Yorimichi All Stars @HMV ONLINE 194
2008年10月21日 (火)
7月25日号(191 ISSUE)からWEBにお引越しした、「HMV」フリーマガジン「the music & movie master」の人気コーナー、「よりみちAll Stars」!!ますますノッてる第4弾の今回、登場してくれたのは、栗山千明さんです!!彼女が選んでくれたおすすめ10選とともにお楽しみ下さいませ!!
スチール写真から抱く印象とは随分違いますね。 よりみち編集者・栗山圭介の『栗山千明評』
栗山千明●女優。1984年生まれ。少女時代からファッションモデルとして活躍。’99年『死国』で女優としてデビュー。’00年『バトル・ロワイアル』での活躍がタランティーノ監督の目にとまり、『キル・ビル Vol.1』でハリウッドデビューを果たす。その後も数々の映画に主演出演し、女優としてのポジションを確固たるものとしている。現在は主演作『GSワンダーランド』、『小森生活向上クラブ』が絶賛公開中のほか、待機作として『鴨川ホルモー』がある。 Photographer/Keisuke Nagase Back Number
そうですか、どっちが良いですか?
そういう酷な質問はやめてください。
ふふふ。じゃぁ、どう違いますか?
スチールだとどれを見ても一発で「栗山千明です」って言いきっちゃう力があって、なにその存在感? みたいな感じがありました。
近寄りづらい感じですか?
ちょっと。でもこうしてお会いすると、わりと町娘っぽくて安心しました。
町娘って、わかんな〜い。
時代劇に出てくる「おみっちゃん」みたいな。二軒先の角を曲がった団子屋の気だてのいいお嬢さんのような…
わかんないけど、要は会った方が親しみが持てるということですよね。
そういうことです。
よく言われますね。
それにしても栗山さんの存在感は半端ではない。街中でポスターに出くわすと視線が強すぎて目を合わせられなくなるときがあります。
誉められてるのかどうかわからない(笑)
ものすごく誉めてます。
スチールで鍛えられたからかなぁ? 仕事的にもスチールが一番長いし、撮られるのが大好きだからかな。
どんなところが好きですか?
う〜ん、“どうやって撮られようか”みたいな。
自分で演出つけるということですか。
例えば映画やドラマだと、台本があってストーリーがあって、そこで演ずる人の人格というものが明確にあるので、「カッコ良さ」が主役じゃないんですよね。だってストーリーがメインだから。でもスチールだと裏のストーリー設定があったとしても見る人には分らないじゃないですか。だから「とりあえず写真がカッコ良ければいいんでしょ?」っていう感じで気楽にできるんです
その場に応じて自分でストーリーを設定することもあるんですか?
物語的なストーリーだけではなくて、この洋服だったらこのラインがきれいだから見せたいとか、こっち向きだとインパクトあるなとかあっち向きだと柔らかい感じがするなとか、そういうものにリンクさせて髪型もこっち側にこうしてとか、そんなこと考えながらポーズつけてます。
あれこれ考えられてる割には今日は自然な身のこなしでしたよ。
キメキメの時以外はナチュラルにカッコいいのが一番好きです。
突然ですがHMVって生き物に喩えるとなんですか?
おお、面白いですね。ちょっと待ってくださいね…えーと、えーと…魔女っ!
きましたね。
色々出てくるっていうか、近くにいたらすごい楽しそう。エンタテインメント満載!
そこまで誉めなくても結構です。
ファンタジーであるけど夢物語だけじゃなくて、毒もあったりで。
自分自身を言い当ててるみたいですね。
私、魔女好きなんです!
あなたほど魔女が似合う女性はいませんよ。
素直に嬉しいです。
黒い瞳、黒い髪、スリムなライン、どれもが魔女っぽい。
色が白くなりたくて黒髪っていうのもあるんですけど。基本的には血が通っていない感じが好きなんで、魔女とバンパイヤが好きなんです。
すごい基本ですね。
あれ、言葉変かなぁ?
音楽的には何がお好きなんですか?
一番最初にガッツリ聴きはじめたのはピストルズです。ゲイリーオールドマンがシドをやってたじゃないですか。あれがカッコ良くて。
パンクですか、ますます魔女っぽい。
平和主義なんですけど、そういうものを好みますね。
お酒なんかは飲むんですか?
カラスミに焼酎ですね。
焼酎は?
芋のロックですね。
そっちはロックなんですね。
えっ? なにか?
いえ…あんがいキビシイですね。
お酒はね、珍味をおつまみにちびちび飲むのが好きなんですよ。ホタルイカとかもたまんないですよね。
急におっさんっぽくなりましたね。。
たいてい映画とかドラマの撮影がアップするとひとりで赤ちょうちんに飲みに行きますね。
カラスミ、ホタルイカ、上物はなかなかありつけませんよ。
いやいや、特殊なルートで…(笑)
魔女でピストルズ好きでカラスミに芋焼酎。他には?
エヴァンゲリオン大好きですね。
やっぱそこきましたか。
あの、私、スマパンも好きで、ボーカルのビリー・コーガンのスキンヘッドを見て、すごくスキンヘッドにしたくなったんです。そしたら今年の夏の舞台で、スキンヘッドのヅラをかぶることになって、ちょっとだけ夢がかなった感じがしました。
もしスキンにしたら会社は大変なことになりますよ。
本当は坊主にしてカツラで生活したいんです。
やっちゃいますか!
そうしますか!
でもメイクさんの仕事減っちゃいますね。
(笑)のっけるだけみたいな。
いろんな人がちょっとずつ困りますね。
ちゃんと理性というものがあるので今日まで黒髪で生きてます(笑)
「見た目」は人に印象を与える。それはその人の入り口であり世界観であり、そして人は「見た目」でその人との距離をつくる。誰から教えられたわけでもないその距離は落差によってしか崩されない。栗山千明は見事に落差で距離を破壊してくれた。印象というややこしい呪縛を自ら取っ払いながら、ひょうひょうと歩み寄ってくれたのである。「事故米、ぜったい食べてますよ。っとにもう、ね」。印象と実物との落差を知ってなんだか得をしたような気になって、今度は僕の方から前よりももっともっと遠くの場所に君を置いた。けれど今在る距離の中に不安はない。むしろその距離の中で心地よく揺られていたい。魔女には距離も芋焼酎も必要なことを、あなたが教えてくれたから。
CHIAKI KURIYAMA OFFICIAL WEBSITE
yorimichi editor/keisuke kuriyama
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