて、ジェフは巧みなバランス感覚で愛と希望を歌に描くのであった。共通の経験というレンズを通し、彼は歴史の一時代を記録したのである。このような時代だからこそ、ジェフ・トゥイーディーが届けたかった『Love Is The King』。ここには必要とするすべての人のための慰めがあるのだ。


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