HMVインタビュー:Warren G

2009年9月24日 (木)

interview

warren g

Warren Gオフィシャルインタビュー

ファンのみんなに対して適当な内容のアルバムをリリースするなんて出来ないからね。

--- ずっとあなたのアルバムを待っていたので、やっと出たか!という感じです。アルバムが出来上がって、自分自身ではどんな気分ですか? 今回のアルバムの出来には満足していますか?

完成したアルバムには満足している。(本作品の作業中に)色んなアイディアが浮かんだから、完成するのにこれだけの時間がかかったんだ。「こんなアイディアが浮かんだから取り入れてみたい」って思ったら、そのままそれを作品にしていくっていうプロセスをとっていったんだ。でもそういう作業を全てやり遂げて最高のアルバムを作れたと思う。素晴らしいアーティストたちが何人も参加してくれてるしね。SnoopにNate(Dogg)、RaekwonにRBX、Travis Barkerとかね。とにかくすごく良いアルバムなんだ。吸ったり、ダンスしたり、ドライブしながら聴けるレコード、グレートなアルバムだぜ。ソウルフルなパーティーグルーヴなトラックが沢山入ってて、シリアスな内容の曲も2〜3曲あるけど、それ以外はソウルフルでフィール・グッドなレコードなんだ。

--- 今回はE1経由のリリースのようですが、毎回レーベルが変わっているのはなぜなのでしょう?

オレはメジャー(なレーベル)に縛られてないってこと。このアルバムはインディペンドレコードで、TTLっていうレーベルを通じて作ったアルバムでKOCH(E1)がディストリビューションを担当してくれてるんだ。(TTLの)連中が声かけてくれて、一緒に話をして契約交わして、『G Files』が出来たって感じなんだ。

--- KOCHやTTLはビジネスパートナーとしてどうですか?

まだKOCHとはそんなに一緒に仕事してないけど、TTLはクールなレーベルだよ。オレの友達のバーバラ・ルーペはこのレコードのために一生懸命仕事してくれてる。こんな風にキミと今日インタビュー出来たのも彼女のお陰だしね。まだKOCHとはそんなに一緒に仕事してないんだけどね。

--- 今後また色々と絡むことになるんでしょうね。

そうだね。

--- 『In The Mid-Nite Hour』を出してから現在までの4年の間に、なにか大きな環境の変化はありましたか?

そうだな……娘が生まれたんだ。もう三歳になるんだけど、それ以外では音楽活動を続けてた。プロデュース作業やライブをやったりね。子供たちの世話をしてきたんだ。

---先ほどからバックで声が聞こえてるのは娘さんですか?(笑)

そう、子供たちと今一緒にいるんだ(笑)。

---前作『In The Mid-Nite Hour』を出した後に反省点や改善すべき点などはあったのでしょうか?

あのアルバムに関しては変えたい点は1つもないよ(笑)。

---(アルバムの出来に)満足しきっているという感じなんですね……(笑)。

グレートなレコードだからね。

---新作はそれと比べてどういった内容にしたいという意図はありましたか?

さっきも言ったけど、このレコードはパーティーっぽい内容のアルバムなんだ。経済がどうとかっていうような(シリアスな)内容のものじゃなくてオレ自身が楽しんで作ったアルバムなんだ。こんなご時勢だから、(リスナーたちに)ストレスを与えるようなことはしたくない、むしろ気分よく(フィールグッドに)なって欲しいだろ。それこそがオレが今狙ってることなんだ。

---そうですよね、みんな既に相当なストレスを抱えていますからね・・・。

その通り。だから(リスナーの)みんなには気分よくなって欲しいんだ。オレのレコードを聴いて余計にストレスを感じてもらいたくないからね。

---そもそも前作から4年というタイミングは予定通りでしたか?

オレも大人になって家族もいるし、他仕事以外にもやらなきゃならないことがあるからね、子供たちやワイフの世話をしていかなきゃならなくて、それと平行して仕事をしていってるって状態なんだ。スコアリングやプロデュース業、他のアーティストのプロデュースとかもやりながらだったからね、その結果が4年間だったんだと思う。

---「Ringtone」や「Crush」が世に出てからずいぶん時間が経ちましたが、制作はいつ頃からスタートしていたのでしょう?

そうだな……ここ1年位、継続してこのアルバムの作業をしてたんだ。さっきも言った通り色んなアイディアがあったからね、それにファンのみんなに対して適当な内容のアルバムをリリースするなんて出来ないからね。クオリティーの高い音楽を提供したいから。今までの自分の作品を越える作品っていうわけじゃなくて、引き続き良い音楽を提供していきたいっていうのが自分の中にあるから。そういう良い音楽を作るにはそれなりの時間がかかっちゃうんだ。他のヤツらに「この作品最悪だぜ」って言われたくないし、オレはそういうアーティストじゃないからね。今までにアルバム全部が最悪だって評価されたレコードは1枚も作ってないし、今後もそんなアルバムを作るつもりはないからね。

---『The G Files』というタイトルはどういう意図でつけたのですか?

G Filesっていうのは例えばファイルキャビネットからファイルを取り出した際に、G FileつまりWarren G Fileの中にはまず「West is Back」っていうファイルがあって、そのファイルを開けると、まだシーンに登場していない若いアンダースタディたちが、オレ自身が座って一緒にラップすることなく、彼らだけでWarren Gのヒストリーを伝えているんだ。だからそのファイルを探し当てて聴いてみれば、今まで知らなかったWarren Gに関する情報を得られるかもしれない。他の曲、「True Star」っていうファイルを開けてみると、本物のスター(True Star)に出会える、そのスターに耳を傾け、「こうするべきだ」って言ってることに従えば、本物のスターのステータスに到達できるんだ。オレ自身が持つファイルキャビネットにあるオレのファイルを取り出して見てもらえるっていう内容なんだ。

---クレジットが(手元に)まだないのですが、今回はすべてあなた自身がビートを作っているのですか?

今までキミが聴いたことあるWarren Gのレコード全てWarren Gによってプロデュースされたものなんだ。で、今回のアルバムでは「True Star」っていう1曲だけを除いて全てのトラックをオレが手掛けてる。「True Star」はオレが凄く気に入ってるTHXがプロデュースしたんだ。THXはホットなトラックを沢山手掛けてるプロデューサーなんだ。

---確かSnoopのトラックとかも手掛けてますよね……。

そうそう。

---彼とはどんな経緯でフックアップしたんですか?

以前から彼のことは知ってたんだけど、オレのバディのBudd LuccとHallaを介して知り合ったんだ。彼らは今回のアルバムで一緒に仕事したんだけど、それ以外にもBlac Nicc、Jooni、BJ、Trevor Wesleyなんかと今回は一緒にやってるんだ。

---今お話に出たアーティストたちについては日本のファンもあまり馴染みがないので、どういう人たちなのかひとりずつ教えてくれますか?Mr. LuccはDubb UnionなんかをやってるBadd Luccのことですよね?

そうそう、Mr. LuccはBadd Luccのこと。Hallaは新人のアーティストで、Blac Niccもこれからシーンに出て行くアーティストだし、オレはこういうアーティストたちにチャンスをあげたいんだ。オレのレコードに参加することで、彼らのキャリアをスタートさせる手助けをしたいってね。オレのファンたちが彼らを聴いて気に入って、注目を浴びるようになったら、レコード会社がオレに電話してきて、「こいつは誰なんだ?このアーティストはどういうアーティストなんだ?」って色々訊いてくることになる、そうしたらそのアーティストをオレがプロデュースすることになるんだ。そうやって彼らのキャリアをスタートしてあげられると思うからね。

---彼らはみんなウエストコーストを拠点とするアーティストなんですか?

そうみんなウエストコーストのアーティストなんだ。 Blac NiccはLBC出身で、Mr. LuccとHallaは二人ともワッツ出身。 で、Jooniはシアトルの出身、BJはシカゴの出身、Trevor Wesleyはオレンジカウンティの出身、色んな連中がこのレコードには参加してくれてるんだ。だから最高の作品になってるんだ。

---今もお話にありましたが、前作でもビショップ・ラモントをいち早くフックアップしていたり、昔からいろいろ若手を見つけてくる才能があると思うのですが、自分ではどう思いますか?

それがオレのするべき事だって思ってるからね、今後も続けていこうと思う。オレのアルバムじゃなくても、彼らの作品を沢山プロデュースしていこうと思うし、そうすることで、さっきも話したけど、彼らがキャリアをスタートすることをサポートしていってやりたいって思ってるんだ。一生懸命頑張ってる人たちが成功するための手助けをしたいって思ってるからね。