HMVインタビュー:Suzukiski

2006年8月7日 (月)

『Ozma』 発売記念インタビュー


先ごろ発売されたRei Harakami 『わすれもの』収録の"きえたこい"でも共作を手がけ、Asa-changらアーティストからも支持を受けている才人、Suzukiskiのニューアルバムが登場。

Suzukiskiならではのサウンドを展開しつつも、初期作品を思わせる四つ打ち楽曲も収録した3年ぶりとなる新作『Ozma』

決して派手とは言えぬサウンドながらじわじわと染み入るような楽曲の持つ魅力により音楽ファンから確かな愛着を持って評価されているアーティスト、Suzukiski。長きにわたり活動し、日本が誇る才能ともいえるSuzukiskiにhmv.co.jpがインタビュー。


Suzukiski
…大学生活後半に芝浦GOLDに通い詰め、ハウスミュージックに出会い音楽制作に目覚め、Suzukisukiとして、そして<Transonic>レーベルオーナーの永田一直らととのFantastic Explosionとしてこれまでに数多くの作品を発表してきた日本エレクトロニックミュージックシーンの才人。Rei Harakamiらアーティストからも絶賛を受けている。



Interview with Suzukiski


『Ozma』リリースおめでとうございます。まず、『Ozma』は前作『Helix』以来3年ぶり、ご自身で立ち上げたレーベル<LOGIC>からとなりましたが、このレーベル立ち上げというのはどういった経緯だったのでしょうか?

Suzukiski(以下S):もともとは自分のHPで公開するだけでCD化するつもりはなかったのですが、<Soup>から、それではもったいないからちゃんと売ろうと声をかけていただいたのが 発端です。

『Ozma』には近作にはあまりなかったような四つ打ち含めグルーヴィンな楽曲も多いと思います。9枚目のアルバムとなりましたが、制作するにあたりなにか特別なコンセプトなどはありましたでしょうか?

S:今回に限らずコンセプトを事前にたてることは致しません。ここ数年、何故かからだが四つ打ちを無性に欲して、その欲求を満たすがために曲を作り続けた結果がこれです。



*試聴出来ます。ぜひ一度聞いてみてください

*Suzukiski/Ozma
1 Ozma
2 Hint Oyaji
3 Cow
4 Extra Ignored
5 Hibiya
6 Dead Death
7 Cassette Life
8 Forever
9 Yakko
10 Doodling
11 Purple Piss
12 Diode
13 School Zone Mix
14 Nagisa
15 Hole Of Holes
16 Ngd
17 Flush
18 Saturday





Suzukiskiさんの楽曲にはシンプルさがあり、良い意味で詰め込まれてる感/詰め込み過ぎ感が全くないと思います。その辺はご自身でも意識されていることと思いますが、その狙いというのはどういったものでしょ うか?

S:難しいですね。そういう分析はあまりやらないのです。大抵、曲が出来上がった最初の段階ではもっと音数が多いのですが、鬱陶しい部分を削っていくうちにスカスカになってしまうのです。別にシンプルさを売りにしているつもりはありませんので、もしかしたら、もっとごちゃごちゃした曲を作るかもしれません。でも、窒息しそうだったり、風通しが悪い曲は作りたくないです。答えになってますか?

大丈夫です。では、楽曲を制作する時に一番大切にしていることがあれば教えてください。

S:過剰なサービスをしないこと。

次は改めて基本的なことを聞かせてください。Suzukiskiさんが音楽を作り始めたのはいつ頃のことですか?また、そのきっかけというのはどのようなものだったでしょうか?

S:小学生の頃からラジオとか液晶ゲーム機とかカシオのワンキーボードを使ってテープを作っていました。もちろん、きっかけは、御想像の通り、YMOです。



*Suzukiski Discography


左から:2003年の 『Helix』/2001年の『Utopia』/1999年の『Message』/共作した"きえたこい"を収録したRei Harakamiの『わすれもの』/Fantastic Explosionのベスト盤 『Best Of』



Suzukiskiさんの音楽には他にないSuzukiskiのサウンドというのがあるように思いますが、ご自身で、現在のスタイルに影響を与えられたと思われるアーティスト、もしくはアルバムがありましたら理由とともに教えてください。

S:やっぱりPal Joeyです。こんなにへなちょこなのにどうしてかっこいいんだろう。もう10年以上聴き続けていますが、インチキ臭さとユーモアの絶妙なバランスが素晴らしい。

*Pal Joey…Pal JoeyやEarth People、Sohoなど多くの名義にて作品を発表、80年代後期から90年代初期のハウスシーンにて絶大な功績を残しているプロデューサー。シンプルながらも味わいのある楽曲でその後の音楽シーンに多大な影響を与え、長年にわたり活動を続けている音楽家。"Dance"、"Hot Music"などヒット曲多し。
Pal Joey "Party Time" Dj Touche 『Ultraviolet』
Soho "Hot Music (Jazz Mix)" 『House Crusher』
Earth Music "Dance (Presta Edit)" 『House Crusher』
Pal Joey "Harmony" Danny Krivit 『Expansions』



『Ozma』制作時に好んで聞いていたアルバムを3枚教えてください。

S:


ELP (Emerson, Lake & Palmer) 『Brain Salad Surgery: 恐怖の頭脳改革』
小林旭 『アキラ4』
Stereolab 『Dots And Loops』
何故か、この3枚を作業の合間に聴いていた記憶があります。共通点は、その効果がクールダウンなのかヒートアップなのかわからないけれど確実に脳内温度調節をきめてくれることでしょうか。

Suzukiskiさんは横須賀に住んでらっしゃいますが、住んでる場所/地域の影響は音楽に表れると思われますか?あるとすればそれはどういったものだと思われますか?

S:ハラカミさんもどこかで同じ質問をされていましたが、他の場所に住んだことがないからわからない、と秀逸な回答でした。確かにその通りですがちょっと味気ないので色々と思い起こしてみますとやはり「海の彼方に千葉がある」という土地のパワーは貰っているような気がします。

今後の予定と、リスナーになにかメッセージがありましたらお願いします。

S:予定は何ひとつ御座いませんが、またいつか新作をお届けできればと思っております。どうぞその日まで『Ozma』を末永く御愉しみ戴けたらと存じます。

どうもありがとうございました。


協力:Soup Disk/Ultra Vybe



*Soup Disk/Disques Corde関連

*<Disques Corde>最新リリースはKarafutoによるライヴミックスCD

*Karafuto/Shift To The Other Time: Karafuto Live Mix At Unit 28.1.2006
田中フミヤによるKarafuto名義でのライヴミックスCDが<Soup-disk>別動<corde>から。Karafutoとしては『Karafuto Dj Mix 1/2』以来6年ぶり。田中フミヤとしても『Mix Sound Space』以来4年ぶりとなるMixもの。今作は2006年1月28日代官山Unitにて行われたパーティでのDJ模様からハイライトとなる箇所をほぼ無編集で収録したライヴミックス。Ricardo Villalobosで幕を開け、テックハウス〜クリックハウス系を中心にミニマルかつじわじわと展開されていくKarafuto名義らしいDJプレイ。Karafutoならではのグルーヴを感じられる1枚。

*HMVインターネットオリジナル特典:Soup Disk/Disques Cordeレーベルサンプラー


Karafuto 『Shift To The Other Time: Karafuto Live Mix At Unit 28.1.2006』をHMVインターネットでお買い上げの方に先着で<Soup Disk>/<Disques Corde>のレーベル音源を収録したサンプラーCDをプレゼント。このサンプラーCDは今回HMV.co.jp用のみに制作されたスペシャル特典。数に限りがございますので、ご予約ご購入はお早めに。

▼サンプラーCD収録アーティスト
Dj Funnel / Cappablack / Ill Suono / Ill Suono / Riow Arai / Conflict / Inner Science / Suzukiski / Ratn




*関連インタビュー

Rei Harakami
『わすれもの』発売記念。未発表の初期作品やアナログのみで未CD化だった楽曲、そして待望の新曲を収録した全曲未CD化音源集。学生時代(1989年)に制作したものから新曲まで全10曲。ファンには嬉しいリリースとなる今作を記念した2006年5月のインタビュー。


Conflict
Indopepsychics以降を思わせる秀逸な才能。<soup>からアルバム『Confirmation+departure』を発表した期待の2人組Conflictにインタビュー。(2006年4月)




▼hmv.co.jp ダンス&ソウル アーティストインタビュー集

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