静けさの中に張りつめる緊張感
独特の浮遊感にやみつきの
ゲオルク・カッツァーの電子音楽の世界
自ら電子音楽スタジオを設立するなど、電子音楽分野での活躍が知られるゲオルク・カッツァーの80歳の誕生日を記念したCD。1976年から2010年までの30年近くに渡る彼の電子音響作品がおさめられています。
彼の創作の大きなテーマの一つに歴史的、政治的な出来事への眼差しがあり、実際このCDにおさめられている『アリアドネが来る前』は1968年の「プラハの春」に、『Mein 1989』は東ドイツの政治変動に対するものです。静謐な世界に漂う緊張感や不穏な空気感は、激動の時代の中心に身を置いていた作曲者のリアリティそのものともいえるかもしれません。『機械と摩耗の作用』は、曲中でフランスの百科事典「ラルース」より「機械」の項全文の子供による朗読が入るというユニークな作品。独特な浮遊感がやみつきになる作品集です。(キングインターナショナル)
【収録情報】
カッツァー
1. アリアドネが来る前
2. プロイセンの青 白昼夢 記憶
3. 石の歌 1
4. 機械と摩耗の作用
5. Mein 1989
6. 花咲く風景
7. 石の歌 2
ゲオルク・カッツァー(エレクトロニクス)
制作時期:1976-2010年(Master: 2015)
World premiere recordings: 2,6,7