激ロック×HMV&BOOKS online vol.129

GENRE：MELODIC PUNK, PUNK ROCK
11年の時を経て再び集結したロコダスト6のスプリット・アルバム！
前回アルバム『THE ANTHEMS』から11年の時を経て、再び3バンドが集結し完成させたスプリット・アルバム『THE LAST ANTHEMS』。今作ではコロナ禍の音楽シーンの経験や人生観を汲みながら、今できることを形にした。1曲目を飾る「if」はじめ、メンバー3人それぞれが曲を書いたというlocofrankは染み入る歌と聴くたびに気持ちをタフにし、高揚させるサウンドで、dustboxは「Contrast」など、憂いも悲しみもカラフルなメロディとパワフルなサウンドが飲み込んでいくこれぞたる曲で、またHAWAIIAN6は繊細な眼差しと強さとで編み上げていく「The Ocean」など、各バンド3曲を収録。再びこうして集まれたからこその、1枚のアルバムとしての物語も流れている。前作に続きメロディック・シーンの歴史に刻まれる作品だろう。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE：HARD ROCK
GRANRODEOの超絶ギタリストによるソロ作品
e-ZUKAの高いスキルとマルチぶりに驚愕せよ！
超絶ギターとマルチ・プレイヤーぶりに悶絶！ 2025年、デビュー20周年を迎えるGRANRODEO。20周年に向けた“GRANRODEO Road to G20th”第1弾としてリリースされる、e-ZUKA（Gt）のソロ・アルバム。作曲家、編曲家、ギタリストとして活動し、ギター・テクニックと鋭いセンス、ポップにヘヴィにと多彩なサウンドで、超絶ギタリストとして名高い彼。ハード・ロックからメタル・サウンド、ファンクにブルースと、自身のキャリアやスキルを惜しみなく発揮したソロ作品は、聴き応え十分且つ、e-ZUKAのマルチ・プレイヤーぶりに驚かされる。ラストに収録された「HOPE for」は、自身の故郷にほど近い能登半島での地震への想いも込めた、美しく希望溢れる楽曲。この曲で作品を締めくくることに、彼の深い愛と優しさを感じた。
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：HEAVY METAL
“メンバー個々の持つアクの強さ”を打ち出した
新生NoGoDのスペシャル・アルバム！
さながら“One for all All for one”の精神を、音として具現化したのが今作だと言えるのかも。Iyoda Kohei（Support Gt）を含む5人全員が原曲を提示したうえで制作されたこのアルバムは、どこから聴いてもNoGoDの音ではあるものの、より個性が抽出された彩り豊かなものとなった。団長（Vo）ならではの熱さが音と詞にこもっている「天国」、hibiki（Ba）のメロディ・メーカーぶりが発揮されている「ジョン・ドウに捧ぐ」、Shinno（Gt）が90年代V系の香りを甦らせてみせた「海底ノ華」、K（Dr）がギター・ロック系バンド的なアプローチを提示した「STELLA」、Iyoda Koheiがメタルの真髄を凝縮してみせている「Burning Heart」と、みんな違ってみんないい。個人的には、CD版のみ収録のポ○リCMソングにハマりそうな「アオナツ」もマジ推し☆
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：SYMPHONIC METAL
オーケストラ×ラウドロックを基調とした本格派サイバー・メタル・アイドル
Genesis Girlの1stアルバム、“本格派”という言葉に偽りなし
“オーケストラ×ラウドロックを基調とした本格派サイバー・メタル・アイドル”。なかなかに情報量の多い肩書だが、彼女たちの1stアルバムを聴けばそれにも納得するはず。代表曲で言えば、「偶像連鎖 〜アイドルレンサ〜」でバッハの「小フーガ ト短調」とラウドロックの融合をしつつ、ライヴ・アイドルへの批判を歌うという異次元の化学変化を起こし、ひと言では表現しようもない独自の音楽性を成立させているのだ。その一方で、グループ随一のライヴ・アンセムになっている「少年の詩 〜Humanism〜」のようにエモーショナルなメロディで胸を打つ良曲も収められ、本格派という言葉にも偽りなし。名古屋から東京に進出した彼女たちが、東京のアイドル・シーンにどんな風を吹かせるか、今後も楽しみになる作品だ。
宮�ｱ 大樹【ライター推薦】

GENRE： MELODIC HARDCORE
名古屋を拠点に活動する4ピース・バンド Bounce out innocence
一聴して伝わる即効性、何度も味わいたくなる奥行きを兼ね備えた1stフル・アルバム
名古屋を拠点に活動する4ピース・バンドの1stフル・アルバム。叙情系ハードコアを軸に、メタリックな攻撃的アンサンブルと繊細でエモーショナルなメロディ、スクリームからクリーン／スポークン・ワードまで駆使した日本語詞のヴォーカルでドラマを紡ぐ全8曲を収録。メロデス・ライクのシャープなリフに哀愁のメロディが交錯するTrack.2、暴虐のブラストビートから強靭なビートダウンまで振り幅を見せつけるTrack.3など、様々な感情の機微を具現化したサウンドを展開。1st EP収録曲を再録したTrack.6では盟友のNARUMI（Ayui／Vo）をフィーチャーし、よりスケールアップした激情サウンドを奏でている。一聴して伝わる即効性、何度も味わいたくなる奥行きを兼ね備えた作品だ。
菅谷 透【ライター推薦】

GENRE：HEAVY ROCK
最新曲と「Cage」および「予感」の再構築版が聴ける、虜のための必携音源
欧州ツアーから戻って間もなく、国内ツアーを開始するDIR EN GREYが発表するのは、最新音源と再構築楽曲からなる34thシングル。表題曲でもある新曲は、鍛えられた骨太なサウンドと京（Vo）の広い音域を存分に生かしたドラマチック且つ濃厚な仕上がりで、“前作で過去と対峙した経験を糧に今のDIR EN GREYのすべてを詰め込んだ”ものであるそう。なお、その前作『19990120』ではメジャー・デビュー時に発表された3曲が再構築されていたが、今作ではこれまた1999年に発表されたシングル曲「Cage」と「予感」が現世に転生を果たした。音のブラッシュアップ加減は言うに及ばず、前作での「ゆらめき」と同様に歌詞はいずれも一人称が“僕”ではなく“俺”へと変化。そして、「予感」の原曲で聴けた“例の台詞”は消失。つまり、あの“昔の傷”は癒えたということか。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
“希望よ　芽吹け”の一節と
視野の広がった挑戦的音像に託されている強き決心
暁の空を染めるオレンジ色の光は、この塵埃にまみれてしまった大地にも希望がまだ残っていると諭しながら、“希望よ　芽吹け”とあたりを照らし出してくれるのだろう。昨年、アルルカンからΛrlequiΩへ表記変更した彼らが発表する本シングルには、“あらたな決心”が封じ込められているように思えてならない。また、このところ多ジャンルのアーティストと積極的に対バンをしてきた経験も生かされているのか、彼らの視野が大きく広がってきていることも今作の仕上がりに影響を与えている印象だ。全編でオートチューンを駆使するなど、モダンさや洗練された質感をより追求している姿勢は実に挑戦的。そして、今度のツーマン・ツアーに向けてDIAURAの佳衣（Gt）と奈緒が共同作曲した「THIS IS MY CULT.」（※通常盤のみ）が収録されているのも重要点である。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：THRASH METAL, HARDCORE
IN FOR THE KILLの約7年ぶりのアルバムが完成
日々のフラストレーションを粉砕する“殺しのシンフォニー”と言うべき作品
METAL SAFARI、BAT CAVE、ELEMENTなどに在籍していた国内メタル／ハードコア・シーンの猛者たちが集う、IN FOR THE KILLの約7年ぶりとなるアルバムが完成した。90年代ハードコアやデス・メタル、グルーヴ／スラッシュ・メタルなどのサブジャンルを極限までクロスオーバーした音楽性はさらに切れ味鋭く研ぎ澄まされた印象だ。爆速ビートにエッジの立ちまくったリフが生々しいプロダクションで収められており、聴く者の首根っこを掴んでドスを突き立てるかの如き容赦ないアグレッションは実に痛快。音の気持ち良さのあとに意味が追いかけてくる、型破りな日本語詞のヴォーカルも味わい深い。日々のフラストレーションを粉砕する“殺しのシンフォニー”と言うべき作品だ。
菅谷 透【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
ツーマン・ツアー“DIAURA × ΛrlequiΩ 「THIS IS MY CULT.」”を前に
ライヴの場で映えるような楽曲たちが揃い踏みのシングルをリリース！
ここはyo-ka（Vo）の“ヴェノミー 共に堕ちてくれますか”という歌声に、思い切って身を任せてみてはいかがだろう。4月24日のSpotify O-WEST公演から6月16日の新宿BLAZE公演まで続く、ツーマン・ツアー“DIAURA × ΛrlequiΩ 「THIS IS MY CULT.」”を前に発表された今作では、ライヴの場で映えるような楽曲たちが揃い踏みすることに。キレのいいギター・リフが映える表題曲といい、Djent系メタルのニュアンスを絶妙に織り込んだ「ドラスティックダイヴ」といい、激ロック読者にもこれらはきっと楽しんでもらえるに違いない。また、佳衣（Gt）とΛrlequiΩの奈緒（Gt）が共同作曲している「THIS IS MY CULT.」は、ΛrlequiΩ版とは編曲／演奏だけでなく歌詞もまったく別物。両方を聴いて初めてわかる面白さもある。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：INDUSTRIAL METAL
めろん畑a go goの崎村ゆふぃによるセルフ・プロデュース・ユニット GARUDA
GOLLIPOP RECORDとタイアップしたミニ・アルバム！
GOLLIPOP RECORDの世界に霊鳥が降り立った。めろん畑a go go所属メンバーでもある崎村ゆふぃによるセルフ・プロデュース・ユニット GARUDAが、GOLLIPOP RECORDとタイアップしてミニ・アルバムをリリース 。インダストリアル・メタルを主軸としているGARUDA だが、本作では開幕の「REINCARNATION」でニューメタルを色濃く感じさせたり、「PSYCHO SPEEDUMB」でサイコビリー色の強さを押し出したり、GOLLIPOP RECORDが創造した音世界を自由に羽ばたいているような印象だ。ジャンルの幅も相まって、ミニ・アルバムとは思えない聴き応えもあり、メタラーにも、そうでない音楽リスナーにも、広い層に届いてほしい1枚。
宮�ｱ 大樹【ライター推薦】