SACD

交響曲第10番(サマーレ&マッツーカ補筆完成版) ジークハルト&アーネム・フィル(ダイレクト・カットSACD)

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
OVXL00015
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
SACD
その他
:
限定盤, ハイブリッド

商品説明

―ダイレクト・カットSACD―
60枚限定盤 超・高音質!

世界初録音!
マーラー:交響曲第10番
サマーレ&マッツーカ補筆完成版
ジークハルト&アーネム・フィル

マーラーの10番といえば、クック版が多く取り上げられますが、今回、EXTONから登場するジークハルト&アーネム・フィルによる演奏では、ブルックナー第9番の補筆完成でも知られる研究者、ニコラ・サマーレとジュゼッペ・マッツーカによるヴァージョンが用いられています。
 2001年にイタリアのペルージャでジークハルト&ウィーン交響楽団によって初演されたこのヴァージョンは、ブルックナーでも実績を上げていた二人による仕事ということで、マーラー・ファンの注目を集めていました。
 クック版と較べると、第2楽章以降、明らかなオーケストレーションの違いが聴き取れます。音に厚みがあり、綿密に編曲が施された旋律が響きます。またトランペットの「アルマ(マーラーの妻)の絶叫」と呼ばれるA(ラ)音のソロや、あらゆるところで使われるマーラー独自の金管のメロディも聴きものとなっています。
 また、当アルバムに付されたブックレットには、マーラー研究でも名高い音楽評論家で指揮者・教育者の金子建志氏が解説を執筆。譜例や、マーラーの自筆譜を交えながらクック版とはどこがどう違うのか比較していく、氏ならではの明晰で論理的な話が非常に面白い内容となっています。
 そして、スペシャル・プロジェクトとして、当サマーレ&マッツーカ版に絶大な支持を寄せる、マーラーの孫娘にあたる女性が言葉を寄せています。

マーラー:交響曲第10番(サマーレ&マッツーカ補筆完成版)
 アーネム・フィルハーモニー管弦楽団
 マルティン・ジークハルト(指揮)

 録音時期:2007年12月18−21日(DSD録音)
 録音場所:アーネム、ムシス・サクルム、コンサート・ホール

 DSD Recording
 SACD Hybrid
 2ch HQ (CD STEREO/ SACD STEREO)

(通常CDとダイレクト・カットSACD その違い)
通常のCDプレスは、大量生産に耐えうるため3種類のスタンパーを経てプレスの工程に入ります。
 マスターテープ⇒マスタースタンパー⇒マザースタンパー⇒スタンパー
この為、マスターテープに較べると、僅かではありますが音の変化が生じてしまうのですが、エクストンでは、そういった環境の中でも最高のものを商品としてお送りしてきました。
 しかし、今回、さらにこのマスターテープの音とほぼ同一のものをお届けできないかと考えた結果、マスターテープから最初にスタンパー制作されたヴァージンスタンパーからおこしたディスク≪ダイレクト・カットSACD≫をごく少数ですが制作することになりました。
 マスターテープのもつ瑞々しく生々しい音が閉じ込められた≪ダイレクト・カットSACD≫。初回盤のものでも音の純度が最高級の最初の60枚のプレス限定商品となります。このヴァージンスタンパーからの貴重なディスク。贅沢な音の純度をお聞き下さい。(オクタヴィア・レコード)

マーラー交響曲第10番について

以前は第1楽章のアダージョのみの録音が多かったマーラーの交響曲第10番は、ここ数年全曲版の録音が相次いで登場し、多くの謎と未解決の問題を孕むこの未完の大作が広く一般に聴かれるようになってきました。特にサイモン・ラトルがベルリン・フィルを指揮した録音の登場は、この作品が他のマーラーの交響曲と同様に、レパートリーとしての不動の地位を確立したことを強く印象づける画期的な出来事と言えるものでした。
 最も代表的なデリック・クック[1919〜76]による補筆完成版の他に、カーペンター版やマゼッティ版、ホイーラー版など、マーラーが残したスケッチや資料に基づく独自の分析と研究、それに豊かな想像力を加えた様々なヴァージョンが数多く存在するのもこの作品の特徴であり、ファンにとってはますます興味の尽きない状況となっています。

 マーラーが交響曲第10番に本格的に着手したのは1910年夏のことで、その年のうちに作品の骨格にあたる全5楽章の略式総譜を書き上げ、第1楽章全体と第2楽章、および第3楽章の一部はスケッチの形でオーケストレーションも施されました。 この年の7月から9月にかけてのマーラーの身辺は波乱に満ちたもので、第10番の作曲に取り掛かった直後の7月に愛妻アルマの不倫が発覚し結婚生活最大の危機を迎え、マーラーは精神的に不安定な状態に陥り、そのため8月末には精神分析の創始者として有名なフロイトを訪ねて診察を受けています。
 また9月にはミュンヘンで交響曲第8番『千人の交響曲』(この作品はアルマに捧げられています)の初演を指揮し、作曲家マーラーとして空前絶後の大成功を収めますが、これが最後の自作の初演となりました。
 このような時期に作曲が進められた第10番は、それまでの作品以上にマーラーの個人的な生活の影響が色濃く反映されているように感じられ、特にアルマへの愛と苦悩が交錯した複雑な感情が大きな影を落としていると言えるでしょう。第10番のスケッチにはアルマに向けられたと思われるマーラーのメッセージが数多く残されている事実でも明らかです。
 1911年5月18日にマーラーはこの世を去り、第10番は未完成のまま残されました。その後多くの作曲家や研究者たちの手によって紆余曲折を経ながら、この作品の補筆完成の試みが続けられ現在に至っているわけですが、最初の録音はウィン・モリス指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団によって、デリック・クックの「最終改訂版」である第3稿の第1版を用いておこなわれています(この版は彼らによって1972年10月に初演が行われています)。
 クック版第3稿は1976年に第1版が出版され、同年クックも亡くなっているので「最終改訂版」と言われていますが、1989年には、クックと共同作業を進めていたゴルトシュミットとマシューズ兄弟がさらに改訂を加えた第3稿第2版が出版されています。ラトル&BPO盤はこの第3稿第2版によっています。ちなみに第2稿にはオーマンディのセッション録音とマルティノンのライヴ録音がありますが、第1稿は完全な全曲ヴァージョンではないというこもあってか録音がありません。海外のサイトなどでは、
 ■クック版第2稿=COOKET
 ■クック版第3稿第1版=COOKEU
 ■クック版第3稿第2版=COOKEV
という表記もあり、実際、この方がわかりやすいとも思えますが、ここでは通常の名称で記していくことにします。

ヴァージョン別録音リスト

【クック版第1稿】
 なし
【クック版第2稿(COOKET)】
  • オーマンディ&フィラデルフィア管
  • マルティノン
    【クック版第3稿第1版(COOKEU)】
  • モリス&ニュー・フィルハーモニア管
  • ザンデルリング&ベルリン響
  • レヴァイン&フィラデルフィア管
  • ラトル&ボーンマス響
  • シャイー&ベルリン放送響
  • インバル&フランクフルト放送響
  • ウィッグルスワース
  • ギーレン&南西ドイツ放送響
    【クック版第3稿第2版(COOKEV)】
  • ラトル&ベルリン・フィル
  • ノセダ&BBCフィル
  • ハーディング&ウィーン・フィル
    【バルシャイ版】
  • バルシャイ&ユンゲ・ドイチェ・フィル
    【カーペンター版】
  • ファーバーマン&フィルハーモニア・フンガリカ
  • リットン&ダラス響
    【マゼッティ版】
  • スラトキン&セント・ルイス響
  • ロペス=コボス&シンシナティ響
    【ホイーラー版】
  • オルソン&ポーランド放送響
    【サマーレ&マッツーカ版】
  • ジークハルト&アーネム・フィル

    年表

    【1910】
  • 作曲開始
    【1911】
  • マーラー死去。10番については、4段譜表による全曲の略式総譜、つまり作品の骨格がすでに完成されており、うち、第1楽章と第2楽章、および第3楽章の最初の30小節はオーケストレーションを施したスケッチもなされていました。
    【1924】
  • 後に娘のアンナの夫となる作曲家、エルンスト・クルシェネクにアルマが完成を依頼。ほどなく、第1楽章草稿をほぼそのまま演奏譜に直し、第3楽章スケッチにオーケストレーションを施した2楽章版が完成する。ただし、スケッチの読み違いなども多く、その後1951年に刊行されるまでには、シャルクやツェムリンスキーによってかなり修正されることとなります
  • 10月14日、シャルクの指揮により上記クルシェネク版、ウィーンで初演。次いで11月にはメンゲルベルクがオランダ初演、12月にクレンペラーがベルリン初演、同じく12月にはツェムリンスキーがプラハ初演。
  • ウィーンのパウル・ソルナイ(のちのアンナの夫)により、スケッチのファクシミリ版刊行(一部に欠損あり)
    【1935】
  • フリードリヒ・ブロックによるピアノ4手版完成
    【1942】
  • ジャック・ディーサーは作品完成に向け、レニングラードでショスタコーヴィチを招いて打診するものの断られます
    【1946】
     アルマはジャック・ディーサーをビヴァリー・ヒルズの自邸に招きシェーンベルクに打診するよう依頼するものの、シェーンベルクからは断られます
  • アメリカのクリントン・カーペンター、自らの補筆完成版にシカゴで着手
    【1951】
  • ニューヨークのアソシエイテッド・ミュージック・パブリッシャーからクルシェネク版刊行
    【1952】
  • ヘルマン・シェルヘンがアダージョを初録音(←バルシャイが若き日に影響を受けた録音)。
    【1953】
  • イギリスのジョー・ホイーラー、自身の完成版にロンドンで着手。
    【1954】
  • ドイツのハンス・ヴォルシュラーガー、補筆完成版に着手
    【1955】
  • ホイーラー版の完成。ホイーラー第1稿と呼ばれます
    【1957】
  • ホイーラー版の一部、ロンドンで試演
    【1959】
  • ホイーラー第3稿完成。
  • BBCがマーラー生誕100年際を企画。デリック・クック が補筆完成版に着手
    【1960】
  • 12月19日、BBC放送にて ベルトルト・ゴルトシュミット による クック全曲版 初演(第2楽章と第4楽章に一部欠落あり)。
  • アルマが放送を知り、演奏を禁止。
    【1963】
  • ハロルド・バーンズ、ジャック・ディーサー、ジェリー・ブラックがニューヨークのアルマを訪れ、BBC放送の演奏を聴かせ、演奏禁止措置を解除させることに成功。
  • アンナ・マーラー と アンリ=ルイ・ド・ラ・グランジュ によって40ページのスケッチが発見され、ジャック・ディーサーによってカーペンターとホイーラーらにページを送付。
    【1964】
  • 8月13日、上記発見ページによる補完を経た クック第2稿 が、ゴルトシュミット指揮によりプロムスで初演される。
  • ウニフェルザールの全集版に第1楽章のみ取り入れられます。
    【1965】
  • 改訂を経たホイーラー第3稿 が、アーサー・ブルーム指揮によってニューヨークで初演されます。
  • 11月、オーマンディがクック第2稿 により、フィラデルフィア管弦楽団を指揮してレコーディング。(SONY、廃盤)
    21:35+11:13+03:40+11:32+21:22=69:22
    【1966】
  • カーペンター版完成。
  • 5月、 ジャン・マルティノン が、 クック第2稿 を用い、シカゴ交響楽団を指揮して演奏。のちにCD化されますが現在は入手不可。
    20:55+10:00+03:57+10:41+20:29=66:02
    【1966】
  • 11月、ホイーラー第4稿(最終完成稿)が ジョネル・ペルレア指揮マンハッタン音楽学校管弦楽団によりニューヨークで初演。
    【1972】
  • 10月、ウィン・モリスが クック第3稿第1版 により、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団を指揮して初演とレコーディングを実施。(PHILIPS)
    21:52+12:15+04:23+13:20+27:52=79:42
    【1974】
  • ヴォルシュラーガー、完成版創作を中止。
    【1975】
  • 6月、ジャン・マルティノン が、クック版を用い、ハーグ・レジデンティ管弦楽団を指揮して演奏。
    21:00+10:21+03:55+09:57+20:22=65:35
    【1976】
  • ニューヨークのアソシエイテッド・ミュージック・パブリッシャーから クック第3稿 刊行。デリック・クックのほか、ベルトルト・ゴルトシュミット、コリン・マシューズ、デイヴィッド・マシューズの協力により完成しています。
    【1979】
  • 11月、クルト・ザンデルリングが、自身による第4・5楽章の大幅な改訂とゴルトシュミットの改訂を含んだ クック第3稿第1版 により、ベルリン交響楽団を指揮してレコーディング。(ETERNA)
    23:30+13:15+04:05+11:20+22:08=74:18
    【1980】
  • 1月、 ジェイムズ・レヴァインが、 クック第3稿第1版 により、フィラデルフィア管弦楽団を指揮してレコーディング。(RCA)
    24:38+11:50+04:12+12:37+28:30=81:47
  • 6月、サイモン・ラトルが、ゴルトシュミット承認のもとにおこなった自身の改訂を含む クック第3稿第1版 により、ボーンマス交響楽団を指揮してレコーディング。(EMI)
    23:53+11:26+04:03+11:54+24:07=75:23
    【1983】
  • カーペンター版 の初演がゴードン・ピータース指揮シカゴ市民管弦楽団により行われる。
    【1983】
  • レモ・マゼッティ・ジュニア が自身のヴァージョン制作に着手。
    【1986】
  • マゼッティ版 の3つの楽章が ガエタノ・デローグ によってオランダで初演。
  • 10月、リッカルド・シャイーが、 クック第3稿第1版 により、ベルリン放送交響楽団を指揮してレコーディング。(DECCA)
    20:48+11:49+04:22+11:26+25:04=73:29
    【1989】
  • クック第3稿第2版 、マシューズ兄弟、ゴルトシュミットによる編集を経て刊行(クック自身は第3稿第1版刊行直後に死去)。
    【1989】
  • マゼッティ版完成。 デローグにより初演。
    【1992】
  • 1月、エリアフ・インバルが、 クック第3稿第1版 により、フランクフルト放送交響楽団を指揮してレコーディング。(DENON)
    22:50+11:04+03:58+11:04+21:53=70:49
    【1993】
  • 11月、 マーク・ウィッグルズワース が、 クック第3稿第2版 により、ウェールズBBCナショナル管弦楽団を指揮して演奏。雑誌BBC MUSICの付録としてCD化。
    22:24+11:27+04:08+11:26+23:56=73:21
    【1994】
  • レナード・スラトキンが、マゼッティ版により、セントルイス交響楽団を指揮してレコーディング。(RCA)
    24:28+11:38+03:48+11:06+24:02=75:02
    【1995】
  • ハロルド・ファーバーマン が、 カーペンター版 により、フィルハーモニア・フンガリカを指揮してレコーディング。(GOLDEN STRING,廃盤)
    【1996】
  • 指揮者のロバート・オルソンが、レモ・マゼッティとオランダの研究者、フランス・ボウマンの協力を得てホイーラー第4稿の改訂に着手。
    【1997】
  • オルソン、マゼッティ、ボウマンの3人により完成したホイーラー第4稿の改訂版が、ロバート・オルソン指揮コロラド・マーラー・フェスティヴァル管弦楽団により初演。音楽祭事務局によりCD化。
    【1999】
  • 9月、サー・サイモン・ラトルが、クック第3稿第2版 により、ベルリン・フィルを指揮して演奏、CD化。(EMI)
    25:03+11:16+03:53+12:04+24:34=76:50
    【2000】
  • 2月、すでに自らのヴァージョンを完成していたマゼッティが、1997年のコロラド・マーラー・フェスティヴァルにおけるホイーラー第4稿改訂作業に参加した際に、自らのヴァージョンの改訂を思い立ち、完成した第2稿をロペス=コボス&シンシナティ響が初演。レコーディングもTELARCによって、ただちに実施され、同年11月には早々とリリース
  • 10月、シュタットルマイヤー&クレメラータ・バルティカによる弦楽合奏用編曲で、クレーメルとクレメラータ・バルティカが第1楽章アダージョをレコーディング
    【2001】
  • 5月、DELOSレーベルでマーラー全集進行中のアンドルー・リットン&ダラス交響楽団により、カーペンター版を使用したコンサートが催されライヴ収録
  • 9月、ベルリンでバルシャイが自身のヴァージョンによりレコーディング。
  • 9月、イタリアのペルージャでサマーレ&マッツーカ版が、ジークハルト指揮ウィーン響により初演。
    【2002】
  • 6月、コロラド・マーラー・フェスティヴァルでホイーラー第4稿改訂版を演奏した、ロバート・オルソンが、ポーランド国立放送響を指揮して同ヴァージョンをレコーディング。商業録音としては初のホイーラー版の登場。
    26:15+12:03+04:30+12:15+23:53=78:56
    【2004】
  • 12月、ダニエル・ハーディングがロサンジェルス・フィルを指揮して、クック全曲版でマーラーの10番をとりあげます。
  • 12月、ダニエル・ハーディングがウィーン・フィル・デビューに際し、クック全曲版でマーラーの10番をとりあげます。
    【2005】
  • 3月、クック全曲版に批判的だったミヒャエル・ギーレンが、考えを変え、同ヴァージョンによりマーラーの10番を録音します。
    【2007】
  • 8月、ジャナンドレア・ノセダがBBCフィルと、クック全曲版でマーラーの10番をCHANDOSにレコーディング。
  • 10月、ダニエル・ハーディングがウィーン・フィルを指揮して、クック全曲版でマーラーの10番をDGにレコーディング。
  • 12月、サマーレ&マッツーカ補筆完成版をジークハルトが初レコーディング。

  • 収録曲   

    ディスク   1

    • 01. Mahler: Symphony No.10 Performing Version By Samale and Mazzuca [80:18] 1: Adagio (26:35)

    ディスク   2

    • 01. 2: Scherzo (12:39)
    • 02. 3: Purgatorio (04:10)
    • 03. 4: [Scherzo] (13:13)
    • 04. 5: Finale (23:41)

    総合評価

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    4.0

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    個人的にはサマーレ、マッツーカ版が10番の...

    投稿日:2011/06/03 (金)

    個人的にはサマーレ、マッツーカ版が10番の最高傑作だと思う。 録音もすばらしい。

    ロマン派 さん | 新潟県 | 不明

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    正直なところ、聴いて呆れてしまいました。...

    投稿日:2011/03/15 (火)

    正直なところ、聴いて呆れてしまいました。多くの交響曲で慣れ親しんだマーラーの響きがここには聴かれませんね。サマーレ&マッツーカのコンセプトは、ブルックナーの交響曲に対してシャルクが行った改訂と同じであるように思えます。抑揚や強調で変化をつける、「鳴り」をよくして効果を増す、といった、「飽きさせずに盛り上げて引きつける」という狙いが見え見えです。おかげで全体はひどく安っぽい、映画音楽的な出来となりました。二人の仕事は「マーラーの交響曲第10番の素材に基づく幻想曲」とでも位置づけるべきで、「マーラーの交響曲第10番の補筆完成版」などでは決してない!というのが私の偽らざる感想です。クック版は「音が薄い」と言われますが、これは逆に「音が過剰」です。「過ぎたるは及ばざるがごとし」で両者は同じでしょうか?やはり全然違うというべきでしょう。変な喩えですが、クック版は「具が少ないカレー」であるなら、この版は「カツとハンバーグを乗っけてさらにナポリタンも添え、塩分と辛み過剰のルーをぶっかけたメガ盛りカレー」という感じかな(やや比喩大げさ)。クック版は、素材をしっかり吟味して愛情込めて奏でると、美しさに満ちたとても感動的な作品となります。「具の不足」を、「いまあるもの」への徹底したこだわりで補えるのですね。ところがこの版の「過剰」はどうにもならない。正直、「志の低さ」としか私には受け取れないのであります。試みとしては結構ですけど、それ以上のものではない、という結論です。演奏については何も言えません。このコンビ、第6交響曲では感心しませんでしたが、今回も多分そのレベルかな。なお、BOXもので聴いたので、解説は読んでおりません。妄言多謝。

    ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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    クック版に比べて確かにポリフォニックな音...

    投稿日:2009/02/26 (木)

    クック版に比べて確かにポリフォニックな音の厚みを感じる。ただ、第一楽章クライマックスのティンパニ+大太鼓の付加は、かえって不協和音の鋭さを薄めてしまった感がある。一方、第5楽章冒頭の、クック版でのテューバのソロには違和感を感じていたので、この版の方がよいと思えた。大太鼓は「完全に消音した」とはいえ、もう少し重低音が欲しいかな。いずれにしても、オケの響きはたいへん美しく、SACDの録音も非常に良い。

    m326 さん | 新潟県 | 不明

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    人物・団体紹介

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    マーラー(1860-1911)

    1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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