「プラハの春」ライヴ 1947-68　ムラヴィンスキー、クリュイタンス、マルケヴィチ、オイストラフ、リヒテル、他(4CD)

「プラハの春」ライヴ1947-68(4CD)

ザルツブルク等と並んで世界的に有名な大音楽祭「プラハの春」でおこなわれた貴重な演奏をセット化。これまで様々な形で発売されてきましたが、今回のセット化でまとまった形で入手できるのは嬉しいところ。「BBC LEGENDS」や「TESTAMENT」で定評あるポール・ベイリーが担当した新リマスタリングも注目、貴重な写真が満載のブックレットは「ANDANTE」レーベルならではのポイントでしょう。
　内容は、ムラヴィンスキーがチェコ・フィルを指揮したチャイキフスキーを筆頭に、リヒテル、オイストラフなどソヴィエトの大物演奏家の参加がまずは見逃せないところ。アメリカでは作曲者ラフマニノフ自身との共演で有名だったストコフスキーと、オボーリンとのピアノ協奏曲第3番などは、音楽祭ならではの豪華な組み合わせといえそうです。マルケヴィチの『春の祭典』、クリュイタンスの『幻想』など、それぞれ十八番の演目を携えての来演記録もきわめて貴重。
　その他、1968年8月に勃発した「チェコ動乱」で亡命したアンチェルが、その直前の5月に振ったスメタナ、1947年のチェコ社会主義クーデターで翌48年に国外へ去ったクーベリックが、その直前にオイストラフと組んだプロコフィエフなど、歴史的にもはなはだ興味深い音源が含まれているところにも注目です。

「プラハの春」音楽祭ライヴ 1947-68年　放送録音集(4CD)

CD-1：
・チャイコフスキー：交響曲第4番へ短調
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　エフゲニー・ムラヴィンスキー（指揮）
　録音：1957年6月3日　スメタナ・ホール

・ラフマニノフ：ピアノ協奏曲第3番ニ短調
　レフ・オボーリン（p）
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　レオポルド・ストコフスキー（指揮）
　録音：1961年5月20日　スメタナ・ホール

CD-2：
・マルティヌー：交響曲第6番『交響的幻想曲』
　プラハ放送交響楽団
　シャルル・ミュンシュ（指揮）
　録音：1967年3月27日　ルドルフィヌム

・ストラヴィンスキー：『春の祭典』
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　イーゴリ・マルケヴィッチ（指揮）
　録音：1959年5月30日　スメタナ・ホール

CD-3：
・ベートーヴェン：序曲『コリオラン』
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　ジョージ・セル（指揮）
　録音：1959年6月3日　スメタナ・ホール

・ベルリオーズ：幻想交響曲
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　アンドレ・クリュイタンス（指揮）
　録音：1955年5月30日　スメタナ・ホール

・ドヴォルザーク：交響詩『野ばと』
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　ヴァーツラフ・ターリヒ（指揮）
　録音：1954年5月17日　スメタナ・ホール

CD-4：
・スメタナ：『わが祖国』〜『ボヘミアの森と草原より』
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　カレル・アンチェル（指揮）
　録音：1968年5月12日　スメタナ・ホール

・モーツァルト：ピアノ協奏曲第20番ニ短調
　スヴャトスラフ・リヒテル（p）
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　キリル・コンドラシン（指揮）
　録音：1950年5月23日　スメタナ・ホール

・プロコフィエフ：ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調
　ダヴィド・オイストラフ（vn）
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
　ラファエル・クーベリック（指揮）
　録音：1947年5月15日　スメタナ・ホール