オベルリンガー&アンサンブル1700/G.スカルラッティ:歌劇『母なる自然の不思議な力』(2CD)

2023年04月28日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


世界初録音となるG.スカルラッティのオペラ・ブッファ

リコーダーの世界的名手ドロテー・オベルリンガー(オーバーリンガー)率いるピリオド楽器アンサンブル「アンサンブル1700」は、ヘンデルの『ルチオ・コメリオ・シッラ』やボノンチーニの『ポリフェーモ』など新たに発見された作品、希少価値のある作品、めったに聴けない作品を、ヨーロッパ各地の音楽祭や特別なイベントで復活蘇演し、世界的に注目を浴びています。
 イタリア・バロック期の作曲家ジュゼッペ・スカルラッティ[1723-1777]は、新鮮で聞き心地のよいメロディ溢れるオペラ・ブッファを多数作曲し、当時人気が高かった存在でした(有名なアレッサンドロとドメニコ・スカルラッティの子孫とされることも多いものの、実際は関連はありません)。
 当盤が世界初録音となる歌劇『母なる自然の不思議な力』は1752年にヴェネツィアで初演され、その後すぐにフリードリヒ大王の宮廷でも上演されています。喜劇の精神に満ち、心地よいメロディ、華やかなコロラトゥーラで彩られたアリアやアンサンブルが聴きものです。台本は、劇作家カルロ・ゴルドーニによるウィットに富んだもの。
 このオペラ・ブッファは楽譜の一部が失われているため、オベルリンガーは、ウィーンとヴォルフェンビュッテルの関連写本を用いてこのオペラを完成させました。またペルゴレージの器楽曲が間奏曲に用いられています。
 ストーリーもまた心を揺さぶるもので、天涯孤独のチェリドーロが、突然手に入れた自由に戸惑い、世界も、人間も、女性の存在も、すべてが初めてで、彼の本能は常に不思議な規則とぶつかり合います。この軽快なオペラ・ブッファは、権力と愛の駆け引きの中で、チェドリーロが社会における自分の居場所を見つけていく過程を面白おかしく描いています。
 歌劇『母なる自然の不思議な力』の蘇演は2022年、ポツダム・サンスーシ音楽祭で舞台上演されました。当アルバムはそのライヴ・レコーディングで、「このオペラの音楽は今年の一大発見だ」(rbb kultur)「魅力的だ・・・オベルリンガーとアンサンブル1700は驚くべき音楽を蘇らせた」(ターゲスシュピール紙)と絶賛されています。(輸入元情報)

【収録情報】
● G.スカルラッティ:歌劇『母なる自然の不思議な力』全曲


 ルパート・チャールズワース(テノール:チェリドーロ)
 フィリッポ・ミネッチャ(カウンターテナー:ルッジェーロ)
 ロベルタ・マメリ(ソプラノ:リザウーラ)
 ベネデッタ・マッツカート(コントラルト:チェトロネッラ)
 マリア・ラドゥルマー(ソプラノ:ルスポリーナ)
 ニコロ・ポルセッダ(バス・バリトン:ポポンチーノ)
 ダナ・マールバッハ(ソプラノ:ドリーナ)
 ジョアン・フェルナンデス(バス:カリモーネ)
 アンサンブル1700(ピリオド楽器アンサンブル)
 ドロテー・オベルリンガー(指揮)

 録音時期:2022年6月
 録音場所:ポツダム、サンスーシ新宮殿劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
 世界初録音