最もソ連らしくない音楽を
リュビモフがとりあげた
ショスタコーヴィチの弟子中、最も異彩を放つガリーナ・ウストヴォリスカヤ。彼女は旧ソ連とか、女性とか、受けた教育、他人からの影響など、何にもあてはまらない作風で、天才なのか異常なのかさえ分りかねる存在となっています。ソ連時代には不遇ながら、今日かなり演奏・録音され始めましたが、ロシアでもアレクセイ・リュビモフがイニシアティヴをとり、6篇のピアノ・ソナタを連続演奏。1曲ずつ弟子の若いピアニストたちに担わせ、最後に最も異常な第6番を自身が現代ピアノで奏しています。
1947年作曲の第1番は4楽章構成で、まだ小節線を有し、彼女のソナタの中では最も常識的な書法ですが、その暴力性は同時代のどの男性作曲家よりも過激。第2番から第4番までは独自のトーンクラスターを延々と叩くスタイルで、それは鐘の音か爆発のように聴こえます。1988年の第6番は最も短いものの、クラスター奏法が進化して掌や腕でガンガン響かせ、聴く者の脳を破壊します。
そのあまりに非ソ連的音楽は、迫害されていたはずのシュニトケやグバイドゥーリナが体制側に見えてしまいます。特異な奏法や指遣い等、非常に役立つ映像と申せましょう。
こちらの商品はPAL方式で記録されており、DVD再生が可能なWindows PCやMacのほか、マルチシステム対応AV機器などで再生することが可能です。通常のNTSC方式のDVDプレーヤーやTVでは再生することができません。ご了承のうえお求めくださるようお願いいたします。(キングインターナショナル)
【収録情報】
ウストヴォリスカヤ:ピアノ・ソナタ全集
● 第1番 (1947) オリガ・パシチェンコ(ピアノ)
● 第2番 (1949) クセニヤ・セミヨノワ(ピアノ)
● 第3番 (1952) アレクセイ・グローツ(ピアノ)
● 第4番 (1957) エリザヴェータ・ミレル(ピアノ)
● 第5番 (1986) ウラジーミル・イワノフ(ピアノ)
● 第6番 (1988) アレクセイ・リュビモフ(ピアノ)
収録時期:2011年3月7日
収録場所:モスクワ演劇芸術学校(ライヴ)
収録時間:73分
画面:カラー、16:9
音声:ステレオ
PAL
Region 5