ギュンター・ヴァント/ザ・グレート・レコーディングス
CD28枚組+DVD1枚のボックスセット
生誕100年&没後10年記念特別企画!
ドイツの巨匠、ギュンター・ヴァントのセッション録音を中心に集めた大型サイズのボックスセット。ヴァントの芸風は、細部に至るまで精緻な仕上げが施された独特の目の詰んだ様式に特徴がありますが、セッション録音では、恵まれたマイクロフォンの設置条件などもあって、そうしたディテール情報を克明に味わうことができるのがポイントとなっています。
当セットには、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルト、ブルックナーの交響曲全集が収録されており、それらはすべてセッション録音のため、ピツィカートの存在感や、対旋律の鮮やかさも見事な水準に達しています。
【仕様】
LPサイズの大型ボックス。大判の32ページ解説書付き。解説書には、世界初公開となるヴァント手書きの編集指示メモ(抜粋)が掲載されています。初回生産限定盤。
【Disc1〜5:ベートーヴェン交響曲全集】
北ドイツ放送交響楽団との1986年から90年にかけてのデジタル録音。切れ味鋭く力強い音調を獲得したモダン楽器大編成ならではのベートーヴェン演奏で、いかにもヴァントらしい揺ぎ無い構築感も聴きものです。
【Disc6〜7:ブラームス交響曲全集】
北ドイツ放送交響楽団との1982年から85年にかけてのデジタル録音。全4曲、実がぎっしり詰まったような隙の無い演奏で、ブラームスの充実した内声部の動きが手に取るようにわかるテクスチュア構築が申し分ありませんが、一方で、ときおり見せる演出も効果的です。
【Disc8〜16:ブルックナー交響曲全集】
ケルン放送交響楽団との1974年から81年にかけてのステレオ録音。1974年7月、ヴァントはWDRから依頼され、放送番組用にブルックナーの交響曲第5番をセッション録音します。5番と9番をブルックナーの最高傑作と考えていたヴァントの解釈はすでに完成されており、実際、オーケストラと綿密なリハーサルを重ねて臨んだ録音は素晴らしい出来栄えとなりました。
それから2年を経た1976年8月、同じくWDRの放送番組用に第6番をセッション収録し、12月には第4番も収録。そして翌1977年、第5番録音から3年のときを経てドイツ・ハルモニア・ムンディからレコードが発売されることとなります。
このレコードはドイツでは絶賛をもって迎えられ、ほどなく前年収録の第6番もレコード化、翌1978年には第4番も発売され、翌1979年5月と6月には第8番と第9番を収録、年内にレコード化されると、翌1980年1月には第7番を収録、これも年内にレコード化され、翌1981年1月には第3番を収録、そして年末に第1番と第2番の収録をおこない、翌1982年に、第1番、第2番、第3番の3曲をレコード化して、ようやく全集が完結することとなります。
演奏はどれも精力的で、セッション録音ということもあって細部まで充実しており、後年の演奏に較べると金管楽器の扱いが先鋭なのも特徴。
また、全集のために録音した第1番と第2番については、後年とりあげなかったこともあって、この録音の存在はきわめて貴重。しかも第1番については、ブルックナーが晩年に改訂したウィーン稿を使用しているのが注目されるところです。
【Disc17〜21:シューベルト交響曲全集】
ケルン放送交響楽団との1978年から84年にかけてのステレオ録音。ヴァントのシューベルトは、モダン楽器オケの重みのあるリズムと響きを基本に、端正で構築的な世界を描き出したもので、ブルックナーやベートーヴェン、ブラームスの演奏にも一脈通じる剛毅な美質が備わっています。
【Disc22〜23:モーツァルト】
北ドイツ放送交響楽団との1989年から94年にかけてのデジタル録音。交響曲第39番、第40番、第41番『ジュピター』がライヴ録音で、『ハフナー・セレナード』と「6つのドイツ舞曲」はセッション録音。実演の流れの良さが印象的な交響曲と、細部までリアルなセレナード、どちらも魅力的な仕上がりです。
【Disc24:シューマン】
北ドイツ放送交響楽団との1990年から91年にかけてのデジタル録音。ムジークハレの実演での音響を骨太に再現したごつい響きがシューマンのもやもやを感じさせず、緊張感ある表現で一気に聴かせてくれます。
【Disc25〜26:チャイコフスキー】
北ドイツ放送交響楽団との1991年と94年のデジタル録音。ヴァントの得意レパートリーでもあったチャイコフスキーは、力強いフォルムが魅力的なシンフォニックな演奏。ストラヴィンスキーの『プルチネルラ』では切れの良さも聴かせます。
【Disc27:ムソルグスキー】
北ドイツ放送交響楽団との1999年と82年のデジタル録音。ムソルグスキーの『展覧会の絵』、ドビュッシーの『聖セバスティアンの殉教』を収録。
【Disc28:近代作品集】
北ドイツ放送交響楽団との1984年から85年にかけてのデジタル録音。ストラヴィンスキーの『ダンバートン・オークス』、フォルトナー『血の婚礼』間奏曲、ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品、マルタン:小協奏交響曲というヴァントが好んでいた近代作品からのプログラム。
【Disc29(DVD)】
ドイツZDF放送が制作した約25分のドキュメンタリー「ギュンター・ヴァント〜音楽に捧げた人生」、と約80分のロング・インタビュー「音楽に身を捧げて〜ギュンター・ヴァント・ラスト・インタビュー」を収録。ドキュメンタリーには演奏シーンも多く含まれています。字幕は英語とフランス語となります。(HMV)
【収録情報】
Disc1
・ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21
北ドイツ放送交響楽団
録音:1986年11月、セッション
・ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68『田園』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1986年4〜5月、セッション
Disc2
・ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調Op.36
北ドイツ放送交響楽団
録音:1988年10月、セッション
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
北ドイツ放送交響楽団
録音:1987年10〜11月、セッション
Disc3
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調Op.55『英雄』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1985年10〜11月、セッション
・ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調Op.93
北ドイツ放送交響楽団
録音:1987年2〜3月、セッション
Disc4
・ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調Op.60
北ドイツ放送交響楽団
録音:1988年10月、セッション
・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調Op.67『運命』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1987年2〜3月、セッション
Disc5
・ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱』
エディト・ヴィーンズ(Sp
ヒルデガルト・ハルトヴィヒ(A
キース・ルイス(T
ローラント・ヘルマン(Bs
ハンブルク国立歌劇場合唱団
北ドイツ放送合唱団
北ドイツ放送交響楽団
録音:1985年2,5,6月、セッション
Disc6
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
北ドイツ放送交響楽団
録音:1982年10&12月、セッション
・ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
北ドイツ放送交響楽団
録音:1983年9月、セッション
Disc7
・ブラームス:交響曲第2番ニ長調Op.73
北ドイツ放送交響楽団
録音:1983年3月、セッション
・ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98
北ドイツ放送交響楽団
録音:1985年、セッション
Disc8
・ブルックナー:交響曲第1番ハ短調[1890-91年第2稿(ウィーン稿)]
ケルン放送交響楽団
録音:1981年12月、セッション
Disc9
・ブルックナー:交響曲第2番ハ短調[1877年稿(ハース版)]
ケルン放送交響楽団
録音:1981年12月、セッション
Disc10
・ブルックナー:交響曲第3番ニ短調[1889年第3稿]
ケルン放送交響楽団
録音:1981年1月、セッション
Disc11
・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』[第2稿(ハース版)]
ケルン放送交響楽団
録音:1976年12月、セッション
Disc12
・ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調[原典版]
ケルン放送交響楽団
録音:1974年7月、セッション
Disc13
・ブルックナー:交響曲第6番イ長調[原典版]
ケルン放送交響楽団
録音:1976年8月、セッション
Disc14
・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調[ハース版]
ケルン放送交響楽団
録音:1980年1月、セッション
Disc15〜16
・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調[原典版]
ケルン放送交響楽団
録音:1979年6月、セッション
・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調[1890年第2稿(ハース版)]
ケルン放送交響楽団
録音:1979年5〜6月、セッション
Disc17
・シューベルト:交響曲第1番ニ長調D.82
ケルン放送交響楽団
録音:1978年12月、セッション
・シューベルト:交響曲第2番変ロ長調D.125
ケルン放送交響楽団
録音:1979年9月、セッション
Disc18
・シューベルト:交響曲第3番ニ長調D.200
ケルン放送交響楽団
録音:1983年1月、セッション
・シューベルト:交響曲第6番ハ長調D.589
ケルン放送交響楽団
録音:1983年1月、セッション
Disc19
・シューベルト:交響曲第4番ハ短調D.417『悲劇的』
ケルン放送交響楽団
録音:1980年6月、セッション
・シューベルト:交響曲第8番ロ短調D.759『未完成』
ケルン放送交響楽団
録音:1981年1月、セッション
Disc20
・シューベルト:交響曲第5番変ロ長調D.485
ケルン放送交響楽団
録音:1984年2月、セッション
・シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』D.797 〜 間奏曲第3番
・シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』D.797 〜 バレエ音楽第1番
・シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』D.797 〜 バレエ音楽第2番
北ドイツ放送交響楽団
録音:1984年2月、セッション
Disc21
・シューベルト:交響曲第9番ハ長調D.944『ザ・グレイト』
ケルン放送交響楽団
録音:1977年3月、セッション
Disc22
・モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調K.543
北ドイツ放送交響楽団
録音:1990年5月、ライヴ
・モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
北ドイツ放送交響楽団
録音:1994年3月、ライヴ
・モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551『ジュピター』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1990年5月、ライヴ
Disc23
・モーツァルト:6つのドイツ舞曲 K.600
北ドイツ放送交響楽団
録音:1989年4月、セッション
・モーツァルト:セレナード第7番ニ長調K.250(248b『ハフナー』
ローラント・グロイター(Vn
北ドイツ放送交響楽団
録音:1989年4月、セッション
Disc24
・シューマン:交響曲第3番変ホ長調Op.97『ライン』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1991年9月、ライヴ
・シューマン:交響曲第4番ニ短調Op.120
北ドイツ放送交響楽団
録音:1990年9〜10月、ライヴ
Disc25
・チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64
北ドイツ放送交響楽団
録音:1994年3月、ライヴ
Disc26
・ストラヴィンスキー:組曲『プルチネルラ』(1949年版
北ドイツ放送交響楽団
録音:1991年12月、ライヴ
・チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74『悲愴』
録音:1991年12月、ライヴ
Disc27
・ドビュッシー:交響的断章『聖セバスティアンの殉教』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1982年9月、ライヴ
・ムソルグスキー(ラヴェル編:組曲『展覧会の絵』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1999年2月、ライヴ
Disc28
・ストラヴィンスキー:協奏曲変ホ長調『ダンバートン・オークス』
北ドイツ放送交響楽団
録音:1984年4月、ライヴ
・フォルトナー:歌劇『血の婚礼』〜管弦楽のための間奏曲
北ドイツ放送交響楽団
録音:1985年1月、ライヴ
・ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品Op.10
北ドイツ放送交響楽団
録音:1984年4月、ライヴ
・マルタン:小協奏交響曲
北ドイツ放送交響楽団
録音:1984年11月、ライヴ
ギュンター・ヴァント(指揮)
Disc29(DVD)
「わが生涯、わが音楽」
ギュンター・ヴァント・ドキュメンタリー&ラスト・インタビュー
第1部
「ギュンター・ヴァント〜音楽に捧げた人生」
(ドイツZDF放送制作のドキュメンタリー、約25分)
[出演]
ギュンター・ヴァント
ヴォルフガング・ザイフェルト(音楽評論家、ヴァント評伝執筆者)
ライマー・ノイナー(ケルン・ギュルツェニヒ管メンバー)
ハンス・ルートヴィヒ・ハウク(ケルン・ギュルツェニヒ管メンバー)
ケント・ナガノ、他
[ドキュメンタリー中に挿入されるヴァントの演奏映像(全て抜粋)]
・シューベルト:交響曲第9番『ザ・グレイト』〜第1楽章
北ドイツ放送交響楽団[1985年、ベルリン、フィルハーモニー]
・B.A.ツィンマーマン:1楽章の交響曲
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団[1956年]
・ブルックナー:交響曲第6番〜第2楽章・第3楽章[リハーサル]
北ドイツ放送交響楽団[1996年、ハンブルク、ムジークハレ]
・ストラヴィンスキー:『火の鳥』〜カシチェイのグロテスクな踊り
北ドイツ放送交響楽団[1984年、キール]
・ブラームス:交響曲第1番〜第2楽章
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団[1959年、ケルン]
・ブラームス:交響曲第2番〜第1楽章
北ドイツ放送交響楽団[1984年、キール]
第2部:
「音楽に身を捧げて〜ギュンター・ヴァント・ラスト・インタビュー」
[2001年11月30日、スイス、ウルミッツのヴァント自宅にて収録]
インタビュアー:ヴォルフガング・ザイフェルト(約80分)
収録時間:約105分
画面:4:3、COLOR(モノクロ映像含む)、NTSC
音声:ドルビー・デジタル・ステレオ(AC3)
字幕:英語、仏語
リージョン・コード:ALL
片面2層ディスク