――まずは、HMV ONLINEに初登場ということで、自己紹介をお願いします。
vice versaは2001年ボーカル石塚明由子、ギターマツオケンイチを中心として結成しました。結成当初はバンド編成(ベース、キーボード、ドラム、パーカッション)という6人編成でスタートしました。現在では2人のユニット形式になっていますが、サウンド面は一貫してボサノバ、ジャズなどをベースとしつつも、最終的には日本語オリジナル曲で表現することを目指し、活動しています。
――2人でvice versaを結成するに至った経緯を教えてください。
インターネットの『メン募』、バンドをやりたい人がメンバーを募集するサイトで知り合いました。バンドやりたい人の「出会い系」?(笑)。ボーカル石塚明由子は当時「タック&パティ」みたいなボーカルとギターの男女Duoをやりたいと考えていて、それにギターマツオが応募した、という形です。手始めに洋楽カバー曲を演奏したりもしましたが、『今感じていること』を的確に表現したい、ということでごく自然に日本語オリジナル曲制作に推移していきました。vice versaとしての初ライブは、オリジナル曲のみ、ということからスタートしています。
――初のフルアルバム『月とコーヒー』の完成おめでとうございます。ずばり、どのような作品になりましたか?
結成から8年、vice versaのすべてが結集されている、といっていいと思います。数々のコンピレーションアルバムの参加、4枚のオリジナルミニアルバム制作、トータル200回近くのライブを通して、我々が感じ、表現したもの全てです。つまりこのアルバムはvice versaの初のフルアルバムとはいえ、自分達としてはベストアルバムと考えています。
――曲のタイトルにもなっている『月とコーヒー』。興味深いタイトルですが、どのような意味が込められているのですか?
我々がこのアルバムで表現したかったのは、『日常の中にある、さりげない個人的感覚』です。その想いにふけるとき、そばにあるのは、「月とコーヒー」だな、と(笑)。収録曲の中に、アルバムタイトルそのまま、またはそれを感じさせる楽曲は入っていますが、アルバムすべてを通したコンセプトにもなっている、と感じました。
――強いておすすめの1曲を挙げてください。
とても難しい質問です(笑)。すべて、といいたいですが、強いていうのであれば、最初の5曲、さらに強いて言うのであれば、2曲目の「感情のカレーライス」でしょうかね。
――曲作りはどのようにされていますか?
2人のガチンコセッションです。マツオがギターでコードを鳴らし、それにあゆっち(石塚明由子)が自由にスキャットを飛ばす、時々思いつきで歌詞をつけてみる、そうしたセッションの中で、「あ、今のいいね」とか「もうちょっとこんなイメージで・・・」というやりとりで、お互いの音に反応しつつも、互いにオーダーし、曲のイメージを高め合います。そこで、落としどころを決めたり、後からセッションを聞きなおして、「この部分のこういうところがいいから、ここを中心にして、こういうコンセプトでやろうよ」とか相談していきます。でもセッション一発で曲ができてしまうことも、ままあります。時間がかかり過ぎるやり方なので、よく変わっている、とミュージシャン仲間には言われますが。自分たちとしてはこれが一番しっくりくるのです。
――ライブとレコーディング、どちらが好きですか?その理由も教えてください。
どっちも好きですよね。ライブは会場の空気感があります。ライブの魅力はオーディエンスからエネルギーをもらうこと。楽曲の構成や意味合いが変化することさえあります。特に『その場』で生まれる感情を二人とも表現することが好きなので、自由に楽曲が変化します。自分でいうのもなんですが、とてもクリエイティブでアーティスティックな瞬間の積み重ねだと思っています。対してレコーディングは、じっくり考える時間がありますから、そのなかでベストを尽くすわけで、とてもアスリート的な感じがして、壁を乗り越える作業が楽しいですね。
――お二方の音楽的なルーツを教えてください。
マツオ:ルーツといえば、高校時代コピーしまくったヴァン・ヘイレンなどのHard Rock、大学時代にはまりまくった50、60年代ジャズ、そしてサンバ〜ボサノバ〜MPBといった流れのブラジル音楽です。でも本当のルーツは小学校4年〜中学校1年くらいまで良く聞いていたクラシックかも知れません。家に『クラシック大全集』という膨大の数のレコード集があって、それを、ステレオの前に正座して(笑)、本当に良く聞いてましたから。
石塚:
小さい頃に聴いていた姉の影響のフォークソングが無意識的ルーツだと思います。リアルタイムではないのに昔のフォークソングが唄えるのは姉のせいです、笑。財津和夫さんのいたチューリップやかぐや姫、荒井由実あたりは強引に唄わせられていたので今でもしっかりしみ込んでいます。上京してからは、タック&パティをきっかけにギターデュオのサウンドに心が惹かれるようになり、それが派生して、ブラジル音楽へ興味が移っていきました。ジョイスは憧れの人で数えきれないほどライブを見ています。vice versaもそのあたりがルーツになっていると思います。
――競演したいアーティストとその理由を教えてください。
マツオ:ハーモニカの天才Toots Thielemans。あんなにハートに来る演奏をする方とvice versaのオリジナル曲をやったら、ぜったい忘れられない一瞬になりそう。
石塚:矢野顕子さん。矢野さんのあったかくて大きな愛を感じながら唄ったら何かがはじけてくれそうな気がします。
――ボサノヴァの入門編としてオススメの作品を教えてください。
マツオ:難しいですね。僕(マツオ)の中でボサノバってとくに固定概念は無いんですよ。小野リサさんの「Namorada」はオススメかな。
石塚:
ジョアンジルベルトの「3月の水」です。
来日コンサートで見たジョアンしか出せないグルーブをストレートに感じることができる一枚だと思います。
――最近、よく聴いている作品を紹介してください。
マツオ:Eric Hutchison「Sound like this」。良く聞くのはやっぱりブラジル、ジャズ物がおおいのですが、時々なんにも考えなくてもいい感じのロックが心地良いときがあります。今はそんな気分なのかも知れません。
石塚:Yael Naimです。CMでも起用されているので割と知られていますよね。アコースティックと幻想的な音響の組み合わせが気持ちいいです。最近は「ちょっとだけ音響系」っていう感じのサウンドに惹かれてます。
――休日はどのように過ごされていますか?
マツオ:本当は運動をしたいと思っていますが、なかなかできてないですね。現実は料理に走っていますね。レシピを参考にするんだけど、好きな食材の量は無視(笑)。最近は韓国の鍋、スンドゥプにはまっています。大好きな魚介盛りだくさんで!
石塚:オンもオフも関係ないので休日がないのですが。強いていえば、美味しいものを食べに行く、くらいです。
――今後の活動予定を教えてください。
2/14 SAT 青山プラッサオンゼ 「月とコーヒー」リリース直前よ!ライブ
2/21 SAT 名古屋 千種区 café Dufi レコ発ミニツアー1
2/22 SUN 大阪 西区CHOVE CHUVA レコ発ミニツアー2
3/15 SUN 山梨 北杜市 カフェくじらぐも レコ発ミニツアー3
3/20 SAT 東京 吉祥寺 Strings レコ発東京ライブ1弾!
4/5 SUN 東京 渋谷 Barquinno レコ発東京ライブ2弾!
――最後にHMV ONLINEをごらんの方にメッセージをお願いします。
マツオ:いろんな方に聞いていただきたいですが、「月とコーヒー」を聞くことが日常を楽しむことのレパートリーのひとつに加えていただけたら良いなぁと思っています。そんなに特別なことじゃないけど、「あ、そういえば!」ってこのアルバムを聞くのが、リラックスタイムのちょっとした楽しみ、みたいな。末永く、そばに置いておきたくなる存在であれば、サイコーです。
石塚:このアルバムをきっかけにいろんな方々と出逢えたらいいなあと思っています。出張ライブもしますので、お気軽にお問い合わせくださいー。
――ありがとうございました!
「vice versaインタビュー」を最後まで読んでいただいた方ありがとうございました!そんなあなたに、抽選で
「vice versa サイン入りトートバッグ」を1名様にプレゼントいたします!!Wチャンスとして、
「vise versa サイン入りポストカードセット」を10名様にプレゼント!!
奮って応募下さい!※2009年3月23日締切
※応募には事前にONLINE会員登録が必要となります。
⇒
ON LINE会員登録はこちら
⇒会員の方はこちらから応募ページへ!