DVD 輸入盤

ソコロフ ライヴ・イン・パリ

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
DR2109
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
France
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明

漆黒の画面の中に浮かび上がるソコロフの正確無比な打鍵、濃厚な音楽性に衝撃!
監督はあのモンサンジョン!
2,000人の観客も大盛り上がりのシャンゼリゼ劇場ライヴDVD

グリゴリー・ソコロフは、録音が極端に少なく、また来日もここのところずっとないためか、日本ではその実体がヴェールに包まれており、一部に熱心なファンを持つにとどまっている。1966年、弱冠16歳にしてチャイコフスキー国際コンクールで優勝、68年に初来日し、各地でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を弾いているので、当時のことを覚えている方はいるかもしれない。それ以後も何回か日本を訪れており、演奏に接した人たちの間での評判は上々だった。現在は西欧を中心にマイペースの活動を行ない、その名声はすでに不動の高みに達している。にもかかわらず、日本で目立つかたちで紹介される機会はなく、情報が増えない。はっきりいえばマイナー扱いされている節すらある。しかし、現代最高峰のピアニストに対するこのような状況も今後は変わっていくに違いない。それほど素晴らしいコンサート映像が、このたびブリュノ・モンサンジョンから届けられたのである。
 2002年11月4日、シャンゼリゼ劇場。薄暗いステージに現れたソコロフは、かなり肉づきがよく、顔には深い皺が刻まれ、50代前半にしては少々老けてみえる。それがベートーヴェンのソナタを弾き出した途端、魔術のように空気を一変させ、息もつかせぬ緊迫感で私たちをとらえるのだ。
 タッチは鋭く冴えており、的確で、かつ精彩豊か。こんなに聴き応えのある第9番、第10番には滅多に出会えるものではない。第16番《田園》になると、ソコロフの指はもう完全に作品の核を射抜いている。第2楽章の美しさは唖然とするほどだ。かと思えばコミタスの作品では情緒たっぷり、感興溢れるフレージングで歌いあげる。
 本編最後はプロコフィエフの《戦争ソナタ》。そのピアニズムたるや凄絶の極み。最終楽章などまるで悪魔の音楽であり、聴いている方は音の散弾を浴びているうちに頭が真っ白になってしまう。そして畏怖と感動が体の深いところから湧き起こってくるのだ。
 さて、ステージ上ではニコリともしないソコロフだがサービス精神は旺盛らしい。何しろアンコールが5曲ある。選曲も魅力的だ。特に面白いのはクープランで、2大有名曲「ティク・トク・ショク」「修道女モニク」を取り上げている。いずれもさりげなく、その実、圧倒的な名演。現代ピアノ演奏の最高水準を示すものといえる。 (阿部十三)


収録曲
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第9番 ホ長調 op.14-1
 I: 6'44
 II: 4'26
 III: 3'52
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第10番 ト長調 op.14-2
 I: 6'54
 II: 5'06
 III: 3'30
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第15番 ニ長調 op. 28≪田園≫
 I: 12'50
 II: 7'54
 III: 2'35
 IV: 5'40
・コミタス:ピアノのための6つの舞曲
 1.エランギ:4'15
 2.ウナビ:2'32
 3.マラリ:2'06
 4.シューシキ:2'00
 5.エト−アラッハ:3'20
 6.ショロール:6'40
・プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番≪戦争ソナタ≫
 I: 9'17
 II: 8'18
 III: 3'54
―アンコール―
・ショパン:マズルカop.63-3: 3'23
・ショパン:マズルカop.68-4: 4'40
・クープラン:ティク−トク−ショク:3'21
・クープラン:修道女モニク:4'40
・バッハ/ジロティ編:前奏曲ロ短調:2'49

 グリゴリー・ソコロフ(ピアノ)

収録:2002年11月4日、シャンゼリゼ劇場にて(ライヴ)
収録時間:123分

 コミタスは本名をソゴモニアン(1869-1935)という『アルメニア音楽の父』。7世紀のアルメニアの優れた賛美歌作曲家の名前にちなむ称号をコミタスといい、彼はエチミアジン宗教大学を卒業するにあたってこの称号を与えられました。アルメニアの国民楽派を開き、農民の歌をたくさん採譜して編曲、後世に残しています。

総合評価

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バリバリ弾くってこの人の事だね。正直ベー...

投稿日:2011/07/13 (水)

バリバリ弾くってこの人の事だね。正直ベートーヴェンから吃驚だったけど、このDVDから察してもPPが相当美しい反面あそこまでffで弾かなくてもって箇所は随所にあるよ。それは初来日以来変わってないね。十八番のプロコは恐れ入りました。並みのピアニストがあんな風に弾いたら手が壊れます。アンコールのマズルカはプロコでピアノが狂っているので酷しいけ・・・それでも充分美しい。ティクトクショクもアプローチの支え方がお見事です。ジロティのこの曲は巨大な手の持ち主でロシア人のお家芸的趣があるのは確かだね。

嗚呼 さん | 神奈川県 | 不明

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先日内々で小さなサロンコンサートを開いた...

投稿日:2006/10/03 (火)

先日内々で小さなサロンコンサートを開いた。御招待した方は平均律に詳しい人だったので、無理にお願いしてみた。普通は断られるのだが「この空間の大きさと響きとこのピアノなら」と一曲だけ弾いてくれた。強固にフーガを構築され、これほどの人が無名でいるのかと驚愕した。彼は「本物ならば、大きなホールでバッハを弾く場合、ジロティ編の前奏曲を選択することが多い。ただし相当な技量の持ち主でなければ難しい。成功すれば、それは至高的な体験になるはずだ」と語られた。このDVDはその言葉にふさわしい。

firefox さん | 雷鳥 | 不明

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これは現代最高のピアニスト(の一人、と付...

投稿日:2006/09/14 (木)

これは現代最高のピアニスト(の一人、と付け加えても良いけれど)のコンサート映像である。表現の振幅は巨大で、テクニックは全て用途を考え抜かれた上で音楽のためだけに使われている。演奏への没入ぶりは怖いほどで、風貌は没落老貴族のようである。アンコールのショパンとクープランを、事も無げに全く違う音色で弾き分けている。巨体の発するエネルギーと、おそらく魂もすっかりピアノに注入されているようだ。コンサートはジロティ編曲のバッハのプレリュードで凍りつくように終わる。

kamescian さん | 神奈川県 | 不明

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