ラフマニノフ、セルゲイ(1873-1943)

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CD

交響曲第2番、ヴォカリーズ プレヴィン&ロンドン交響楽団

ラフマニノフ、セルゲイ(1873-1943)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
TOCE13321
組み枚数
:
1
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

プレヴィン/ラフマニノフ:交響曲第2番、ヴォカリーズ

ラフマニノフの交響曲第2番は、演奏時間の長さもあってか、この録音がおこなわれた当時は部分カットして演奏されるのが普通でしたが、プレヴィンはここですべての音符を大切に演奏し、ラフマニノフの音楽の魅力をあますところなく伝えてくれています。
 なお、プレヴィンは、1965年にロンドン交響楽団とこの作品をRCAのためにレコーディングしているほか、1985年にはロイヤル・フィルとテラーク・レーベルにレコーディングしています。それぞれ基本的なコンセプトは一貫しているものの、演奏の情熱的な美しさ、とろけるような甘美さではこの2度目のものが抜きん出た仕上がりを示しています。
ラフマニノフ
交響曲第2番ホ短調 op.27(完全全曲版)
ヴォカリーズ op.34-14
・間奏曲〜歌劇『アレコ』より
・女性の踊り〜歌劇『アレコ』より

 ロンドン交響楽団
 アンドレ・プレヴィン(指揮)

 録音:1973-1、1975-10、1976-6&12[ステレオ]

内容詳細

プレヴィンが得意としていたラフマニノフの2度目の録音。カットなしの完全全曲版での録音ということで、話題となったもの。ラフマニノフ特有の粘りのあるメロディを美しく歌い上げた名演。(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

総合評価

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もう半世紀近く前の録音とはいえ 生み出さ...

投稿日:2018/12/20 (木)

もう半世紀近く前の録音とはいえ 生み出された音楽はエナジーを失っていない それはラフマニノフの音楽の精華であり プレヴィンの音楽への愛ある傾注故と知る 演奏とは生まれた瞬間に消えゆくものであるにも拘わらず 録音技術がそれを未来へ伝える力となって百年余 音楽そのものの価値も意味も様相を変えた これには功ばかりがあったわけではない 悪弊や悪習すらも伝えられてしまう害も数多く 未来を侵食している弊もある それにしてもこのプレヴィン &LSOの鮮烈さはどうだ 新鮮な風が今も吹いたいるではないか ここにロマンへの耽溺はない 音楽そのものに語らせる姿勢はプレヴィンの立志である 見事な交響曲の殿堂が屹立している 揺るぎない造形を打ち立てたからこそ溢れんばかりのラフマニノフの抒情が流れ出す 今も心打つ演奏である 音楽を愛し音楽に生涯を賭した者だけが到達できる高い峰であり美しい山容である もしまだなら あなたも如何

風信子 さん | 茨城県 | 不明

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昨夜(2015年6月10日)、86歳のアンドレ・プ...

投稿日:2015/06/11 (木)

昨夜(2015年6月10日)、86歳のアンドレ・プレヴィンは、ロンドン交響楽団の指揮台に戻ってきた。プログラムは、自作のヴァイオリン協奏曲と、Tango, Dance and Song(ソロはもちろんアンネ-ゾフィー・ムター)、そして後半がラフマニノフの第2交響曲という、彼の総決算とも言える選曲。前半もその音楽の優しさが印象に残る演奏だったが、ラフマニノフは、音符の一つ一つを慈しむような丁寧な味わいに涙を堪えられない、かけがえのない音楽体験だった。舞台袖まで車椅子で登場するプレヴィンにかつての機敏な運動能力は望むべくもなく、結果として全体に落ち着いたテンポの中、アダージョだけが相対的に滞りのない印象で流れていた。つまり、明快なめりはりは退いていたのだが、一方で総じて暖かく優しい表情を浮かび上がらせる演奏だった。 これまで、ロイヤル・フィル、ウィーン・フィル、そしてN響といった様々なオーケストラで、プレヴィンのこの曲の演奏に触れる機会があったが、やはりロンドン交響楽団(LSO)での演奏には特別な意味がある。1973年、初めて完全全曲版で録音されたレコードの解説に引用されていたプレヴィンの次の言葉を、私は忘れることができない。 「私はこの作品を愛している。LSOもまた同様である。そして、われわれはそれから先も長い間この曲を演奏し続けるであろう。(三浦敦史氏訳)」 その言葉は現実となり、40年以上経った今も変わらないことが証明された。もちろん40年前に在籍していたメンバーはほとんど残っていないわけであるから、同じLSOとは言えないかもしれない。だが、このコンビのこの曲が特別なのは、終演後の満場のスタンディングオベーションに加わった聴衆が一番よく知っている。 前置きが長くなってしまった。プレヴィンが少なくともその人生の半分をかけて、LSOとともに愛し続けたこの曲の、2度目の録音であるこのCDは、私にとって「無人島の一枚」であり、「最期に聞きたい一枚」であり、多くの人にとってそれだけの価値を訴えられる価値を持っていると信じる。 私は、演奏比較という行為は決して好まない。音楽体験の一つ一つは、他の演奏との関係に妨げられず、絶対的に存在すべきだと思うからだ。それでも、昨夜の演奏にこの上ない感動を味わった後でさえ、私は1973年録音のこのCDを聞かずにはいられなかった。今日、(かつで100回と言わず聞いた)このCDを聞き、そこにある音楽に対する生々しいパッションに再び涙がこぼれた。プレヴィンは決して情熱に駆られた演奏をする人ではないが、ここには「止むに止まれぬ」熱さがあった。私自身がこの録音に出会った頃のパッションへのノスタルジーがあることは否定しないが、この演奏でこの曲に出会う人は(私を含めて)幸せだと思う。

kuzu2001 さん | 東京都 | 不明

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甘美なだけがラフマニノフではない。無論、ロマンの...

投稿日:2014/08/14 (木)

甘美なだけがラフマニノフではない。無論、ロマンの極みとも言える旋律も魅力的だが、それだけでは単なるメロドラマに過ぎない。ややすると冗長になりがちな美しい旋律を束ねる、一貫した構造があるのだ。 この曲の醍醐味は、冒頭に示した動機が全曲中に姿を変えて現れることにある。勿論、第1楽章の主題もそうだし、第3楽章の甘美この上ない旋律も動機の派生によって成立している。そして動機は、各楽章の主題のみならず、対位法的にも処理され、至るところに、あたかも一貫した意識を示すように登場するのである。 この恐るべき伏線の敷き方は、ブルックナーにも比肩しうるものである。このことを強く印象づけて、初めて名演と呼べるのではないだろうか。 この意味において最も成功しているのは、エド・デ・ワールト&オランダ放送響だろう。録音の超優秀さも相俟って、面白いくらいに動機とその展開が手に取れる。ただ、難を挙げれば、弦のヴィブラートが粗く、今ひとつ艶やかさに欠けることだ。 その点、このプレヴィン&ロンドン響は素晴らしい。ロンドン響の特性は汎ヨーロッパ的であり、ロシア風味に欠けるところも無きにしもあらずだから、もし濃厚なロシア風味を堪能したいならばスヴェトラーノフ&ロシア国立響を薦める。だが、ロンドン響のアンサンブルの丁寧さや管と弦のバランスの良さは捨て難い。なぜなら、ロシア系のオケは往々にして、金管の咆哮によってモティーフが埋没してしまう、などということがあるからだ。 プレヴィンはロンドン響の美質を十分に活かし切る。イギリスのオケ特有のノーブルさを保ちながら、細やかな緩急をつけて、味わい深い演奏を引き出している。勿論、情に溺れることはなく、甘美な旋律を歌いつつもスタイリッシュにまとめあげるのはさすがだ。各楽器のバランス配分は完璧で、一つ一つの楽器が存在意義を持ちつつ、なおも全体が溶け合っている。プレヴィンの面目躍如といえよう。 さて、オケの質感に対する印象は、多分にリマスタリングの良さも作用している。初期リマスタリングはスカスカだし、決定盤1300は人工的なイコライジングでバランスを欠いていた。現時点で最新となる品番WPCS23020のリマスタリングは、2011年施行ということで、恐らくSACD用にアビーロードでなされたものだろう。リマスタリング・エンジニアにはAllan Ramsayの名がクレジットされている。さすが、SACD化に堪えうる音に仕上げられており好印象だ。今までより細部の情報が密になったおかげで、動機の展開による伏線がはっきりと意識出来るようになったのは大きい。オケがマスでなく、楽器一つ一つが聴き分けられる分離感が、40年前の録音から確かに感じ取れる。勿論、最新盤にはもっといい音が出るものもあるが、往々にして内容が伴っていない場合が多い。だから、この名盤の音質向上は有り難い限りだ。 購入の際には、リマスタリングがいつ誰によってなされたものか調べる必要がある。HMVのレビューでは、Art盤、決定盤1300、SACDなどといった、音質にかなり差のあるものが一緒くたに扱われてしまっているから、注意が必要だ。私はあくまで、品番WPCS23020を聴いたレビューであることをお断りしておく。 甘美な第3楽章に耳を奪われがちだが、良い演奏と録音で、全体の伏線を意識しながら聴くと、起承転結が鮮やかに分かる。そんな面白さに誘う永遠のスタンダードだ。

遊悠音詩人 さん | 埼玉県 | 不明

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