Seno: セノ

コラ・ミュージックの最先端！　より完成度の高いサード・アルバム

現在の西アフリカ音楽シーンにおいて、伝統性と先進性の両面を同時に感じさせてくれる若手グループの筆頭が、このバ・シソコ。２年ぶりとなるサード・アルバム。
バ・シソコというのはグループ名でもあり、バンドの中心人物の名前でもあります。（人名の方の）バ・シソコはギネア出身のコラ奏者／歌手で、彼自身は伝統的なコラの弾き手ですが、バンドのもう一人のコラ奏者セク・クヤーテはなんとエレクトリック・コラの使い手。しかもロック・ギタリストのごとくディストーションやワウといったエフェクターを通し、かなり攻撃的なサウンドも聞かせます。そこに西アフリカの伝統打楽器と歌が加わって、伝統性と先進性を織り交ぜたユニークなアンサンブルを披露してくれるのが（バンド名の方の）バ・シソコの音楽の特徴です。

これまで以上に幅広い音楽性を獲得し、加えて従来の音楽性もより深めた本作。冒頭ではなんとサルサ風のラテン・リズムを導入するなど、新生面を披露してくれます。またディストーション・コラをフィーチャーした楽曲ではさらに完成度が高まり、彼らのオリジナリティとしてすっかり定着。もちろんアフロ・ポップの美意識をしっかりと保ちつつ、新しい要素を加えるという彼らの基本姿勢に揺るぎはありません。
楽曲ひとつひとつの完成度もあがり、バ・シソコというブランドは新しい形のマンディング・ポップとして確立。本作はまさにその幕開けに相応しい高密度な内容。