北欧諸国で活躍する声楽作品作曲の
鬼才ペルットゥ・ハーパネンの合唱作品集
ペルットゥ・ハーパネンは、遊び心と人間の声のあらゆる可能性に対する鋭い耳を持ち、北欧諸国で活躍する、もっとも探索的、知的興味をそそるヴォーカル・ミュージックの作曲家として存在感を確立した音楽家です。1972年フィンランド生まれ。シベリウス・アカデミーとパリのIRCAMで学び、合唱がどう響き、どう聞こえるかについての深い知識と理解をモダニズムの多種の技法と厳格な構造とポストモダン的なテクストの脱構築と結びつけ、洗練された個性的な表現の作品を発表してきました。「私にとって作曲することは、既存の解答を組み立てて作品に作り上げるだけでなく、ファウスト的情熱で探求し世界観を広げることでもある。」(ハーパネン)
大公国時代のフィンランド合唱曲集『春がやってくる』をはじめ、ユニークなコンセプトのアルバムを制作してきたヘルシンキ室内合唱団と芸術監督のシュヴェケンディークの新しいアルバムでは、ハーパネンが21世紀になって作曲した作品を7曲演奏しています。「カレヴァラ」と「古代エジプト、現代の中東、西洋の映画優位文化のニュースフラッシュなど」をハーパネンが自由に編集したテクストによる『Kullervo Clusters(クッレルヴォ・クラスター)』。水の事故で死んだ愛娘を悼んで作曲されたヨウン・レイフスの哀歌『レクィエム』を音素材にした『Strophes(歌章)』と、その素材をさらに展開させた『Strophes II(歌章 2)』は、ハーパネンのもっとも実験的な手法の作品です。ルイス・キャロルの「アリス」のサイバースペースでのさまざまな定義をテクストにした『Readymade Alice(レディメイドのアリス)』。出所不明の医学報告(medical report)から採った単語や短文をエコーの素材にした『Report(報告)』。J.M.バリーの「ピーター・パン」を解剖したテクストによる『Taxidermic Peter(剥製のピーター)』。フィンランドの詩人マルック・パーソネンの「Boujaafar Beach II(ボウジョワール・ビーチ 2)」による『…sino phonia, paranonomasia.』。多才なギタリスト、『変化はやってくる』『不思議な仲間がいて』などのアルバムを録音したペトリ・クメラが『Report(報告)』のギターを担当しています。(輸入元情報)
【収録情報】
ハーパネン:
● Kullervo Clusters〜混声合唱のための (2010/16)
● Strophes〜混声室内合唱のための (2006 rev.2010)
● Readymade Alice〜混声合唱のための (2011)
● Report〜室内合唱、打楽器とギターのための (2012 rev.2016)
● Taxidermic Peter〜室内合唱と「オブジェ」のための (2014 rev.2016)
● Strophes II〜混声合唱のための (2007 rev.2009)
● …sino phonia, paranonomasia. 〜16声のための (2005 rev.2006/16)
ヘルシンキ室内合唱団
ペトリ・クメラ(ギター)
ヘイッキ・パルヴィアイネン(打楽器)
ニルス・シュヴェケンディーク(指揮)
録音時期:2016年2月、4月&11月
録音場所:フィンランド、エスポー、セッロホール&オラリ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作:マルック・ヴェイヨンスオ、セッポ・シーララ
録音:マルック・ヴェイヨンスオ、アヌ・カハコネン