荒木飛呂彦作品、森山未來主演にて初の舞台化

2015年08月11日 (火) 19:00

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 「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズで知られる漫画家・荒木飛呂彦氏による原作『死刑執行中脱獄進行中』が初の舞台化。森山未來主演により、天王洲 銀河劇場にて2015年11月に舞台「死刑執行中脱獄進行中」が上演される。

 このたびの舞台では、「死刑執行中脱獄進行中」の“死刑宣告を受けた男が監獄からの逃避行を試みるサスペンス”をベースに、同短編集に収録された「ドルチ 〜ダイ・ハード・ザ・キャット〜」の要素を織り交ぜた構成で、荒木作品の持つ唯一無二の世界観を舞台上に紡ぎだされる。演出、出演陣のみならず、各ジャンルから注目のクリエイターが結集し、舞台表現の新たな領域へ挑戦する。

主演 森山未來 × 原作 荒木飛呂彦
短編集「死刑執行中脱獄進行中」(集英社)
構成・演出・振付  長谷川寧[冨士山アネット]
—逃れられない監獄からの逃避行

死刑宣告を受けた男が入った監獄。
其処は監獄と呼ぶには余りにも豪華な設備だった。
行き届いた調度品は、まるで高級住宅の様。
だが男が其処で生活を始めた途端その施設は全てが男を処刑しようと蠢きだす。
其処は監獄か、処刑室か。
男は其処からの脱出を試みる。

荒木飛呂彦原作、初の舞台化。
それは、舞台化不可能な作品への挑戦。
見た事の無い舞台への、その新たな領域へ。


[死刑執行中脱獄進行中]舞台化によせて


 “荒木飛呂彦”と言えば、私達世代はリアルタイムで[ジョジョの奇妙な冒険]と隣り合わせで生きていたと言っても過言ではない。其処から派生し、過去作品を読むに付け、徹底して描かれている「賢明さ至上主義」ともいうべき思想に惹かれていた。

そんな中今回、作品を上演させて頂く機会を得た。
だが荒木飛呂彦作品を舞台化するにはある種の超越が必須。
この作品を舞台化するに辺り、どうすれば良いか。

 まず原作の短編集の中の表題[死刑執行中脱獄進行中]に於ける、主人公が監獄の中で処刑されて行くというミニマルな状況、このサスペンスに焦点を当て箱庭的な世界を多角的に表現したい、と考えた。
 舞台化に於いてはある種、突出したアナログさやある種のプリミティブさを身体の中に取入れて行く事が必要だ。
 そこで初めて荒木作品に於けるあの感覚・身体性を宿せる、と考えている。

 更にその上で、この短編集が持つ極限状況をより凝縮する為、本作の短編[ドルチ 〜ダイ・ハード・ザ・キャット〜]を織込んだ。
 この2つの世界感を敢えて織込む事で、この短編集の持つ世界観の足掛かりとした。

 荒木飛呂彦作品では、“人間讃歌”をテーマに登場人物達はいずれも生に執着を持つ。
 その生きる力を媒介に、この作品を強靭な身体を用いて立上げたいと考えている。

 そして“男”を演じて貰うにあたり、森山未來に話をした。
 彼は今映像でも活躍している俳優の中でも、身体能力・表現共に群を抜いた俳優の一人だと思う。彼ならば一見突飛の無いこの舞台化作品に肉体を持ってリアリティを付加出来ると考えている。

 パフォーマー、そして多彩なクリエイター陣と共に、私達にしか出来ない現在の表現として作品に昇華させていければと考えています。
 周囲の環境を捻じ曲げ、時空をも歪め、その超越に手を伸ばす。
 そんな作品です。

 願わくばこれを持って国内外何処にでも、世界で戦える作品づくりを目指しています。

2015.8.07 冨士山アネット 長谷川寧
FujiyamaAnnette  Ney Hasegawa


荒木飛呂彦さんからのコメント


 作品が舞台化されるのは初めてなので、予測できない期待感と楽しみがあります。

原作:荒木飛呂彦



 1960年6月7日、宮城県仙台市生まれ。80年「週刊少年ジャンプ」第20回手塚賞に『武装ポーカー』で準入選。81年同誌1号に同作品デビュー。83年42号より『魔少年ビーティー』で初連載。87年1・2合併号から連載がスタートした『ジョジョの奇妙な冒険』は、25年以上の長期にわたり読者からの絶大な支持を得ている。現在、「ウルトラジャンプ」で連載中の同作第8部『ジョジョリオン』で、第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。

公式サイト:http://www.araki-jojo.com

森山未來さんからのコメント


 荒木飛呂彦さんの持つ唯一無二の様式美を、身体、テキスト、音楽、照明、映像、衣装など、現代の舞台芸術が持ち得るかぎりの要素を総動員して、演出家、ダンサーをはじめとする素敵なクリエイター達と有機的に具現化していくつもりです。この舞台が演劇なのか、ダンスパフォーマンスなのか、ジャンルレスなインスタレーションなのか。それは観劇後のあなたの選択にお委ねします。

主演:森山未來

 1984年8月20日生まれ、身長172cm。
 ジャズダンス、タップダンス、クラシックバレエ、ヒップホップなどのダンスを始め、いくつかの舞台を踏み、1999年「ボーイズ・タイム」で本格的に舞台デビューを果たす。舞台・ドラマと活躍するなか、2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』で、サクの高校生時代を好演し、ブルーリボン賞新人賞、日本アカデミー賞優秀助演男優賞、新人賞を総嘗めにし、話題となった。近年では、自身が主演するダンスライブの演出も手掛けるなど、俳優業だけでなく、活躍の場を拡げている。 近年の主な作品に、「モテキ」シリーズ、映画『フィッシュストーリー』、『苦役列車』、『北のカナリアたち』、『人類資金』、ミュージカル「RENT」、舞台「変身」「テ ヅカ TeZukA」、ロックミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」、ミュージカル「100万回生きたねこ」等。 2013年10月〜2014年10月迄の1年間、平成25年度海外派遣型「文化交流使」としてイスラエルを拠点に活動を行った。 帰国後、舞台「談ス」「ウォールフラワー」「PLUTO」に出演。直近作品として舞台『Judas,Christ With Soy』(企画:森山未來/演出・美術・振付:Ella Rothschild/出演:森山未來 Ella Rothschild 吉井盛悟/2015年7月11日・12日) 、ドラマ『煙霞-Gold Rush-』(WOWOW/2015年7月放送)がある。

「死刑執行中脱獄進行中」公演概要


【原作】
原作:荒木飛呂彦/短編集「死刑執行中脱獄進行中」(集英社)

【スタッフ】
構成・演出・振付:長谷川寧(冨士山アネット)
共同振付:森山未來
音楽監督:蔡 忠浩(bonobos)
衣裳:山本亜須香(FUGAHUM)
美術:杉山 至
照明:奥田賢太(colore)
音響:天野高志
演出助手:河内 崇、矢本翼子
振付助手:高谷 楓、傳川光留
舞台監督:谷澤拓巳、高橋大輔

宣伝アートディレクション:三嶋章義
宣伝写真:生井秀樹
宣伝美術:太田 創

【出演】
森山未來
いいむろなおき、江戸川萬時、大宮大奨、笹本龍史、宮河愛一郎、森川弘和
and more

演奏:蔡 忠浩、吉田省念、田中佑司

【公演期間】2015年11月20日(金)〜11月29日(日)
【会場】天王洲 銀河劇場
【料金】S席8,800円 A席5,000円(全席指定・税込)
【問い合わせ】銀河劇場チケットセンター03-5769-0011(平日10:00〜18:00)
【公演ホームページ ※8月中旬開設】 http://www.ssds-st.com/
【公演Twitter】 @ssds_st



構成・演出・振付 長谷川 寧  Ney Hasegawa


作家・演出家・振付家・パフォーマー。
 03年、ユニット[冨士山アネット](フジヤマアネット)結成。
 近年では、活動の指針として「擬・ジャンル」をテーマに掲げ、様々なジャンルとのコラボレーションを行う。
 外部活動・・・冨士山アネット全作品の構成・演出・振付以外に、演出家として、世田谷パブリックシアター主催[日本語を読む その2](唐十郎[ふたりの女])、ITI[世界の秀作短編研究シリーズ ドイツ編](エルフリーデ・イェリネク[光のない。])等。
 振付家として、フジファブリック[夜明けのBEAT]MV(森山未來主演[モテキ]主題歌)、bonobos [Go Symphony!][うつくしいなまえ][春のもえがら]MV、カサリンチュ[夏が終わる前に]MV(柄本佑・泉里香主演 ユナイテッド・シネマキャンペーンソング)、EGO-WRAPPIN’ LIVE[Dance,Dance,Dance]、Keishi Tanaka[Floatin’ Groove]MV、歌劇「ブラック・ジャック」−時をめぐる3章−(作曲・指揮 宮川彬良 演出 田尾下 哲)、ホリプロ[夜想曲集](演出 小川絵梨子 主演 東出昌大)、ホリプロ[エンロン](主演 市村正親)、DULL-COLORED POP[河童](演出 谷 賢一)、俳優座70周年記念公演[巨人伝説](演出 眞鍋卓嗣)、おふぃす3○○実験公演[笑うハチドリ](演出 渡辺えり)、現代演劇レトロスペクティブ sunday[友達](演出 ウォーリー木下)、映画[海月姫]、ドラマ「アラサ―ちゃん無修正」OP(テレビ東京)他、様々な方面にて活動中。

オフィシャルサイト

冨士山アネット 概要


 2003年活動開始。作・演出・振付の代表・長谷川寧を中心としたユニット。
 類稀な空間演出と創造的なヴィジュアルにて劇場空間を脱構築、空間インスタレーションを用いた独自の空間の中に光と闇を用いた創造的なヴィジュアルを描き出す。
 身体で伝える演劇を目指し、言葉に頼らない、新たなコミュニケーションを提示する舞台を制作。
 それを「ダンス的演劇(テアタータンツ)」と称し、独自の身体表現にて活動を行う。
 2012年より演劇に特化した冨士山アネット/Manos.(マノス)でも活動を開始。
 2013年は冨士山アネット×冨士山アネット/Manos.[Woyzeck/W]として、古典[ヴォイツェク]をダンスと演劇両バージョンでの上演を敢行。
 また[The Absence of the City]にて韓国との国際共同制作作品を韓国/Daehangno Arts Theatre 東京/新国立劇場 京都/京都芸術センターにて上演。
 2014年9月演劇作品[醜い男]上演、2015年2月[The Absence of the City Project]上演等、国内外にて精力的に活動中。
 2016年2月新作[Dance Hole]を横浜・京都にて上演予定。

オフィシャルサイト
Twitter @fujiyamaannette

音楽監督・演奏:蔡 忠浩(bonobos)


 2001年よりbonobosのフロントマンとして活動開始。
 ほとんどの作曲/作詞/編曲を手掛け、ステージではヴォーカルとギター、ピアノを兼務。
 FUJI ROCK FESTIVALやRISING SUN ROCK FESTIVAL、ROCK IN JAPAN FESTIVALなどの大型ロックフェスに多数出演。
 他アーティストの作詞作曲編曲や、CMへの楽曲提供も積極的に行っている。

オフィシャルサイト

衣裳:山本亜須香(FUGAHUM)


 2006年に三嶋章義氏とともにブランドFUGAHAM(フガハム)を立ち上げる。PICTURE DRESSにて、寺山修司、JAXAをはじめ、分野を超えて、様々な作品とコラボレーションした作品を発表。
 自身のコレクション、アーティストへの衣装提供、舞台衣装作家として活動。

オフィシャルサイト

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