アクサンチュス／リスト：十字架への道、ほか

2007年3月12日 (月)

アクサンチュス／リスト：『詩的で宗教的な調べ』から、『十字架への道』

クラシックの名曲を合唱にアレンジして新たな魅力を発見させてくれる合唱名人集団「アクサンチュス」の最新作はリスト。
　リストが30代後半で書いた『詩的で宗教的な調べ』は、もともとはピアノ・ソロ曲ですが、ここでは無伴奏合唱に編曲されています。重厚で美しい和声が魅力の作品を、アクサンチュスの心あわれるような美しいハーモニーで聴くことができます。
　『十字架への道』は、キリストの死が決定され、キリストが重い十字架を背負い、人々の嘲笑と罵声を浴びながらゴルゴタの丘にたどり着き、十字架につけられ、埋葬されるという受難の物語が、14の場面として音楽化されたもの。リストはオルガンのための版などいくつか遺していますが、このアルバムでは、合唱とピアノによる演奏が収録されています。アクサンチュスの見事に融けあった合唱と、ブリジット・アンジュレ(ブリギッテ・エンゲラー)のピアノによる典礼音楽のような厳粛で静謐な世界が繰り広げられています。名録音の登場といえるでしょう。（キングインターナショナル）

リスト（1811-1886）：
・『詩的で宗教的な調べ』～アヴェ・マリア、死者の追憶、パーテル・ノステル
・十字架への道－14の苦難の行程（合唱とピアノ）
　アクサンチュス
　ブリジット・アンジュレ（p）
　ロランス・エキルベイ（指）