激ロック×HMV&BOOKS online vol.112

GENRE：LOUDROCK
“最強”を謳うガールズ・バンド、RAISE A SUILENが10thシングル・リリース
表題曲は、メンバーのパレオ（倉知玲鳳／Key）にスポットライトを当てた楽曲。主役とも言えるキーボードは、トリッキーなフレーズが随所に散りばめられており、3曲目に収められているインスト・バージョンも十分に楽しめる点もポイントだろう。メイン・ヴォーカルはもちろんレイヤ（Raychell）だが、パレオの歌唱パートも設けられていて、自らを堂々“クレイジー”と言いきる意志の強さのようなものが垣間見える。多様性の尊重が叫ばれる現代社会において自分らしく生きることに対して悩んでいる人には、パレオの生き様、ひいてはこの楽曲が深く突き刺さるのではないだろうか。また、本作のBlu-ray付生産限定盤には、2本の単独ライヴ映像が収録されるという大盤振る舞いな仕様に。ファンにとっては見逃せない1枚となりそうだ。
宮�ｱ 大樹 【ライター推薦】

GENRE：MELODIC DEATH METAL
FATE GEAR、壮大且つドラマチックなストーリーのフィナーレ描く最新作ドロップ
嘘は真実を交ぜ込んだほうがより嘘としての完成度を増すというが。18世紀に実在したとされる女海賊のアン・ボニーとメアリ・リードを主人公に、FATE GEARがここに描き出したひとつのフィクションは、壮大にしてドラマチックなストーリーを生み出したと言えよう。21年1月に発売されたコンセプト・アルバム『The Sky Prison』、その前日譚にあたった前作『Killers in the Sky』に次ぐ今作は、Mina隊長（Gt/Ba/Composer）いわく“さらにその「間」を埋める物語”であるとのこと。もはやロック・ミュージックの域を超えて、映画サントラ的な要素さえ含んだこのサウンドは、エンターテイメントとしての完成度が非常に高い。ブックレットで読める隊長執筆の物語も併せてご堪能あれ。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, MIXTURE
今のCODE OF ZEROを詰め込んだミニ・アルバム『Storage of Solutions』
ポップでキュートでヘヴィな「S/O/G」から始まり、「BAN=DARANDOM」、「Same Insane」とフロアの盛り上がりが想像できるライヴ仕様の新曲が続き、メッセージ性の強い「QAdream」、「L.I.F.E.」から、“始まりの鐘が聴こえる 奇跡が僕らを待ってる”と希望溢れるフレーズで結ぶ「Periodicity」へ。CODE OF ZEROの最新作はコロナ禍の楽曲制作を経て、ようやくライヴハウスという居場所を取り戻し、再びゼロからイチを生み出す“再生の1枚”とも取れる。伝えるべき相手が明確に見えるうえで、決して押しつけることなく、自身の真正直な気持ちを届ける0C。コロナ禍でも諦めずにメッセージを届け続け、音楽を信じ抜いた彼女だからこそ作り上げられた、現在を反映した意欲作となった。
フジジュン 【ライター推薦】

GENRE：HEAVY METAL, HARD ROCK
次世代型ハイブリッド・ガールズ・ロック・バンド、Lonesome_Blue
“誰にも負けない”アグレッシヴで前向きな曲をパッケージした『Second To None』完成
次世代型ハイブリッド・ガールズ・ロック・バンド“Lonesome_Blue”が、今年2022年6月にリリースした1st EP『First Utterance』に続いて1stフル・アルバムを完成。タイトルの“Second To None”は“誰にも負けない”という意味を持つが、そんな強気な言葉にも納得の、アグレッシヴで前向きな楽曲を中心に構成された印象だ。大きな括りで言えばラウドロックだが、楽曲のジャンル感はEPに引き続き多彩。メタルやハード・ロックをベースとしつつ、語学堪能で歌唱力も備わった野村麻衣子の歌うキャッチーなメロディがアルバムを纏めあげていて、シーン内外の音楽ファンに受け入れられそうな予感あり。EPと合わせてこれで持ち曲15曲。ライヴ活動にも期待したい。
宮�ｱ 大樹 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
疾走する超特急の勢いは止まらない。キラーチューンを詰め込んだロットン最新作
すでにおなじみの楽曲「ハレルヤ」をはじめ、スマホ対戦ゲーム“A.I.M.$”とのタイアップ曲「永遠と影」なども含め、ここ数年のロットンの動向がギュッと凝縮されたような1枚。ヘヴィでありながらお祭り感もありダンサブル、和のテイストもあるメロディが印象的な「ハレルヤ」を皮切りに、新曲「秋桜」も疾走感満載のバンド・アンサンブルの中に哀愁漂うメロディという、ロットン節の光る楽曲が続く。そして、しっとりとした「ハロー、ハロー」や、ドラマチックな「It's Alright」のような言葉の重みをじっくりと味わえる楽曲も。さらにはスカ調の「相殺微量サイレンス」など変化球を飛ばして、最後は王道感のあるラウドロックでしっかりと締めてくれる。改めて、バンドの多彩な表情と独特なセンスに驚かされる作品だ。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：ROCK
2023年春より新たなバンドの形に挑戦するブルエン
“コードギアス 反逆のルルーシュR2”ED曲＆門出に相応しい応援歌収録シングル発表
メンバーの辻村勇太（Ba）が来年2023年春より活動拠点をアメリカに移すという、新しいバンドの形に挑戦することを発表したブルエン。そんな彼らのニュー・シングルは、TVアニメのEDテーマにもなっている表題曲「Z.E.R.O.」と、バンドの新たな門出にも相応しい爽やかな応援歌「青」を収録している。表題曲の「Z.E.R.O.」は、ストーリー性を感じる緩急のついたドラマチックな楽曲で、迫力のある演奏と印象的なリリックに惹き込まれる。そして、カップリングの「青」はまた違った趣で、ストレートに駆け抜けるような清々しさが気持ちのいい楽曲。メンバーの旅立ちをポジティヴに支える、バンドの絆や強さが感じられるメッセージも感動的だ。作品を通して、嫌味のない素直な雰囲気の良さが感じられる。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：ROCK
FLOWが同期であり盟友のORANGE RANGEとコラボ
ラップとキャッチーな歌メロディに彩られた“まさに”なトラックを堪能せよ
今作の表題曲「デイドリーム ビリーヴァー」は、盟友 ORANGE RANGEとのコラボ曲。さらに、アニメ“コードギアス 反逆のルルーシュ”の主題歌を担当してきた両バンドによる、“コードギアス 反逆のルルーシュ”15周年作品のオープニング・テーマということで、より特別感のある楽曲となっている。ラップとキャッチーな歌メロディに彩られた、“まさにFLOW×ORANGE RANGE”という内容には思わずニヤリ。アニソンとしてのわかりやすさとライヴ映えするノリの良さが共存した楽曲は、幅広い層から支持されるだろう。カップリングとして、ORANGE RANGEのカバー、多くのゲーム音楽を手掛けるDJ、James Landinoによる「COLORS」のリミックスといった、レアなトラックも収録。聴き応えのある内容になっている。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, MIXTURE, POP ROCK
それぞれのアプローチで聴く者を踊らせる
多彩なアッパー・チューンでこれからのBugLugを示す新作完成
極限までシンプルなサウンドに振り切った前作『ひとりごと。』から、バンドの新境地へと踏み出したBugLug。その2歩目としてリリースされた本作は、ヒップホップ的なビートも取り入れた表題曲「OZ」、エキゾチックなオーラを纏った「知らぬが仏」、スカ・パンク調の「The Outlaw's Killing It」という、それぞれのアプローチで聴く者を踊らせるアッパー・チューンが3曲揃った。完全生産限定盤には本作の制作の模様を収めたドキュメンタリーや表題曲のMVに加え、今年8月9日“バグの日”に開催された、タイトル通り“歴代の名曲がずらり”と並んだフリー・ライヴの映像も収録。これまでのBugLug、そしてこれからのBugLug両方を楽しむことができる。
内堀 文佳 【ライター推薦】