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原田知世『music & me』 Ask The Artists

2007年11月26日 (月)

無題ドキュメント
    インタビュー
  原田知世インタビュー

原田知世 女優として、アーティストとして独自のスタンスで活躍する原田知世がデビュー25周年を迎えメモリアル・アルバムとなる『music & me』をリリース。サウンドプロデューサーにnaomi&goro/moose hillの伊藤ゴロー、参加アーティストには彼女にゆかりある、鈴木慶一、高橋幸宏、大貫妙子をはじめ、キセル、高樹正勝、オニキユウジといった新たな才能との交流によって生み出された彼女らしい上質でナチュラルな1枚。さらに初回盤のみ「くちなしの丘」PVに加え、特典映像を収録したDVD付き!

そんな素敵なアルバム『music & me』をリリースする原田知世さんに、HMV.ONLINEでは 今回のインタビューにあたり、更にHMVモバイル内のコミュニティサイト【Hear My Voice】と連動し、「リスナーの皆さんから原田知世への質問募集」企画を実施!コミュニティサイト発Ask The Artistsを敢行。たくさん届いた質問の中からとっておきの回答をしてくださいました。是非、ご覧下さい!
*Hear My Voiceとは・・・携帯サイトHMVモバイルで展開中のユーザー参加型コミュニティ。アーティストへの質問コーナーや各種テーマについてのスレッドでユーザー同士の意見交換が行われています。


※質問投稿いただいた方はニックネーム表記させていただいております。

『music & me』特集ページ | 『music & me』セルフライナーノーツ | 参加アーティスト・コメント


―すごく昔から応援しています。ブレンディのCMでいつもトキメいています。
質問です。今作はいろ〜んなアーティストが参加されていますが、なにかおもしろいエピソードなどはありましたか?制作秘話のようなものがあったら教えてください!(little bit)

原田知世:閑静な住宅街にある一軒家でレコーディングしていたのですが、初めはプロデューサーのゴローさんと二人で始めて、アレンジの方向性を考えたり、ギターと歌だけでデモ作りをしていました。その時間はなんだかデビューを控えた二人組みたいで楽しかったですね。その後も、参加されたミュージシャンの方々がそれぞれそこへ来て下さって、ゆったりとした空気の中でレコーディングは続きました。せっかくなので、毎回、来て下さった皆さんとポラロイドで記念撮影をさせていただいて、それをCDのブックレットに載せています。ぜひご覧下さいね。

―他のアーティストさんの曲を唄う際に最も心掛けている点はどのようなことでしょうか?(アグネスデジタル)

原田知世:その曲の良さを大切にしながら、愛情をこめたカバーにしたいと思っています。

―今回のアーティスト写真も凄くステキな感じですね。質問ですが、今回セルフカバーが何曲か収録されてますよね。自分の曲をもう 1回録音し直すことって、ご自分的にはどんな感じがするものなのでしょうか?やっぱり、昔の自分の音源を聴くと、少し恥ずかしくなったりするものですか?(スウェーデン)

原田知世:確かに昔の音源を聴くと、子供の頃のアルバム(写真)を見るような照れくささはありますね。同時にその頃の懐かしい思い出も蘇ります。  そして、もう一度歌うことで、またその曲と新しく出会えるという楽しさもあります。

―10年前にTVドラマ主題歌で使われた「シンシア」、そして初主演映画の主題歌だった「時をかける少女」と、今回のアルバムではこの2曲のセルフカバーを試みていらっしゃいます。昔からのファンに馴染みの深い、こうした楽曲をとりあげられたきっかけ、またはご心境についてお訊かせいただけたら、と思います。(MMM)

原田知世:『時をかける少女』はわたしの少女時代の代表曲で、深い思い入れのある曲です。デビュー25周年の記念でもあるこのアルバムでまた新しい気持ちでこの曲と向き合えたら・・と考え、収録しました。
『シンシア』も大好きな曲で、当時『ロマンス』に続き、スウェーデンでレコーディングを行った曲です。新しいファンの方との出会いを作ってくれたこの曲も、このアルバムにぜひ入れておきたいと思いました。

―デビュー25周年おめでとうございます。
知世さんが10代、20代、30代で音楽との出会いによって良かったなぁ。と思うものとは何でしょうか?簡単でいいです。よろしくお願いします。これからも応援していますのでよろしくお願いします。(MY)

原田知世:10代の頃は『時をかける少女』など、映画の為に書き下ろされた曲が多く、それらの曲が映画と共に今も多くの方々の心に残っていることをとても幸せに思います。
20代はムーンライダースの鈴木慶一さんと出会い、『GARDEN』というアルバムをリリースしたのですが、この頃から、私の音楽の庭作りが始まりました。そして、音楽を通して自分を表現する面白さを感じ始めた事。
30代はトーレ・ヨハンソンさん、そして、ゴンチチさんや羽毛田さんとのアルバム作りによって、さらに音楽の世界が広がり新しいファンの方々と出会う事ができました。音楽を続けてきて良かったと心から思いました。

―原田知世さんは、デビュー以来の歌手活動から、徐々に作詞だけにとどまらず作・編曲なども積極的に行うアーティストに変化していったわけですが、何か具体的なきっかけがあったのでしょうか?(ゆの字)

原田知世特にきっかけはなく、自然な流れでそうなりました。

―歌を唄うこと聞くことって知世さんのライフスタイルの中で 何%を占めてると思いますか?これからもずっと応援してます! (刹那パンク)

原田知世:自分の中でどんどん変化しているので・・・どうでしょう・・・
何%かはわかりませんが、今はかなり大きいですね。

―原田さんが「音楽」をただ歌うのではなく、アーティストとして表現する時に心掛けていることは何ですか?(にしやん)

原田知世:例えば、アルバムを作る時にどんな方と一緒に作るかというところ。 そして、アルバムのジャケットやミュージックビデオ作りなどもその音楽を伝える上でとても大切だと思っています。

―透明感のある声の秘訣は何かありますか?(ろめ)

原田知世:特にありません。もう少しハスキーヴォイスになりたいなあと。

―久々のalbumと12月のliveを凄く楽しみに待っています。ラジオの公開録音でtalkとliveを数年前に小樽で行われた時以来振りに知世さんにお会い出来るので、今か今かと12月が待ち遠しいです。さて、liveでは今回のalbumからも沢山聴かせて頂けると思いますが、知世さんがlive前に必ずやる事って
ありますか?体調管理や喉のケアは当然行っていると思いますので、そう言う事以外で何か願掛けの様な事があれば教えて頂きたいと思います。宜しくお
願い致します。(KataHiro)

原田知世:特にないのですが、緊張しないおまじないなどなにかありましたらぜひ教えてください。

―美術館やカフェといった雰囲気のある場所でのライブもやられているようですが、これからどんなところで唄ってみたいですか?(ピンガ。)

原田知世:海がみえる場所や美しい庭園など、良いですね。

―私がいちばん好きな知世さんのアルバムは「カコ」という作品です。全曲カバーのものでしたが、またこういったものを出す予定はありませんか?
『カコ』や『Summer Breeze』は全部洋楽でしたので、こんどは ぜひ邦楽からのチョイスでやってほしいのですが…。 (すたとら)

原田知世:カバーアルバムはこれからも作っていきたいと思ってます。
邦楽カバーもいつかやってみたいですね。

―これまでの知世さんのアルバムの中でご自身一番気に入ってるアルバムを一枚選ぶとしたらどれですか?(けーたん)

原田知世:どれかひとつ選ぶのは難しいですね。

―本を読んだり、家事などの作業をしながら音楽を聴きますか?聴くのであれば、どんな曲を聴くのか教えてください。(arukoto)

原田知世:その時の気分にもよりますが、naomi&goro 、Jose Gonzales、Carla Bruni 、João Gilbertoなど。

―僕は知世さんの「声」が好きです。そんな知世さんが好きな「声」を持っている歌手のかた、好きな歌い手さんは誰ですか?教えて下さい!(sohot)

原田知世:ありがとうございます。
私が好きな声は、Feist 、Simone White 、Norah Jonesなどです。

―ありがとうございました!

原田知世原田知世/music & me
女優として、ミュージシャンとして独自のスタンスを貫く原田知世。彼女のデビュー25周年記念となるアルバムが登場!豪華アーティストが参加し「シンプルな上質さ」を追求し凝縮した作品に仕上がっています。プロデュースにnaomi & goro、MOOSE HILL、伊藤ゴローを迎え、作家陣には鈴木慶一、高橋幸宏、選曲参加で大貫妙子、さらにキセルやオニキユウジ、高木正勝といった若手アーティストも参加しています。初回盤のみ「くちなしの丘」PV、特典映像を収録したDVD付き


原田知世「music me」セルフライナーノーツ

 

1. 試聴Cruel Park(伊藤ゴロー オリジナル曲)
これは、伊藤ゴローさんがショートムービー「identify」「metamorphosis 」の挿入歌として書き下ろした曲(ゴローさん自身が歌っていて、その歌声がとっても素敵です!)のカバーです。毎回、アルバムの 1 曲目をどれにするかたいへん悩むのですが、あまりにも繊細で美しいメロディに魅了されたわたしは、全く迷うことなくこの曲を選びました。 

2.  試聴色彩都市(大貫妙子選曲 カバー曲)
大貫妙子さんには、少女時代からこれまでたくさん素敵な曲を書いていただきました。 

大貫さんの書いて下さった曲は、その時の等身大のわたしを描いているようで、どれもたいせつな曲ばかりです。そんな大貫さんにはこのアルバムにぜひ参加していただきたくてお願いをしました。そこで、大貫さんから『わたしの曲をカバーしてみませんか?』と提案していただいて・・・。好きな曲がたくさんあって悩んだのですが、最終的に『色彩都市』を選ばせていただきました。

3.  試聴きみとぼく(伊藤ゴロー オリジナル曲)
家族やともだちや、わたしがこれまで出会えたたいせつなひとたちとは、もしかしたら

ずっと昔から何度も出会っていて、離れる時がきても、またきっといつか会えるような気がして・・・。そうだとほんとにうれしいなあ。そんな想いをこめて書いた歌詞です。

4.  試聴Are You There ?(バートバカラック カバー曲/選曲&編曲:高橋幸宏)
高橋幸宏さんがほんとにじっくりと選んで下さったこの曲。他に候補としてあがっていたのは Mari Wilson 、 Ms. John Soda 、 Lali Puna などの曲でした。そして最終的にわたしとゴローさんとで相談して、 Burt Bacharach 作、 Dionne Warwick が歌いヒットしたこの曲を選ばせていただきました。 1982 年に Mari Wilson がカバーした際のヴァージョンをイメージされたというアレンジも最高の仕上がりになってます。

5.  試聴I Will(ビートルズ カバー曲/コーラス:キセル)
アルバム作りの後半になって、デュエット曲があっても楽しいかも!と思いたち、キセルの豪文さんに歌をお願いしました。 The Beatles の曲というのはゴローさんからのアイデアです。こんなに短い曲なのに本当に美しく印象的なメロディ。ゴローさんのギターと、パーカッションはスタジオにあったスティックシュガーを束ねたりして手作りの音を作ってます。

6.  試聴Wonderful Life(オニキユウジ オリジナル曲)
オニキユウジさんも、彼が作るメロディとあの声が好きで以前からいつか曲を書いてもらえたらと思っていました。今回はアレンジ、そしてドラム以外の演奏もすべてオニキさんです。コーラスワークも細やかで、オニキさんの声とわたしの声を重ねてミックスしています。このアルバムの中ではいちばん POP な曲に仕上がりました。

7. 試聴 菩提樹の家(鈴木慶一オリジナル曲)
鈴木慶一さんとは『 GARDEN 』というアルバムをプロデュースしていただいて以来、ずっと長いお付き合いをさせていただいています。そして、わたしの音楽生活を覚醒してくれたひとです。この曲はまさにわたしが思う慶一さんワールドで、特に間奏の展開はちょっぴりセンチメンタルでわたしのお気に入りです。

8.  試聴シンシア(セルフカバー曲/編曲:伊藤ゴロー)
この曲はわたしの代表曲のひとつになっています。タンバリンスタジオのサウンドをゴローさんがアレンジすることで、新しく生まれ変わり、大人の雰囲気の『シンシア』になりました。

9.  試聴Aie(高木正勝 オリジナル曲)
高木正勝さんの独自の映像と音楽の世界に惹かれ、高木さんにお願いしたらどんな曲がうまれるのだろう・・ととっても楽しみにしていました。届いた曲はヨーロッパの映画音楽を連想させるような世界です。それに触れることで、また新しいうたが歌えた気がしています。

10. 試聴ノスタルジア(伊藤ゴロー カバー曲)
昨年リリースされた MOOSE HILL のアルバム『 DESERT HOUSE 』にボーカリストとして参加して歌った曲で、わたしとゴローさんの初めての音作りとなりました。これはそのカバーです。樽湖夫の『ハシレハシレ ハクバノムレ』と韻をふむ歌詞とギターやドラ
ムが軽やかに呼応して心地良いアレンジになっています。ぜひオリジナルとも聴き比べてみて下さい!

11. 試聴くちなしの丘(キセル オリジナル曲)
キセルのお二人が作る宅録の音やどこか懐かしさを感じるメロディが好きで、以前からいつか曲を書いてもらえたらと願っていました。この曲が届いた時は、あまりにも良い曲で涙が出てしまいました。お二人にはコーラスもお願いしたのですが、兄弟のなんとも言えないあの浮遊感のある歌声を重ねたことで、サビのメロディの良さがさらにひきたっています。

12.  試聴時をかける少女(セルフカバー曲/編曲:伊藤ゴロー)

わたしの少女時代の代表曲で、深い思い入れのある曲です。鮮烈なイメージもあり、この曲のセルフカバーはとても難しく思えて、これまで大切にしまっていました。時が経ち、今ならまた新しい気持ちでこの曲と向き合える気がして歌ってみました。そしてゴローさんの弾く心地よいギターに導かれて、とても自然に歌うことができました。 こんな素敵な曲をあの頃のわたしに書いてくださった松任谷由実さんに感謝です。


参加アーティスト・コメント

『MUSIC & ME』(とても良い響き)、知世ちゃんのアイディア。
アーティスト原田知世が音楽に正面から向き合った作品だと思う。
知世ちゃんの「音楽と私」は、正直で、無心で、節度が保たれていて、
いつも仲良しないい関係。素敵です。僕も見習わなければ、と思った。
この作品に関わる事が出来た事に感謝します。
伊藤ゴロー


原田さんの音楽にはいつも静かなときめきを感じます。
さりげなく歌う声や、アレンジと曲は誰でも巡り会うようなささやかな空間を編み出し、
聴き終えるといつのまにか貴重な時間を過ごしたような気がします。
そんな「ミクロ・マジック」に参加できて光栄です。
オニキユウジ


知世さんが、詞も曲も両方頼んでくれたのがとても嬉しくて、
「時をかける少女」を観たりしながら、やたら気合い入れて作りました。
色々な偶然が必然になってできた特別な曲やと思い込んでます。
アルバム発売おめでとうございます!
キセル 辻村豪文


この『music & me』に参加できてとても嬉しい。いわば『tomoyo & me』。
今、知世さんにどんな歌を歌ってもらいたいか、それは、過去か今か、この世かあの世か。
それが判別出来ない、すべてはこの場所に、菩提樹にかこまれた家のあちこちに共に在ると言うこと、
音も、かつて一緒に作った音、今の音が混在する、 そんな音楽を奏でたかったし、歌って欲しかった。
不思議な事に、この作品はたくさんの人々が参加しているが、キリッとした統一感とシンクロニシティが在る。
それは原田知世さんと伊藤ゴローさんの吸音力に違いないのだ。
鈴木慶一


せっかくなので、知世さんが今まで歌った事のないような曲を作ろうと思いました。
知世さんの歌声は、繊細なのに、実はすごく力強い。。。芯が通っているんです。
その二面性のお陰で、アレンジやミックス、随分時間が掛かりました。
素敵なアルバムに参加できて光栄に思っています。
高木正勝


知世ちゃんとお仕事をするのは意外にも初めてです。
20年以上前に映画の中で彼女の父親役をやらしていただいたことはありましたが、
それも彼女が幼い頃に僕は死んでしまうという設定だったので、実際に会ってというのは今回が最初ということになります。
直接のお仕事以外では何度も会っているのですが、まあ念願かなってやっと音楽での共同作業だったわけです。
『music & me』、ゆったりと気持ちのいい知世ちゃんらしい作品になりましたね。
オリジナル曲以外のカヴァー曲でもちゃんと自分の世界がある。彼女の音楽との清々しいスタンスはずっと変わらないんでしょうね。
それにしても知世ちゃんの声、じつはすごくドクトクだあ、すぐわかる。
高橋幸宏

(以上、五十音順)