現代フィンランドの作曲家ふたりが
ファゴットのために書いた作品集
SACDハイブリッド盤。国際的にも知られる現代フィンランドの作曲家ふたりがファゴットのために書いた作品集。セバスチャン・ファーゲルルンド[1972-]はシベリウス・アカデミーで学び、管弦楽曲、室内楽曲、器楽曲を中心に作曲してきました。声楽曲も手がけはじめ、2009年にオペラ『デーベルン』を発表しています。「とがったリズムに長くゆったり弧を描く旋律を組み合わせた、確固とした響きとゆたかな色彩」に特徴があり、モダニズムの厳格な手法に反対する立場をとっていると言われます。協奏曲は、彼が継続して手がけるジャンルのひとつ。クラリネット協奏曲、サクソフォン協奏曲、ヴァイオリン協奏曲『光の中の闇』につづいて書かれたファゴット協奏曲は、スウェーデン語で「呼び起こす」、フィンランド語では「死と悪魔払い」を暗示、ポリネシアの文化圏では「目に見えない、超自然の力」を示すという『Mana』を曲名にとった、緩 - 急 - 緩の単一楽章の協奏曲。エーテボリ交響楽団とラハティ交響楽団とボルレッティ=ブイトーニ・トラストの共同委嘱による作品です。ファゴット・ソロのための『森林地帯』は、協奏曲に先立って書かれました。「神秘の領域」をイメージ。協奏曲と同じくブラム・ファン・サムベークが演奏することを想定した作品です。
ブラム・ファン・サムベーク[1980-]はオランダの奏者。2002年から2011年までロッテルダム・フィルハーモニックの首席奏者を務め、2015年からはハーグの王立音楽院で教えながら、ロンドン交響楽団やエーテボリ交響楽団をはじめとするオーケストラに首席奏者として客演しています。2011年にボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞を受賞、ニューヨークのリンカーン・センター室内楽協会に参加しました。
カレヴィ・アホ[1949-]のファゴット協奏曲は、ヘルシンキ・フィルハーモニックのソロ・ファゴット奏者ベンツェ・ボガーニのために書かれた作品です。「アンダンテ」「ヴィヴァーチェ」「パッサカリア(アダージョ)エ・カデンツァ」「プレスト」の4部構成。『ソロ V』はラハティ交響楽団のソロ奏者ハッリ・アハマスのために作曲されました。ファゴットの最高音域から最低音域まで使った劇的な性格の音楽です。
2曲の協奏曲にはラハティ交響楽団が共演しました。アホの協奏曲は、オッコ・カムの後任として2016年から首席指揮者を務めるディーマ・スロボデニュクが指揮。スロボデニュクはロシア生まれ。シベリウス・アカデミーでセーゲルスタムとヨルマ・パヌラに学びました。エーテボリ交響楽団を指揮したファーゲルルンド管弦楽作品集やトゥルク・フィルハーモニックとのマトヴェイェフのチェロ協奏曲とリンコラのピアノ協奏曲などの録音も高く評価されています。(輸入元情報)
【収録情報】
1. ファーゲルルンド:Mana (2013-14) 〜ファゴット協奏曲
2. ファーゲルルンド:森林地帯 (2012) 〜ファゴット・ソロのための
3. アホ:ソロ V (1999) 〜ファゴットのための
4. アホ:ファゴット協奏曲 (2004)
ブラム・ファン・サムベーク(ファゴット)
ラハティ交響楽団(1,4)
ディーマ・スロボデニュク(指揮:4)
オッコ・カム(指揮:1)
録音時期:2015年1月(1)、11月(2,3)、2016年1月(4)
録音場所:ラハティ、シベリウスホール(1,4) ストックホルム、スウェーデン放送第2スタジオ(2,3)
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND