For The Love Of My Woman

70年代はサザン系のグループとして活躍、84年のMCA移籍以降はハッシュ・プロとの融合などが成功し、見事な変遷を見せてくれたコントローラーズ。今回リイシューされる87年作『FOR THE LOVE OF MY WOMAN』は前年の『STAY』で2曲のみながら抜群の仕事っぷりを見せてくれたラルフ・ベネター&ギャレン・シノグレスを全面プロデュースに迎え、ライター陣も充実した佳曲揃いの内容ながら、リリース時のフォーマットが廃盤以降はリイシューされずに現在に到っておりました。この度ようやく初リイシューとなります。

そのラルフ・ベネター&ギャレン・シノグレスの作り出すサウンドはひたすらマイルドで、モダン・テイストも含ませた、この時代のリアル・ソウルと言うべきもの。アーバンという言葉は当てはまらないかもしれませんが温かみのあるサウンドは、前作のハッシュ・サウンドを受け継ぎつつ、よりグループに当て嵌まる方向へと導いたと言って良いでしょう。サム・ディーズ作のスロウ「Play Time」あたりはその典型と言った作風。朴訥さも感じさてくれるリードとファルセットを交えた洗練したハーモニーとの完璧な融合を果たしたハイライト・トラックと言ってしまいます。そして、テンダーな魅力に溢れたタイトル曲のミディアム「For The Love Of My Woman」にも触れないわけにはいきません。こちらのソング・ライティングに名を連ねるはロン・タイソンとアリ・オリ・ウッドソンのテンプス勢にノーマン・ハリスというソウル・ファンが心踊るようなメンツ。この軽快ながらも深いソウル・テイストを感じさせてくれるグレイト・ミディアム、80年代グループ物全体の中でも屈指の名曲と言い切ってしまいます。その他の曲も佳曲揃いのこのアルバム、80年代グループ物の良さを知る、あるいは再確認するにはうってつけのアルバムです。
（メーカー資料より）