クイケン&ラ・プティット・バンド・エディション
バロック&古典派作品集(10CD)
長いキャリアを持つ古楽器オーケストラ、「ラ・プティット・バンド」は、1972年にグスタフ・レオンハルトとシギスヴァルト・クイケンによって設立され、長くクイケンに率いられてきました。
今回登場する限定ボックスは、彼らの業績を、器楽・声楽まじえた形で楽しめるお買得なもので、最も古いものは1974年録音のムファット、最も新しいものは2001年のモーツァルトのアリア集という具合に、時期もレパートリーも多様なものとなっているのが特徴。幅広く奥深い音楽性を持つ彼らの魅力を満喫することができる構成です。
以下、参考までに、元々のアルバムのジャケット画像を表示しておきます。(HMV)
【収録情報】
Disc1 モーツァルト:アリアとデュエット集
ドイツを代表する男声歌手、クリストフ&シュテファン・ゲンツ兄弟との共演。そのゲンツ兄弟とラ・プティット・バンド(LPB)によるモーツァルトのオペラ・アリア&デュエット、コンサート・アリアを収録したものです。ゲンツ兄弟はハンブルク州立歌劇場などヨーロッパでは実際にこのCDに収録されている『コシ・ファン・トゥッテ』を兄弟で共演しており、S.クイケン&LPBとも共演しています。その端正でセンシティヴ、清潔で自然な歌い振りと若く艶やかな歌声に、LPBの的確でモーツァルトに相応しいアンサンブルのサポートで魅力溢れるディスクに仕上がっています。
・歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』K.588〜アリア『ぼくのご婦人方』
・レチタティーヴォ『あわれな男よ!夢なのか、それともうつつなのか?』&アリア『あたり吹くそよ風よ』K.431
・歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』K.588〜デュエット『運命に対して命令するのは』
・『お前と別れる今,ああ,娘よ』K.513
・アリア『運命は恋する者に』K.209
・歌劇『偽りの女庭師』K.196〜アリア『イタリア式のやり方で』
・歌劇『ドン・ジョヴァンニ』K.527〜カンツォネッタ『ああ!窓辺においで』(ドン・ジョヴァンニのセレナード)
・歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』K.588〜アリア『いとしいひとの愛のそよ風は』
・アリエッタ『手に口づけすれば』K.541
・アリア『どうか,詮索しないで下さい』K.420
・歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』K.588〜アリア『彼に眼を向けなさい』
・カンタータ『悔悟するダヴィデ』K.469〜アリア『数知れぬ苦しみのさなかで』
・歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』K.588〜デュエット『叶えておくれ,親切なそよ風よ』
クリストフ・ゲンツ(T)
シュテファン・ゲンツ(Br)
録音:2001年6月(デジタル/セッション)
Disc2 ジェミニアーニ:合奏協奏曲集
厳粛と情熱の感動的な調和、素晴らしい香気を湛えて甦った、古楽器奏法の祖ジェミニアーニの貴重な作品集。ジェミニアーニはスカルラッティとコレッリに学び、イタリアをはじめロンドンやアイルランドでも活躍した作曲家&ヴァイオリンの名手で、数多くのコンチェルトやソナタを残しています。また、彼の著作『ヴァイオリン演奏技法』は、今日の古楽器演奏の範となる重要な書となっています。ジェミニアーニの生涯を概観できる必聴のディスクです。
・合奏協奏曲ホ短調 Op.3-3
・合奏協奏曲イ長調 Op.2-6
・合奏協奏曲ニ短調 Op.7-2
・合奏協奏曲ニ短調(コレッリの『ラ・フォリア』Op.5-12による主題と23の変奏)
・合奏協奏曲ト短調 (コレッリのソナタ Op.5-5による)
・合奏協奏曲ハ短調 Op.2-5』
録音:1984年(デジタル/セッション)
Disc3 バッハ:カンタータ集
合唱は各パート1人による、彼らの長年は育んだ研究と説得力溢れるバッハのカンター
タの演奏です。このアルバムでもオリジナル楽器の熟達した演奏家ならではの余裕と安定感に裏づけられたその最も自然なバッハ演奏は、鈴木美登里、コジェナーら充実のソリスト陣の名唱と相俟ってみずみずしい感動を生み出しています。
・カンタータ第9番『救いはわれらに来れり』BWV.9
・カンタータ第94番『われいかで世のことを問わん』BWV.94
・カンタータ第187番『ものみな汝を待てり』BWV.187
鈴木美登里(Sp)
マグダレーナ・コジェナー(Ms)
クヌート・ショッホ(T)
ヤン・ファン・デア・クラッベン(Br)
録音:1999年11月(デジタル/ライヴ)
Disc4 ゲオルク・ムファット:コンチェルトと組曲集
ムファットは、リュリとコレッリの影響を受けて『フロリレギウム』と『コンチェルト集』という貴重な作品を書きました。各声部を丹念に仕上げ、あらゆる部分を有機的に関連付けようとした点で、ドイツ音楽への先駆的役割を果たしました。現代楽器奏法による均一的で強いアタックなどの犠牲になって聴こえてこなかった、バロック中期のニュアンスを見事に伝えています。
・ソナタ ト長調『アルモニコ・トリブート』第5番
・組曲ニ短調『高貴なる青春』(フロリレギウム第2集〜第1曲)
・組曲ト長調『楽しき詩歌』(フロリレギウム第2集〜第2曲)
・ソナタ ト短調アルモニコ・トリブート』第2番
録音:1974年(ステレオ/セッション)
Disc5 ハイドン:チェロ協奏曲集
LPBの首席チェロ奏者を務めていた鈴木秀美のソロによるチェロ協奏曲。この録音も強弱の絶妙なコントロールにより、すばらしい表現となっています。ソロの場面では、各パート1人というまさに『室内楽編成』による部分も。当時のハイドンのオケの編成を考慮して、バス声部はコントラバスのみという個所など『冒険』ともいえるような試みをしています。レコード芸術特選&アカデミー賞協奏曲部門受賞作品。
・チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.VIIb-1
・チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb-2
・協奏交響曲変ロ長調Hob.I-105,Op.84*
鈴木秀美(Vc)
寺神戸亮(Vn*)
マルク・ヴァロン(Fg)
パトリック・ボジロー(Ob)
録音:1998年(デジタル/セッション)
Disc6 ハイドン:ミサ曲集
この一枚はハイドン晩年の宗教曲の傑作を、古楽界の巨匠シギスヴァルト・クイケンが録音したもので、器楽だけでなく古典派声楽作品をも知的で柔軟な解釈を取り入れ、その後のハイドンのミサの古楽奏法解釈の基本となった演奏です。
・ミサ曲第12番変ロ長調『ハルモニー・ミサ』Hob.XXII-14
・テ・デウム ハ長調Hob.XXIIIc-2』
サンドリーヌ・ピオ(Sp)
モニカ・グロープ(Ms)
クリストフ・プレガルディエン(T)
ハリー・ファン・デル・カンプ(Bs)
ナムール室内合唱団 《録音》
録音:1994年9月(デジタル/セッション)
Disc7 モーツァルト:悔悟するダヴィデ
『ハ短調ミサ』からの楽想を借用したオラトリオと、モーツァルト晩年の円熟がわずか46小節の中に済みきった音調と真摯な祈りを凝縮させた傑作『アヴェ・ヴァルム・コルプス』の清冽かつオーセンティックな名演でお届けするアルバムです。
・カンタータ『悔悟するダヴィデ』K.469
・アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618
クリスティーナ・ラーキ(Sp)
ニコーレ・ファリン(Sp)
ハンス=ペーター・ブロッホヴィッツ(T)
オランダ室内合唱団
録音:1985年4月(デジタル/セッション)
Disc8〜10 ラモー:ゾロアストル
ラモー生誕300年の1983年に、満を持して取り組んだ世界初の全曲録音。音楽悲劇の大作で、プロローグを排し力強い序曲を置き、フランスで最初にシャルモー(クラリネット)をオーケストラに含めるなど、意欲的な革新を断行するだけでなく、合唱に壮大な効果、異教の題材など、ラモーの腕が発揮された作品です。この録音は、その後のフランス・バロック・オペラ復興のきっかけとなった録音です。(SONY)
・歌劇『ゾロアストル』全曲
アニュス・メロン(Sp)
グレタ・ド・レイヘール(Sp)
ジャック・ボナ(Br)
グレゴリー・ラインハルト(Bs)
ミシェル・ヴェルシェーヴ(Bs)
ミーケ・ファン・デル・スルス(Sp)
フランソワ・フォシュ(Bs)
フィリップ・カントール(Br)
ジョン・エルウィス(T)
コレギウム・ヴォカーレ・ヘント
録音:1983年
録音方式:ステレオ(セッション)
ラ・プティット・バンド
シギスヴァルト・クイケン(指揮、ヴァイオリン)