CD 輸入盤

交響曲全集(第1番〜第9番、第10番より『アダージョ』) アブラヴァネル&ユタ交響楽団(10CD)

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
MC182
組み枚数
:
10
レーベル
:
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

マーラー交響曲全集(10CD)
アブラヴァネル&ユタ交響楽団


モーリス・アブラヴァネル[1903-1993]は、1920年代からドイツで活躍を始めましたが、ユダヤ系だったために社会不安を避けてフランスに移住、その地でブルーノ・ワルターに気に入られ客演指揮者として遇されたりしますが、やがてフランスでも反ユダヤ主義が勃興、アブラヴァネルは指揮者として招かれたオーストラリアに渡航、同地でいくつかのオペラを指揮して評判となります。それからほどなくしてメトロポリタン歌劇場から招待を受けると、アブラヴァネルは、アメリカに渡り、数々の作品を指揮して実力を発揮、名前も知られるようになりますが、一方で彼は、これらの経験から自分の音楽にはもっと自由になるオーケストラが必要だと痛感することとなります。
 第二次大戦終了後間もない1946年、アブラヴァネルは、ユタ州ソルトレイクシティにあるユタ交響楽団が指揮者を募集しているのを知るとこれに応募、以後、健康上の理由で引退する1979年まで、30年以上に渡って同楽団と密接な関係を築くこととなります。
 マーラーの交響曲全集は、チャイコフスキー、ブラームス、シベリウスの交響曲全集と並ぶ彼らの代表作で、当時のアメリカのオーケストラならではの屈託のない響きによって、心地よい音楽が組み立てられているのが印象的。
 アブラヴァネルは現代音楽からオペラまで幅広いレパートリーを持つ指揮者でしたが、どんな作品でも一貫しているのは、楽員と共に楽しみながら音楽をつくりあげるという前向きな姿勢でしょうか。ヴァンガード音源のライセンス発売です。(HMV)

【収録情報】
マーラー:
CD1:
・交響曲第1番『巨人』(録音時期:1974年)

CD2:
・交響曲第2番『復活』(録音時期:1967年)
 ビヴァリー・シルズ(ソプラノ)
 フローレンス・コプレフ(アルト)
 ユタ市民大学合唱団

CD3, CD4:
・交響曲第3番(録音時期:1969年)
 クリスティーナ・クロースコス(アルト)
 ユタ市民大学女声合唱団、グラニト校区少年合唱団

CD4:
・交響曲第4番(録音時期:1968年)
 ネタニア・ダヴラツ(ソプラノ)

CD5:
・交響曲第5番(録音時期:1974年)

  CD6:
・交響曲第6番『悲劇的』(録音時期:1974年)

CD7:
・交響曲第7番『夜の歌』(録音時期:1964年)

CD8:
・交響曲第8番『千人の交響曲』(録音時期:1963年)
 ジャニーヌ・クレイダー、バランセ・クリステンセン、リン・オウエン(ソプラノ)
 ナンシー・ウィリアムズ、マーレナ・クレインマン(アルト)
 スタンレー・コルク(テノール)
 デイヴィッド・クラットワージー(バリトン)
 マルコム・スミス(バス)
 ユタ市民大学合唱団

CD9, CD10:
・交響曲第9番(録音時期:1969年)
・交響曲第10番〜アダージョ(録音時期:1974年)

 ユタ交響楽団
 モーリス・アブラヴァネル(指揮)

 録音方式:ステレオ

総合評価

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 持っている同一のCDの具合がおかしくな...

投稿日:2018/11/17 (土)

 持っている同一のCDの具合がおかしくなったので買い直しを機にレビューします。(昔のバラ売りのCDやLPを処分するんじゃなかった…。)  マーラーが亡くなって50年たったところで、著作権が消滅。そこで、CBS、ドイツグラモフォン、デッカ、フィリップスといった大手が競って、マーラーの交響曲全集を制作し始めます。それぞれバーンスタイン、クーベリック、ショルティ、ハイティンクを起用したわけです。(EMIとRCAが参戦してくれていたら、バルビローリかホーレンシュタイン、ラインスドルフの全集が残ったのに…)その中で、弱小レーベルだったヴァンガードが果敢に挑戦したのが本全集。オケは正直言って非力です。特に合奏部分になると、明らかなミスや音程が怪しい奏者もチラホラいます。でも、ついさっき音程が怪しかった奏者がソロを奏すると、なんか凄い節回しで演奏したりします…。曲によっては弦楽や木管が妙にジプシーっぽい(?)ヨーロッパの場末感いっぱいの奏で方になったりもします。アメリカの田舎(当時)のオケなのに…。これは、明らかに指揮者が指定して、練習した結果だと思うんだけど…。それになにより、バーンスタインが始めて、テンシュテットが確立した「苦悩して、もんどり打ってのた打ち回る作曲家の姿」がありません。ここにあるのは「生きる喜びを爆発させる作曲家の姿」です。5番の終楽章など、他の演奏家のものとまるで違う。プレートルとか、シェルヘン以上です。まさに生きる喜びの爆発です。だから、従来のイメージを持つ人から見たら、「ヘン」以外の何物でもないでしょうね。だから、曲そのものの意味も大きく変わってきます。  でも、7番はこのアプローチでないと筋が通らないんですよ。1楽章→日没、太陽の葬送に始まって、終楽章→日の出、太陽の復活。間の楽章は夜のさまざまな性格、心象風景ですから。7番が判らない…とか、難解だと思ってる人にはうってつけの演奏じゃないかな…。こういう全集は、たいていの場合、曲の収録順は、7番と8番が最後になることが多いんですが(20年以上マーラー、マーラー言ってるI・フィッシャーでさえそう。)、アブラヴァネルは面白いことに、演奏環境という物理的難所の8番から収録を始め、解釈上の難所の7番を2曲目に持って来ています。この演奏スタイルは、だから確信犯ですね。4番などもこのスタイルがいい方向に働いてる…というより多分一番ふさわしいかたちのような気がします。  あと2番や8番の合唱が圧倒的ですね。2番なんかは、長く苦しい闘病生活を終えた指揮者の復活公演(アバド、テンシュテット、小沢あたり)とか、経営難でつぶれたけど再興された楽団の演奏なんかが感動的だったりしますけど、この演奏では、本当に「魂の復活」とか「神による救済」を信じてる人たちが合唱してるってのがアリアリと聴こえてきますから。現代的な演奏だと、まず合唱者は、そんなこと信じてませんけどね。この人たちは本気です。  いずれにせよ、私にとっては、どうしても必要な演奏です。深刻なバーンスタイン、中欧の歌謡性を大切にしたクーベリック、現代楽団の機能を十全に発揮するショルティ(ごめんなさい。ハイティンクのものは真面目に聴いてないので何とも言えません。)。いずれの指揮者にも影響を受けたりした後継者はいるようですけど、アブラヴァネルのようなマーラー指揮者には後継者はいないようです。強いて言えばMTTですけど、ここまで爆発的に前向きで明るいマーラーではないように思います。

ぴたすみん さん | 大阪府 | 不明

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 素晴らしい演奏である。マーラーの交響曲...

投稿日:2013/11/23 (土)

 素晴らしい演奏である。マーラーの交響曲を聴く楽しみが存分に味わえる。割引価格の点数合わせに購入したのだが、こんな魅力的な演奏が聴けるとは期待していなかった。  何が素晴らしいのか?。どの楽器の、どんなに小さなフレーズもおろそかにされず、考え抜かれた充実したフレージングで奏されている。しかも、テンポが良い。その結果、生き生きとした、精彩に満ち音楽が展開される。  先週購入して、まず、大好きな7番の第2、第4楽章を聴いて驚いた。特に第4楽章が素晴らしい。その後、3番、4番、6番を全曲聴いた。9番の第2楽章も素晴らしい。’60〜70年代にこんな演奏が行われていたなんて。  録音も悪くない。管楽器のニュアンスもリアルだし定位も良い。  正直、しばらく他の演奏(バーンスタイン、テンシュテット、小澤、レヴァイン、ベルティーニ、シノーポリ、マゼール、ショルティ、アバド、シャイイー、ハイティンク、エド・デ・ワールト、クーベリック、ジンマン、ゲルギエフ、マイケル・ティルソン・トーマス)に手が伸びそうにない。

moog さん | 福岡県 | 不明

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アブラヴァネルとユタ響によるマーラー第7...

投稿日:2012/10/31 (水)

アブラヴァネルとユタ響によるマーラー第7番はその昔NHKFMで私が記憶しているだけで2回放送されている。一回目は正直言ってなにがなにやらよく分からない曲という印象だったが、この不思議な楽曲はアブラヴァネルという指揮者とともに記憶に残った。その後バーンスタインの一回目録音のLPを買って親しんだが、アブラヴァネル盤は外盤ということもあり、ついに入手することはなかった。それがここでの意外なる再会となった。正直言ってオケは超一流とは言えない(とくにテクスチュアの薄い部分でそう感じる)。しかしこの当時これだけまとまった出来映えを示した点、指揮者のみならず、オケの健闘も讃えられてよい。アブラヴァネルは高い技術を持った職人タイプとも思われるが、マーラー作品に対する思い入れや使命感もかなりのものだったろう。ただしバーンスタインに端的な、指揮者の苦悩や闘争が、作曲者のそれと共振するところから生じる濃厚で切迫した迫力はないが、多様なマーラー表現や歴史性をになったCDを求める向きには意義あるセットだと思う。とくにおすすめは第3と第9というところか。

鉄血桃太郎 さん | 山梨県 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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