CD 輸入盤

『ルート66〜アメリカ音楽ピアノ作品集』 ディリュカ

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
MIR239
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ナタリー・デセイが歌う「恋とはなんでしょう」も収録!
シャニ・ディリュカが選曲したアメリカ・ピアノ作品集


モナコ出身のピアニスト、シャニ・ディリュカ。アメリカのビート・ジェネレーションを代表する作家ジャック・ケルアックの著書「路上(オン・ザ・ロード)」にインスパイアされて彼女自身が選曲したアメリカ・ピアノ音楽集。アルバムのタイトルにもなっている「ルート66」は、ケルアックの「路上」にも登場するシカゴとサンタモニカを結んでいた国道66号線。今は廃線になっていますが、20世紀中頃のポップ・カルチャーの中で度々題材とされ愛され、今なおその名が残っています。
 アルバムは、ミニマル音楽のジョン・アダムズ『中国の門』にはじまり、キース・ジャレットの名曲『マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ』、ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスの愛らしい作品『ワルツ・フォー・デビイ』、バーンスタインの奥さんフェリシア・モンテアレグレに捧げられたピアノ曲、ガーシュウィンの傑作『ポーギーとベス』からキース・ジャレット編曲の『愛するポーギー』など多彩な内容で、若い男女の青春と苦悩を描いた「路上」と同じく、喜びや切なさ、孤独感、渇望、さまざまな感情が入り混じったピアノ作品が収録されています。
 さらにアルバムの最後にはコール・ポーターがミュージカル「ウェイク・アップ・アンド・ドリーム」のために作曲した『恋とはなんでしょう』をフランスの歌姫ナタリー・デセイが歌っています。穏やかな美しいデセイの歌声で響く極上の一曲となっています。(キングインターナショナル)

【収録情報】
・ジョン・アダムズ:中国の門
・キース・ジャレット:マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ
・グレインジャー:子守唄
・バーバー:パ・ドゥ・ドゥ
・エイミー・ビーチ:ヤング・バーチズ
・ビル・エヴァンス:ワルツ・フォー・デビイ
・フィリップ・グラス:エチュード第9番
・バーンスタイン:フェリシア・モンテアレグレのために
・ジョン・ケージ:イン・ア・ランドスケープ
・ガーシュウィン/キース・ジャレット編:愛するポーギー
・バーンスタイン:間奏曲
・ヒャン−キ・ジュー:シャンデルアーズ
・ヒナステラ:優雅な乙女の踊り
・バーンスタイン:アーロン・コープランドのために
・コープランド:ピアノ・ブルース第1番『レオ・スミットのために』
・ビル・エヴァンス:ピース・ピース
・ガーシュウィン/グレインジャー編:愛が訪れた時
・コール・ポーター/ラファエル・メルラン編:恋とはなんでしょう(歌:ナタリー・デセイ

 シャニ・ディリュカ(ピアノ)

 録音時期:2013年11月
 録音方式:ステレオ(デジタル)

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スリランカ人の両親を持つモナコのピアニス...

投稿日:2021/07/07 (水)

スリランカ人の両親を持つモナコのピアニスト、シャニ・ディリュカによる「アメリカ・ピアノ作品集」。ピアニストの遊戯的志向の感じられる企画。この芸術家の技量全般を推しはかるものとは言い難いけれど、逆に、それゆえの魅力が横溢した、とってもステキなアルバムになっている。それに、ディリュカというピアニスト、ジャケット写真などみてもなかなかエスニックな美人で、風貌も魅力的。末尾に収録されているコール・ポーターの「恋とはなんでしょう」では、フランスの歌手、ナタリー・デセイがヴォーカルを務める。ちなみに「アメリカ・ピアノ音楽集」とはなっているが、オーストラリア出身のグレインジャーや、アルゼンチンの作曲家、ヒナステラの作品なども含まれているので、そちらの「しばり」は緩い印象。これらの作品に共通するのは、描写的な音楽である、ということ。どこか静かで、美しい雰囲気に満ちている。憧憬的で、小さいころに見た原風景を思い出すような音楽。夏の暑い日に、木陰から、青空に浮かぶ真っ白な雲を、時間のすぎゆくままに見ていた、あの日を思い返すような・・・。ジョン・アダムズ、フィリップ・グラスはいずれもミニマル・ミュージック作家として知られる存在。冒頭のアダムズの曲は、情緒的な雰囲気と、ミニマル的な進行を併せ持った環境音楽的な美観を持っていて、このアルバムの導入に相応しい。ブラウザ・ゲームのサントラのような響きにも聴こえるが、情緒的な含みが深く、色合いが豊か。グラスのエチュードでは響きそのものの美しさが抜群。グレインジャーの子守唄は同音連打の印象的な作品。エヴァンスの名作、ワルツ・フォー・デビイはクラシックのグラウンドを持つ弾き手にも取り上げられる機会が多くなったが、ディリュカは、ここで適度な自由さのあるアプローチで、当意即妙な味わいを示してくれる。楽しい。バーバーとビーチの似た気配を持つ作品を続けて配列するところも、奏者のセンスを感じさせる。暖かな楽想がよく映える。ケージという作曲家の名前に、思わず身構えてしまう方も多いのではないだろうか?だが心配無用。とても美しい曲。こういう音楽も書ける人だったんですね。ドビュッシーの「かくて月は廃寺に落つ」を彷彿とさせるような、印象的な退廃性、耽美性があります。ガーシュウィンの2曲が美しい。いずれも他者による編曲ものであるが、原曲の彩を巧みに活かした編曲で、適度なスイング感のある聴き味が絶妙。ヒャンキ・ジューの逸品も多彩な音で楽しめます。そして、エヴァンスのもう1曲、「ピース・ピース」は、このアルバムのハートとも言える曲で、前述した「少年の日の、夏の思い出」に浸る様な味わい。最後にデセイが加わって、「恋とはなんでしょう」が歌われますが、なかなか雰囲気が大きく変わるので、ややびっくりしますが、聴いているうちに、その音世界に惹きこまれてしまうから不思議。ディリュカの伴奏もうまい。

ココパナ さん | 北海道 | 不明

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