【全曲解説】vistlip『M.E.T.A.』

2022年04月05日 (火) 13:00

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全曲解説テキスト by 智(Vo) Yuh(Gt) 海(Gt) 瑠伊(Ba) Tohya(Dr)


1. PW:Invitation

『メタバースの世界』への導入の曲になっています。
智と楽曲の方向性の話をして、メインフレーズから細部の音使いなどもこだわって制作しました。
イメージとしては、ログイン画面のBGMだったり、近未来を音で表現しています。
次曲の世界観へ没入する為の切り替わりのセクションは、
危険な香りを漂わせるように、緊張感が出るように工夫をしています。
フルアルバムでInst曲でOPとEDを彩る方法は久しぶりなのもあり、制作はとても楽しくできました。(Tohya)


2. BGM「METAFICTION」


音楽は必要ないと突きつけられたような気がした時、そんな事はないんじゃないか、みんな自然と音楽を欲してしまうんじゃないかと書いた歌詞です。どんなに切り離そうとしても不思議と音はいつだってすぐそばに居て、人生のBGMとなる。そんな悪魔みたいなヤツが語りかけているイメージで書いてます笑。(智)

今まで沢山の楽曲を作ってきた中で、また新たな挑戦、新たなステップを踏んだ曲になっています。
大人の悪さや、アダルトな部分を今まで楽曲では表現してませんでしたが、15年やってきた今だからこそ最大限にかっこよく表現できたかと思います。
ゆったりとしたBPMですが、細かいリズムの刻みや長い間隔のシャッフルで自然と体が揺れるような、ライヴでより一層楽しめる曲になっていると思います。
自分の中で挑戦的な部分も大きかったので、想像以上に上手くいってとても満足しています。(Tohya)


3. "TOXIC"

このアルバムのテーマソング、オープニングテーマをイメージして書きました。メタフィクションの主人公が存在する世界を表現したくて。今回のコンセプトでもあるThug感や、作品を通してリスナーやオーディエンスの心を奪う、というような意思表示をしている歌詞でもあります。(智)

「大人の色気」をテーマにイメージを膨らませながら作った曲です。
主にジャズなどで使われるコードを意識的に多く使用し怪しさや妖艶さを表現してみました。
サビメロなどはキャッチーで聴きやすく仕上げれたと思います。
また、曲中には楽器隊それぞれの見せ場なども散りばめられているので聴き応えのある一曲になっていると思います。(瑠伊)


4. CRACK&MARBLE CITY

シングルです。僕が病気でお休みをもらっていた時の気持ちを書き留めました。今僕はメンバーやファンとは別の場所に居るんだと絶望した事を覚えています。M.E.T.A.は仮想空間をイメージした作品でもあるので、この歌詞の世界感が実はピッタリで。1つの都市としてこの場所が存在しているような感覚です。(智)

この曲は2019年9月にリリースしたシングルの曲です。
長くバンドをやっていると様々な出来事が起こる中、1つの壁を乗り越えていくイメージの楽曲を作りました。
シンプルに曲の構成・構造を考えると過去作の『-OZONE-』という曲と近いです。
それを現代の自分たちで新たに構築し、表現しています。
ベースのソロフレーズから曲に入るんですが、そのフレーズを基軸に頭から最後まで作り上げました。
歌詞との調和、他の曲には特徴的な進行と、サビでは他の楽曲にないくらいのキャッチーなメロディに注目してほしいです。(Tohya)


5. ENTRY MODEL

子供の頃程人生のヴィジョンは明確だと思ったんです。こうなってこうなってこうなる、みたいな。妙に自信もあったりして。僕もあらゆる職業を見下して、俺は優等生や凡人にはならない、音楽で成功してみせると口にしていた子供らしい子供でした。でも今は違う。野心はあります。でも全然違う。それは少し寂しいですよね。(智)

これはイントロからずっと弾いているピアノをメインに作り上げました。
ピアノのフレーズを組み上げていく中で、必要最低限の楽器を重ねていくようなイメージで構成しています。
生ドラムが来る前に打ち込みのエレクトロなリズムトラックをあてていて、サウンドの隙間を大事にしつつ上手くミックスできたと思います。
繊細な曲ではありますが、ライヴではサウンドに身を任せてしっかりのってもらいたい一曲です。(Tohya)


6. Act

シングルです。僕はわりと控えめな性格というか笑。日本人単位でも多かったりするのかな。なんとなく諦めをマナーとして心得ているというか。ある日それに疑問を持ってしまって。なんで欲しいのに諦めなきゃいけないんだ?と。ここから少し変わりましたね、マインドが。もっと貪欲に、楽しんで生きようと決めました。(智)

前回リリースしたvistlipでは珍しい思いっきりストレートなシングル曲。
ミックスに変更はないもののマスタリングを新たにした事により曲の表情、艶感が少し変わっています。
そしてアルバムを通して聴くと元々のストレートさや熱量がシングルの時以上に際立つんではないかなと。
何事も少し躊躇してしまう様な事が多いこの世の中、聴いた人の背中をほんの少し押す、そんな一曲になれば嬉しいです。(海)


7. 無音

音楽を取り上げられた時期に思った事を書きました。沢山のミュージシャンや業界が立ち上がって、声を上げて、闘って。ファンは拠り所を失って。もちろん僕らだって音楽のファンですから辛かったですね。生の音、というものを体感する事ができなくなった悲しみ、そしてそれを忘れられてしまう、慣れられてしまう恐怖感を込めました。(智)

組んだ当初から自分の中で目指していた一つの形、やっと思い描いた形にまとめられたな、という感じです。
空気感と生々しさを大事にしながら作曲アレンジレコーディングを進めたので生きた音を感じてほしいです。
そして何より試行錯誤した二つの唄の絶妙な出入りを楽しんでほしい。
Master Editionに収録されてるリリックビデオはvistlipの今までの映像とはかなり違った感じに仕上がっているので併せて楽しんでもらいたいです。(海)


8. ID:ID [Extend Song](※Master Edition収録)

実は“イド”という意味も込められていたり。ちょっと心理学っぽい言葉で簡単にいうと本能みたいな。捻くれた日に出てきた感情を書きました。自分に代わりが居ないのはすごく嬉しいし光栄なんだけど、じゃあ誰かに頼りたいと思った時どうすればいいんだろうって。考え出したら糸が切れちゃいました笑。(智)

この曲は作ってみたかった曲を作りにいったイメージで、ダークファンタジーの世界を表現したような曲に仕上げました。
メインとなる曲調とは真逆のようなリズムトラック、ギターのリフを重ねる事で、より曲の個性が際立ちvistlipらしいまとまりになったと思います。
こちらはMaster Editionのみの収録となっておりますが、自信のある作品なので是非聴いてほしいです。
今までの楽曲を知ってる方なら必ず好きになれる曲だと思います。(Tohya)


9. 蟻とブレーメン

コロナ禍をどう楽しく乗り切ろうかなって考えを表現しました。敢えてなんでもないような事を並べてあります。日常感を出したくて。全部がまっさらになってしまったような時代です。ならここからは全員が前に進むチャンスだねって。僕はそう思いました。失くした分楽しみたいですし、忙しいですよね。(智)

疾走感とポップさが際立つ曲です。
バンドメンバーで楽しく音を合わせながら遊んでいる様な曲が作りたくて制作しました。
それぞれのパートをやや複雑めに作ってあり、そして随所に色々な遊び心も入れたりしています。
唄のメロディもなんとなくギターを弾きながら鼻唄で作ったメロディなのですごく自然なメロディラインになっているかなと思います。(瑠伊)


10. アンサンブル

この作品の中では1番ドラマ性があるかもしれませんし、1番泣きました。得意な手法でもあるんですが2つの物語を同時に走らせてあります。僕が生きる世界、僕が描く世界。そして結末は3通り用意してあって。どのルートをリスナーが通るのかはそれぞれ違くて構わないと思っています。(智)

王道という言葉がまさに相応しい曲となっています。
今までの自分らしさ、vistlipらしさをダイレクトに演奏しつつも、現代らしいサウンドも織り交ぜています。
今まで聴いてくれていたファンのみんなが安心できるような曲として今回のアルバムに採用されました。
ストレートな楽曲ではありますが、感情豊かな曲であり、心に響いてくれると思います。
この曲で使っているカノウプスのブロンズのスネアが今作で1番お気に入りのスネアでした。(Tohya)


11. STAR TREK

本人と他人がどれだけ違うのかを表現しました。自分に再起不能になってしまう程大きな事が起きても、今同じぐらい幸せを感じてる人が居るんだよなぁと。ひたすらポップな楽曲に荒い演奏やどこかクレイジーな唄声を乗せたのもそのためです。違和感を全面に押し出しています。あまり多くを語りたくない内容の歌詞ではありますが、少なくとも今は僕がついているよと訴えかけたいですね。(智)

今回のアルバムの選曲の際に「明るくストレートな曲が欲しい。」と智から言われ制作した曲です。
その要望を聞いた時に頭に浮かんだイメージがPUNKだったので、そのままそのイメージを形にしました。
ライヴ感を大事にしたかったので敢えて多少の粗さを演出するため使用機材や音色をライヴ時に使用しているものを使用したり、最後仕上がった全体に軽くディストーションをかけたりと、vistlipとしての新たな試みが詰まった一曲となりました。(瑠伊)


11. PW:ReAct(※Master EditionではTrack.13)

1. PW:Invitationの対となるInst曲です。
M.E.T.A.、メタバースの世界から帰ってくるイメージで作曲しました。
これも智と話をして、ライヴが終わる寂しさ・現実に戻る寂しさを感じさせずに、明るく帰ってこれるように、優しい音、フレーズで構成しています。
余韻も残しつつですがすっきりと終われるように作りました。(Tohya)


12. Sunday(※lipper収録)

仮想空間から気持ちを現実に戻すために書きました。日曜日、モーニングメニューを食べながら流したくなるような曲に人間らしい感情を乗せてあります。一見真っ白な空間に濃い色が渦巻いているような。vistlipはセオリー通りにいかないと良い意味で評価された作品です。皆さんも聴いて下さいね。(智)

落ち着いたお洒落な曲になりました。
所謂シティーポップのような曲調で、まさにドライブ中や夜景の中で聴くのがピッタリです。
曲調も歌詞も物悲しく切ない感じですが、特にラストのサビからアウトロにかけてが毎度聴くたびにグッときてしまいます。
今回のアルバムも中でも特に個人的に大好きな一曲で、とても満足いく仕上がりになっています。(瑠伊)


12. RED LIST [Extend Song] (※Master Edition収録)

今作のエンディングテーマとして書きました。レッドリストというのは絶滅危惧種を掲載している本の事なのですが、人間も1人1人が、たった1人しかいない絶滅危惧種なんだという事を書いています。世界がSFでしかなかったような計画を目標として公式に発表したりと、オカルトがリアルに変わった時代に直面しましたよね。それは絶滅を避けようとしているようで、実は自ら飛び込んでいるんじゃないか?肉体を失ってでも生きたいのか、大切な人の体温を感じながら死にたいか、そんな選択肢が迫ってきているような気がします。ですから、せめて今は慌てなくていいんだと思います。自分本位に笑っていいんだと思います。音はいつだってあなたのそばにありますから。どうか僕たちを鳴らして下さいね。(智)

今回はラウドでありつつ大人っぽさ、落ち着き、ストーリー性を持たせました。ラストに向かって開かれるような展開を付けました。
暗い中での希望を見出したい、そんな思いで作りました。激しくもありバラードのような曲だと思っています。(Yuh)


vistlip『M.E.T.A.』

GENRE:LOUDROCK
15年で培った多彩な表情で魅せる、3年4ヶ月ぶりのオリジナル・フル・アルバム
あざとい。実にあざとい。今作が持つ存在感をアニメ・キャラにたとえるならば、用意周到且つコケティッシュな“ルパン三世”の峰不二子に最も近い気がする。時には上品な貴婦人に変身することもあれば、時にはワイルドな強さで相手を圧倒してみせる変幻自在な彼女のように、今作には様々なタイプの楽曲が詰め込まれている印象。中でも瑠伊(Ba)のコンポーザーとしてのポテンシャルは、ここにきてさらなる高次元で花開いたと感じる。もともと器用なバンドだけに音楽的な作りこみも非常に凝っており、それでいてロック・バンドとしてのやんちゃさも忘れることなく、長年のキャリアに裏打ちされた貫録も充分。何もかもがあざとすぎて、聴く側はひたすら蠱惑されてしまうしか選択肢のないところが大変素晴らしい。
杉江 由紀 【ライター推薦】


M.E.T.A.

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M.E.T.A.

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Release Date: 30 Mar 2022

M.E.T.A.

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M.E.T.A.

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