ビバルディより20年早く生まれたトレッリは、コンチェルトの発展に大きく寄与したのですが、ここで聴かれる作品8のコンチェルト群の完成度の高さは、そのことを十二分に物語っています。ビバルディよりも落ち着いたニュアンスですが、イタリアらしい輝きに溢れた曲想で、ヴァイオリンの名手だった技能をちりばめた傑作ぞろいです。演奏も申し分ありません。トランペットのためのシンフォニアが途中に数曲入っていますが、その音色の柔らかさのなんとも言えないこと！正に古楽器ならではのいにしえの遠〜い音です。