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2009年12月10日 (木)
mito from clammbon クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。 |
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MMMatsumoto from 「MARQUEE」 ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。 |
どもです、ミトです。お待たせいたしました『MMM Radio Psychedelic』、祝10回目配信です!!
いやー、ちょっとした一言で始まったこのラジオ、ゆるーい感じながらも10回目を迎えられ、本当に嬉しいです。
でも「じゃあ10回記念でっ!」って大層にならないのがこのラジオ、いつものよーに僕とMMMatsumotoさんの、びっくりするくらい予定無し行き当たりばったり選曲に、今回もまたみなさん存分に振り回されていただければ幸いです!!気がついたら僕はちょっとセンチメンタルなものが多かったのかな?
冬の寒さと澄んだ空気を彩る選曲に。そしてMMMatsumotoさんはついにこのラジオから「発禁もの??」の一枚を。どんなものかは、もちろん聴いてみればわかりますよー。
さあ、ではいってみましょう!!!
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介
1st Set | |
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Asuna / This |
mito「本人は足踏みオルガンを良く使うらしくて。足踏みオルガンって良くないですか?」 MMMatsumoto「良いですね」 mito「皆さん、こじゃれたカフェとかにたまに置いてあったりするので、もし弾けたら触ってみてもらえばわかると思うんですけど、あれ、ちょっと弾くだけでいきなりレディオヘッドみたいな気分になれますよ」 MMMatsumoto「はははは(笑)」 mito「ここ何年かずっとオークションとかで探してたり、音源として入れたいな、って思ってるんですけど。いかんせんモノ自体が少ないのと、あと、思ったような音じゃなかったりすることがあって」 MMMatsumoto「ふ〜ん」 mito「足の『ギシギシ』っていう音と『フワ〜』っていう音が良い感じで廃れているのに、『ふいご』って言って空気を入れている袋に穴が開いていて、『ド』の音が出ない、とか」 MMMatsumoto「なるほどね〜、手ごわい相手だね。メロトロン以上じゃないですか!(笑)」 mito「確かにそうかも!(笑)」 |
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【解説 by mito】 様々な楽器を使いフィールドレコーディングされた素材との融合にて神秘的な作り出すドローンは、まさに唯一無二。学生時代から音源を発表し、スペインの良質レーベル[Lucky Kitchen]などの海外からもリリースをしている彼の、2008年にHEADZからリリースしたものがこの「THIS」である。1999年〜2008年までの膨大なアーカイヴから厳選された6曲には、リード・オルガンをメインとした洗練されたアンビエントや、日常の音をことごとくミクロにカットアップしたサイケデリックまで、まさにドローンの可能性と神秘性をジャンルを飛び越えてシンプルに僕らに届けてくれる。 |
2nd Set | |
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Lars Jansson / Ballads |
mito 「これ出会ったのは4、5年ぐらい前かな。まだここ1、2年みたいにピアノ・ジャズとかクラブ・ジャズ系のものもほとんど聴いてなかった時に、たまたま友達がお店でかけてたんですよ」 MMMatsumoto 「うん」 mito 「その時期も冬場だったんですけど、小淵沢に行ってこれを聴いてるような時期がすごくあって」 MMMatsumoto 「結構個人的な思い出もあるんだ」 mito 「そうそうそう。やっぱり『冬』ってなると透明感のあるピアノ・トリオっぽいのがね...」 MMMatsumoto 「わかるわかる」 mito 「またね、小淵沢なんか綺麗なもんですからぴったりはまっちゃうんですよ」 MMMatsumoto 「うんうん」 mito 「ものすごくセンチな自分を演出できてしまうわけなんです(笑)」 MMMatsumoto 「(笑)」 |
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【解説 by mito】 スウェーデンのジャズ・シーンに於いて、今最も注目されているピアニストであるラーシュ・ヤンソン。彼の作品から溢れ出る溜め息のでるような美しいメロディライン、 その壮大かつ流麗なロマンティシズムにはただただ言葉を失う。ここ最近注目されるヨーロッパ・ジャズ・ピアノ(e.s.t.、Jean-Philippe Viret等)のオリジナル盤のレヴェルの高さは僕がコメントするまでもないが、ここまでキャッチーで難解さを感じさせないのはこのラーシュをおいて他はないであろう。なお、彼は今年の9月に来日し、5カ所でツアーを行っている。 |
3rd Set | |
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Oregon / Selection |
mito 「すごいこの『はまり方』が良いですよね。ギターとヴァイオリンと、ベースの流れもそうだし、あとはサックスですよね。こんなに合うんだなぁ、って思って。ものすごい『熱』があるじゃないですか」 MMMatsumoto 「そうそうそう。音がクリアなだけじゃない、クリアな音で熱がある感じがあるよね。微妙にサイケデリック感もある、っていうか、ジャムバンドっぽくも聴こえるんだけど、ジャムではないよね」 mito 「すごい完成されてるなぁ、って思うんです」 MMMatsumoto 「絶妙なラインでやってるよね」 |
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【解説 by mito】 ポール・ウィンターが「ワールド・ミュージック」の可能性を模索するために生まれたプロジェクト、この「ポール・ウィンター・コンソート」のメンバーが独立して活動を開始したバンドこそがこのオレゴンである。メンバーのそれぞれがマルチなプレーヤーであり、様々な民族音楽と古典音楽を混ぜ合わせたそのアンサンブルは、いままでのジャズやロックにはなかった創造性を確立し、そのオリジナリティは全く色あせることはない。1972年より幾多のメンバーチェンジを重ね、30年以上経った今でも現役で活動を続けられるということも、その魅力が廃れずに聴き続けられている証拠でもあるだろう。 |
4th Set | |
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Urmas Sisask / Starry Sky Cycle |
mito 「この人、面白くて、1987年に太陽系の自転や公転とかの周波数を計算して、『惑星のハーモニー』とか『宇宙のスケール』、っていうのを自分で作り出したんですよ」 MMMatsumoto 「ふーん」 mito 「何かその法則感がすごくわかるんですよね」 MMMatsumoto 「それ、各曲とも?」 mito 「うん、すべてにおいて当てはまってるんじゃないかな、と僕は思うんです。非常に自然な終わり方、逆に言うと非常に『曲的な終わり方』をしない」 MMMatsumoto 「なるほどなるほど」 mito 「その突拍子さが現代音楽チックに、投げやりに終わっているんじゃなくていろんなもののバランスの中で整合しているような感じに聴こえるんですよ。あくまで思い入れになっちゃうかもしれませんが...(苦笑)。でもそういう無調的なピアノのものもあったりするんですけど、メロディーは非常に漠然と大きなものがあって」 |
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【解説 by mito】 1960年生まれのエストニアの作曲家。彼が2000年に発表したアルバムがこの『STARRY SKY CYCLE(銀河巡礼)』である。天文学者としても活動している彼は、独自に発明した「プラネット・スケール」(太陽系の惑星の自転、公転の周期を周波数に置き換え、それを音楽的周波数にリンクさせて音階化)を使い、作曲に用いるというユニークな発想をもつ。2分にも満たない小曲にそれぞれの星の名前をつけ、 科学的な法則で作り上げられた楽曲たち。しかしただプログラム化されたフリーキーな楽曲が並ぶことはなく、信じられないほどの美しさを讃える曲たちが、まさに夜空のようにひしめき合っている。 |
5th Set | |
※現在廃盤
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佐藤允彦&サウンドブレイカーズ / Amalgamation 恍惚の昭和元禄 |
mito 「フフフ(笑)でもこれ、かっこいいですね〜」 MMMatsumoto 「実は1回取材したことがあるんだよ、本人に」 mito 「おお〜」 MMMatsumoto 「これがCDになる時かなんかにMARQUEEで取材したんだよね。で、この作品のこと聴いたら『ほとんど記憶にない』、って言われて」 mito 「ええ〜!?」 MMMatsumoto 「学生の卒論みたいな感じの課題かなんかのために書いて、それをセッションっぽくやったものじゃないか、って」 mito 「(笑)」 MMMatsumoto 「この当時、いろんなことをやられていたと思うんですよ。で、その中のひとつらしいんだけどそれにしては内容がね。結構過激で」 mito 「すごいですもんね〜」 | |
【解説 by MMMatsumoto】 時は安保に揺れ、学生運動も過ぎた1971年、ジャズピアニスト佐藤允彦が密かにリリースしたジャズロック×サウンドコラージュの前衛作品。国内ニューロック期の重要ギタリスト・水谷公生や、元エイプリル・フール、フード・ブレインのキーボード奏者・柳田ヒロらも大暴れしての一大セッションアルバム。当時で言うフリーロック、今で言うジャムバンド。そこに戦時中のラジオ放送もしくは演説が、浮かんでは消えて現れる。で、この雰囲気が混沌気味なバンドサウンドと相俟って不穏。まるで暗〜い昭和の、忘れられた残像。70年代初頭、国内実験ロック、幻の1枚。 |
6th Set | |
※現在廃盤 | LIO / LIO 1980・2005 25 YEARS IN POP |
MMMatsumoto 「極端な言い方すると、こういう海外派生だったエレポップが、まぁ、日本にはYMOがいたけれど、いま日本のアニソンに結実してるんだと思うんだよ。海外にも輸出されて日本のカルチャーになってるわけじゃないですか」 mito 「そうそう、それがすごいなぁ、と思いますよね。日本だけじゃなくて海外でもバカ売れしているわけじゃないですか」 MMMatsumoto 「『一カルチャーの流れ』、って考えればすごいおもしろい。はっきりした流れだよね」 mito 「おもしろいですよ。それはそうだと思う。でも『アニソン』、って言っても色々あるじゃないですか」 MMMatsumoto 「そうだよね」 mito 「一つ括って特集組もうと思っても結構な内容が必要になってくるし。そろそろ誰かがアーカイブを作ってくれればいいのにな、って思いつつ(笑)」 MMMatsumoto 「ははは(笑)それはねぇ、大変だし次から次へとできちゃうからねぇ」 | |
【解説 by MMMatsumoto】 素人っぽいロリータ声の、物分かってなさそうな小生意気さが、まさしくフレンチロリータの系譜。フランス語圏ベルギー出身のLioは、80年代をファッションモデル風に駆け抜けたアイドルでもある。音もキュートなまでの徹底的ガーリーポップ。80年代当時で言うデジタル世代のテクノポップ・ヨーロッパ版。今なら“ピコピコ”打ち込みの元祖、もしくはヴォーカロイドの源流としても捉えられる。80年代当時はポップアートぽく映った彼女の在り方も、今や時代は二回りし、アニソン主導なヴァーチャル・ミュージックとしても機能しそう。90年代には渋谷系クラブポップのサイドから“オシャレ”アイコンとして再評価されたこともある。ヒット曲多数。 |
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MARQUEE Vol.76 2009年12月10日発売 800円(tax in) コード ISBN978-4-434-13983-3 |
第一特集は、新世代ポップをスペイシーに突っ走る話題のavengers in sci-fi。第二特集はサウンドクリエイターでモデルのAYUSE
KOZUE。MEGやSAWA、フルカワミキ等のポップアイコン系も充実。この秋、バンド/DJを多数迎え3連続公演で復活したイベント
「MARQUEE NIGHT」のリポートの他、ニューヒロイン西野名菜の綴じ込み撮り下ろしフォトブックも。新作リリースの黒猫チェルシー
やschool food punishment、1000say等のバンド勢も多数掲載!
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