ステラ・ドネリー ３年半ぶり２ndアルバム『Flood』― ポップ＆エキセントリックな先行シングル「Lungs」のミュージックビデオも公開中

オーストラリアのシンガーソングライター、ステラ・ドネリー ３年半ぶり２ndアルバム『Flood』

2019年のデビューアルバム『Beware of the Dogs』が、AIRアワードで〈Independent Album of the Year〉〈Best Independent Pop Album or EP〉を受賞するなど各方面で高い評価を得た オーストラリアの女性シンガーソングライター、ステラ・ドネリー。３年半ぶりとなる２ndアルバム『Flood』が完成した。

本作は、ドネリーの ”再発見の記録” であり、数ヶ月にわたる危険な試み、自己反省、そして多くの変遷の産物である。ジャケットに映るムネアカセイタカシギ (オーストラリアに棲息するセイタカシギ科の鳥) のように、ドネリーは未知の領域に足を踏み入れ、アーティストとしての自分、そして一個人がどれほど豊かな存在になれるかを学んでいる。

アルバム制作中に訪れた都市のひとつ、オーストラリアのベリンゲンの熱帯雨林で彼女はバードウォッチングをした。「自分に対する誰かの反応という感覚をなくすことができた。自分がミュージシャンであることを忘れ、ただ存在するちっぽけな存在であることを体感できた」と語る。

ちっぽけな存在であることを再確認し、自分でも知らなかった新たな創造的な井戸を掘り起こすことができた。彼女はベリンゲンを出て国内各地を移動しながら43曲を書き上げた。「見知らぬ土地で曲を作ることが多かった。フリーマントル、ウィリアムズ、ギルディントン、マーガレットリバー、メルボルンと回ったが、どこにいるかわからないことがよくあった。国境が閉鎖され、家族と連絡が取れなくなることで、自分の人生の大切な部分にフォーカスしてしまうことは否定できない」と彼女は振り返る。

Lungs (Official Video)

新たなロケーションでの曲作りは、新たなアプローチも生み出した。バンドメンバーとの曲作りは、時に幼稚園での実験的な遊びのようにも感じられた。また、共同プロデューサーのアンナ・ラヴァーティとジェイク・ウェブは、スタジオでの無理のない自然さを演出した。

ドネリーは、これまでのようにエレキギターで曲を書くことから離れ、ピアノを使用し、アルバムがもつ内省的な流動性と脆弱性を作品に吹き込んだ。「群れの中で見ると錯覚を引き起こすが、単体で見ると特異なアート作品になる」と、ムネアカセイタカシギを評する。

『Flood』の各曲はそれ自体が１つのアートだが、その集合体はドネリーのすべてを豊かに共有している。自身のインナーチャイルド、自己の育成、悪夢･･･ 洗いざらいの彼女がこの作品には注ぎ込まれている。彼女が感じるすべてを理解するには海が必要だ。しかし、飛び込む価値は十分にある。







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