Project Freedom

クインシーも絶賛する最高峰のオルガン奏者ジョーイ・デフランセスコ
「Project Freedom」と題した熱い思いを込めた一作！
黒人差別との闘いと, 人々の自由への希求を描いたカバー2曲(M5.10)
人間的な温かみを思わせるオリジナルを収録のMack Avenue第1弾！

かのクインシー・ジョーンズが「ジミー・スミス以来、疑う余地なく最もすばらしいハモンド・オルガン奏者の一人」と絶賛するジョーイ・デフランセスコの注目のMack Avenue第1弾。

10代にして同郷のフィラデルフィアの巨人ハンク・モブレーやフィリー・ジョー・ジョーンズと共演し、89年にはマイルス・デイヴィスのツアーに参加。自身のリーダー作もマイルスのツアーと同時期にコロムビアからリリースし、94年にはジョン・マクラフリンの名作『After the Rain』に全面参加。71年生まれで若くして大活躍をしたため、その後多少のブランクも感じさせたところもありましたが、本作は、その30年に及ぶキャリアのマイルストーンと言えそうです。


というのも、本作は「Project Freedom」と題した強い意志とメッセージを込めた一作。デフランセスコ自身「ツアーをするミュージシャンとして、平和を広めることをいつも考えてきた。世界中でどんなことが起ころうと自分たちは演奏をし続ける。それが、たとえ許されないような禁じられた土地だとしてもだ。戦争や紛争、問題は音楽に溶けて徐々に消え失せる。自分たちは、そこにいる人たちのために演奏し、時をすごし、音楽を通じて団結する。それこそが真の自由。音楽とは真に自由なものだ」と語っていますが、本作はそんな熱い思いが演奏から溢れ出ています。

教会に鳴り響くゴスペルソングのようなジョン・レノンの名曲「Imagine」を象徴的なプロローグとし、どの曲も魂のこもったスピリチュアルな演奏と人間臭いグルーヴが渦をまく演奏の数々。勢いのあふれる近年の作品に“祈り”が込められた演奏は、聴く者の心を揺るがす“なにか”がしっかりと響きます。

中でも注目はカヴァーソング。19世紀末のトラディショナルソングであり、マックス・ローチが名盤『We Insist!』で採り上げたことでも有名な「Lift Every Voice and Sing」やサム・クックの「A Change Is Gonna Come」は、双方とも黒人差別との闘いと、人々の自由への希求を描いた曲ですが、その楽曲のメッセージを演奏者として受け止め、慈愛を込めソウルフルに描いた演奏は、聴くものの心を熱くしてやみません。

また、クインシー・ジョーンズはジョーイについて、「音楽はもちろんのこと、一人の人間として素晴らしい」とも語っていますが、その人柄の温かみを表すようなオリジナルのバラードなども聴きものです。
デフランセスコにとって、キャリア第2の絶頂期をも感じさせる内容。ハンド・クラッピングに話し声と、ディープなグルーヴとブロウが炸裂するラストナンバーまで、魂の11曲。

Joey DeFrancesco (org,key,tp)
Jason Brown (ds)
Troy Roberts (ts,ss)
Dan Wilson (g)