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2009年9月10日 (木)

落語インタビュー全12回連載 − 第3回 林家彦いち





寄席では殆どの場合、演目を事前に公表していない。
座布団の上に着いて枕を話し始めてから、演目を決める噺家も多いと言われている。

この日、林家彦いちが選んだ演目は、「青菜」。
豪邸の家主が、植木屋への労いで食事を振舞うシーンから始まる噺なのだが、
中盤、林家彦いちの「俺は職人だから、体で覚えるといいんだよな」という台詞で、噺のテンポが変わり始める。
会場では、身に覚えのある聞き手が苦笑する。
噺は勢いを失わず、心地良い緊張感を保ったまま、クライマックスを迎える。

多くの趣味を持ち、創作落語を勢力的に発表している林家彦いちの「興味」を探ってみた。




本日(DVD収録)の高座を拝見させて頂きました。
あ、そうですか。ありがとう御座います。

収録だと、お客様が緊張してるんじゃないかな。
今思えば、収録前から自分が舞台に上がっていれば、良かったんですよね。
場を温める意味でも。
まっそれはいいんですけどね。


最近では、SWAメンバーとの地方興行もそうですが、
数人の芸人さんと一緒に、活躍の場を拡げていらっしゃいますよね。

落語以外でも、大勢で作っていくスタイルを大事になさっているんですか?

うーん、そうでもないかな。
わたしは、釣りでも、釣れるポイントを一人で見つけるっていうタイプだから。
アウトドアも一人で行くのが好きだし。
一人で遊べて、プリミティブなものが好きなんですよね。
だから草野球とかに誘われても、あんまり行かないですね。


彦いちさんのプリミティブな部分は、どのようなものから感化されたんですか?

極真会館を創った、大山倍達(空手家)の存在が大きいかな。

強いという事実を世の中の人へ知り渡らせる方法は、たくさんあるけれど、
大山倍達は、牛と戦うという行為で、己の強さを示そうとしたんですよ。

そういう姿勢に刺激を受けるし、感化されたりするね。

面白いとおもうことを、一部の仲間だけではなく、
もっと広い範囲の人へ伝えることや、
ベストな伝え方を自らで選び取っていく行為が、大事なんだと思うな。

大山倍達は、田園コロシアムで突然、牛と戦ったんですよ。

【参考商品】極真会館: 牛を一撃で倒した男 大山倍達



突然・・・ 牛とですか?

そう、突然。
いまね、それが記録されたビデオを探してるんですよ。
多分、史上最強の空手家だと思うなぁ。
ある日、道場生が「押忍!」って言って、一軒家を壊すっていうのがあるんですよ。

素敵でしょ?
だって、そういうパフォーマンスを、個人ではなく多くの人に見せちゃうんだから。

単純に「すごい!」て思って、十代の頃、ワクワクしましたよ。

落語界でも同じことが言えるけど、
人間が持っている根源的な部分に魅せられた時、ブルブルっと震えることが多いかな。



そういう意識を持って、高座に上がられているんですね。

うーん・・・わたしは、お客様から見たら、解かりずらいと思うんですよね。
解かりやすく演っているつもりなんですけど、
言語化できないイメージが山のようにあるので。

だからこそ、それを表現できている人を目の当たりにすると、
感動しちゃうんですよね。


植村直己さんっていう、北極をずっと歩いている人は、まさにそういう人なんです。
植村さんは、登山中、氷のクレパスに落ちてしまったんですよ。
でも、物干し竿を腰に巻いていてので、
何十メートルも下のクレパスに落ちたとき、その竿が引っかかって助かった、という話があるんですよ。
そんな絵空事とも思えるような行動でも、実際に「行動」している人を尊敬しますね。



本日、収録した演目(青菜)でもそうでしたが、彦いちさんの女性役は、生き生きとしていますね。

女将さん(笑)?
女将さんは、すんごく暑くて、しんどいんですよ。
実際は、表現し切れないくらい暑いはずだから、
もっと鼻血出すくらい頑張って演じて、極限状態までもっていくと、
周りの役柄も自然と引き立ってくるんですよね。



十分、女将さんと彦いちさんが重なっていました。
あ、そうでしたか(笑)。
空手で言うと、約束組手みたいなもので。
普段の会話を再現する時でも、ラフに流れを決めておいて、
その場の空気感で役が乗り移ると、スムーズに気持ちよく会話できるんですよ。


青春時代に良く聴いていた音楽や、映画はありますか?
ブルースブラザーズかな。
寄席へ行く前は、サタデー・ナイト・ライブ を観ますね。
ジョン・ベルーシ が大好き。

あの映画の中で、脱獄してコンサート会場へ忍び込むシーンがあるんだけど、
ミディアムナンバーが流れている中へテンション高く入って行った瞬間、
「しーん・・・」とするんですよ。

落語の興行でも、よく似たような事がありまして、
ステージに上がる瞬間、わたしの頭の中で映画と同じミディアムナンバーが流れて、
「それではお待たせしました!彦一さんです!」
「どうもー!」って出て行くと、
「しーん・・・」
「あれ?聞いてないじゃん!?」
そこで絶妙な間が入って、囃子が流れてくるんですよ(笑)。


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これからは、彦いちさんが高座へ上がる前にミディアムナンバーを感じることにします(笑)。


うん、それがいいよ(笑)。
SWAの会でも実際にあったんだけど、お客さんの半分がSWAのファンではない会場で、
3本ラインのジャージを着た4人が洋楽鳴らして出て行くと、
まさにさっき言ってみたいな状況なわけですよ。
「あれ?この4人はだ〜れ?あの眼鏡の人は、見たことある」
みたいなね(笑)。



会場は、まだまだ温まっていないんですね。

温まってないどころじゃないですよ(笑)。
まぁ、そういう空気に対しては百戦錬磨みたいなメンバーだから。
姿勢を正して、「えーそういうわけで、SWAというのはですね・・・」って切り替えるんですよ。
格好は、ジャージのままでね(笑)。



(笑)。
ありがとう御座います。
今後の御活躍も楽しみにしています。

2009年4月7日 春の大落語祭り
角川エンタテインメント「とっておき寄席」公開録画
in 深川江戸資料館



林家彦いち の全商品リストは、こちら

official website;熱血落語家 林家彦いち 喋り倒し

ブログ噺家の外遊び;ごろ寝のおすそわけ

(社)落語協会;林家彦いちプロフィール    

今後の予定

毎週土曜日   TBSラジオ「久米宏のラジオなんですけど」(13時〜15時)
2009年5月31日 「国立名人会」 国立演芸場






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 彦いち噺


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 創〜SOU〜
 「熱血怪談部」「青畳の女(ひと)」

 礎〜ISHIZUE〜
 「猿後家」「天狗裁き」「不動坊」
 

 DVD
 野田知佑 夢枕獏とユーコンを下る


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 とある高校の怪談話サークルに新しい顧問の先生がやってきた。
 気の抜けた部員達とのトンチンカンなやり取りが爆笑を誘う。

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 柔道選手キタガワ・トモエは、片思いの相手が試合を見に来ると聞いた途端、
 か弱い女性を演じて試合に負けてしまう。
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 先輩、朋友、ライバルたちの「名言」の数々。
 人生・仕事・恋愛に役立ったり、役立たなかったり。
 ウェブサイト『パブリデイ』に連載されたエッセイに加筆訂正したもの。




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