Jazz Journey

まさに逸品。親しげに語りかけてくるトランペットの甘い声に頬が緩み、笑みがこぼれる…。長らく幻だったこのスウィンギーな快感、CDで再登場！
モノクロのジャケットからは、その内容が確かな物として心に投影されるのだ。誰もが満面の笑みを浮かべ、騎手、そして馬までもがいい顔をしている。その風景とのアングルが素晴らしい程の逸品である。ショットはデンマークが誇るEbbe wraaeだ。今となっては、『馬車』として知られているが、澤野が2002年に復刻するまで、おいそれと聴く事が叶わない代物、知る人ぞ知るマニアがこぞって探し求めた垂涎盤なのだ。今回はなんとCDとして蘇る。また更にファン層を拡大することになろうこの名盤は、ジャズ入門盤としても推薦できるので初心者から奥方まで購入して損はさせない。デンマークの小さなレーベルとしてスタートしたこのHITレーベルはHR701からHR718のカタログを有するが、LPはこの作品だけであり、当時の主流はEPであったことを物語る。当時を代表するメンバーがこの作品を創り上げたことは、北欧の地、デンマークで、モダンジャズが確立したことを証する歴史的一枚として数えられる。胸いっぱいにこみ上げる熱くも切ないぬくもりがあなたを魅了する。Tr.１−Tr.4は神童ボッチンスキーがフロントを飾り上げそのテクニックを披露する、甘く香るその音色は研ぎ澄まされた感性と心の奥底に眠るまだ見ぬ可能性との格闘だ。ミュートプレイに癒される快感は一生忘れることはできないものとなる。Tr.5からは、ロストヴォルドに焦点を！まさにブラシの人。Tr.6の『枯葉』におけるブラシは彼を語る上で欠かすことは出来ないナンバーだ。Tr.7,8まで一瞬たりとも息をぬけない。畳み込むように迫り来るジャズスタンダード、そのデンマーク産ジャズの境地をとくと体験あれ！（澤野工房）

Tr.1-4 Bjarne Rostvold Quartet
Tr.5-8 Bjarne Rostvold Trio

Rec: June 5, 1961.



Bjarne Rostvold (Drums)
Allan Botchinsky (Trumpet)
Bent Axen (Piano)
Erik Moseholm (Bass)