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2009年9月24日 (木)

落語インタビュー全12回連載 − 第6回 柳家権太楼






「とっておき寄席」収録、[昼の部]のトリを務める柳家権太楼。
静かなトーンで座布団に着くと、首を横に少し曲げて、目尻を下げて笑う。
淡々と進むように思える噺が独特なテンポを刻み始めると、
緩やかなのに、激しい波に追いかけられるような、緊迫感が流れる。

収録前にインタビューの約束をし、会場のロビーで待っていると、
「権太楼さん、1階にある資料館を見学なさっています。呼んできますか?」と、スタッフが聞くので、
一同は、ガラス窓から、江戸時代の街並みを再現した資料館を覗き込んだ。
見学する柳家権太郎の姿は見えなかったが、そこには、柔らかい空気が流れているように感じた。




高座に立たれている時と、こうしてお会いしたときの印象は、また違いますね。
そうなんですよ、人格替わるでしょ?
自然と人格が変わるんですよ。
普段はあんまり喋りませんからね。
でも、どっちも私。
高座と楽屋では、全く違う権太楼なんです。


自然に替わる、というのは、
どのタイミングで切り替わるか、意識なさったことはありますか?

どこなんでしょうね?
強いて言えば、出囃子が鳴った時でしょうかね。
「高座の権太楼」というのを前面に出して、舞台へ出て行くのかもしれないですね。
普段は、人が寄り付かない雰囲気ですからね。

落語家は座布団の上に座った時点で、8割方、勝負がついていると思いますよ。

だから、出囃子が鳴った時点で、
それ(高座の権太楼)を実現する為の姿勢に切り替わるんでしょうね。
普段の生活は、高座までのモチベーションを保ちながら過ごしている気がします。


モチベーションを保ちつつ高座へ向かわれる時、
さらに気持ちを高める為、
何か習慣としてなさっている事はありますか?

若い頃は、寄席へ向かう車内で、ものすごくアップテンポな音楽を聴いていましたね。
ただ黙って、音楽だけを鳴らして、そのまま寄席へ突っ込んでいく。
そうすると、ものすごく元気な高座が出来上がる、なんてこともありますよ。
その瞬間に権太楼という人格が現れる。

終わっちゃうと、そんな音楽を聴きたくなくなっちゃうんですけどね。



客席との調和という点については、どのような考えでいらしゃいますか?

「降りてくるかどうか」なんですよ。
やってみないとわからない。
一期一会みたいなものだから。


ただ、たくさんの落語を継続して演っていれば、
その(客席との調和という)針の触れ幅は、それほど大きくない。
ある意味、落語家は舞台監督でもあり、演出家でもあるから、
どの着物を羽織って、どれくらいの歩数で舞台に上がるか、
完成までのイメージをしながら入っていきますよ。

いい加減な落語はしたくないから、
365日、どういう高座を完成させるかを考えてますよ。


年間600〜700回の落語をやっていても、いつでもそうです。
だから、疲れちゃうんだよねぇ(笑)。



その疲れは、どのように癒しているんですか?

それはね、落語やってるときに癒してるんですよ。

頭おかしいでしょ?

寄席を休んで、落語をやらない3日間が有るとしたら、生きていけないですよ。


お客さんに笑ってもらえるかどうか、とは、また別次元の話です。
なーんだか、哲学的な話になってきちゃったなぁ(笑)。



先程の、「降りてくるかどうか」というのは、どの時点で感覚的に掴みますか?

枕を話してみて、ダイレクトに客席からの空気を感じた時ですね。
枕って、ボクシングで言うジャブみたいなもので、
これくらいの振りでどうかな?この強さでいけるかな?って試しながら話しているんですよ。



そういった綿密なジャブを振りながら、枕を話していらっしゃるんですね。

うーん、そうね。
ジャブしながら、「今夜はなに食べようかなぁ」なんてことも考えたりね(笑)。
「あそこのラーメン食べたいなぁ」とか考えてますね。
いろんな権太楼が存在しています。



(笑)。
今日の高座は、袖から歩いて来て、枕を話すところを含め、
これまでとは違った視点で楽しませて頂きます。

是非、素直な心で楽しんで下さい(笑)。



はい、素直な心で観させて頂きます(笑)。
ありがとう御座いました。

ありがとう御座いました。


2009年4月9日 春の大落語祭り
角川エンタテインメント「とっておき寄席」公開録画
in 深川江戸資料館





柳家権太楼 の全商品リストは、こちら

official website;WEB-GON

(社)落語協会;柳家権太楼プロフィール    

今後の予定

2009年6月27日柳家権太楼 一門会
2009年8月29日第31回南大沢寄席





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 DVD
 落語の極 平成名人10人衆: 柳家権太楼


 発売日: 2009年08月05日

 2006年11月9日〜 毎木3:15-4:10TX地上波で全20回放送、
 2007年1月13日〜毎土18:00-18:55でBSJで放送。
 日本の話芸を牽引してきた古典落語に焦点を当てて、
 その伝統と歴史に鍛え抜かれてきた至芸を「平成の名人10人衆」と題して放送。
 番組前半に、当日出演の落語家のインタビュー等のドキュメント映像も交えた貴重な内容。

 CD
 柳家權太楼: 5: 言訳屋


 おもしろさ抜群、第一線に立つ権太楼が名作「言訳座頭」と「睨み返し」を融合した「言訳屋」の
 “初演”を世に問う意欲アルバム。08年11月15日のライヴ。



 DVD
 本格 本寸法 ビクター落語会: 柳家権太楼: 其の参


 [収録内容]
 子別れ・通し「強飯の女郎買い」「浮き名のお勝」59分13秒
 ビクター落語会 第5回(夜席)
 「子は鎹」30分36秒
 ビクター落語会 第5回(夜席)



 BOOK
 権太楼の大落語論


 
 笑う門には福来る。落語家ほど素敵な笑売はない!
 「芸」とは、「寄席」とは、師匠と弟子の関係は?
 日本一稽古をしている寄席の爆笑王が、生い立ちから入門、真打までの歩み、
 そして落語界の今後の展望までを徹底的に語る。




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