原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか

磯村健太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022510709
ISBN 10 : 4022510706
フォーマット
出版社
発行年月
2013年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
19

内容詳細

国策に寄り添ってきた裁判所を3・11が変えつつある。元判事が初めて明かす苦悩―朝日新聞記者2人による当事者たちへの徹底取材。

目次 : 第1章 葛藤する裁判官たち(科学技術論争の壁―「メルトダウンまで踏み込めなかった」/ 証拠の壁―「強制力なければ、電力会社は情報を出さない」/ 経営判断の壁―「東電のチェック体制を信頼しすぎた」/ 心理的重圧の壁―「だれしも人事でいじわるされたくはない」)/ 第2章 電力会社、敗れる(「裁判所は、国民にとっての最後の砦」)/ 第3章 国側、敗れる(「国策でも遠慮するつもりはなかった」)/ 第4章 「奥の院」で何が起こったのか(もんじゅ最高裁判決/ 最高裁事務総局/ 調査官裁判)/ 第5章 これからの原発訴訟

【著者紹介】
磯村健太郎 : 朝日新聞オピニオン編集部記者。1960年生まれ。83年入社。サンパウロ支局長、ローマ支局長などを経て、2011年から現職

山口栄二 : 朝日新聞オピニオン編集部記者。1956年生まれ。84年入社。東京本社社会部で司法担当記者。月刊誌「論座」副編集長、「週刊朝日」副編集長などを経て、2009年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • おさむ さん

    3.11で「原発神話」は崩壊した。それを支えていたのは、行政府、電力会社、マスコミ、そして裁判官もだった。本著の白眉は原発訴訟に関わって判決を書いた元裁判官が実名・顔出しで登場している点にある。読んで感じたのは、所詮、裁判官も人の子だなあということ。人事も気になれば、ときの世論の影響を受ける。基本文系だから、科学用語の理解に難儀もする笑。でも、やはり司法の独立という矜持だけは失ってほしくない。唯一の希望は、少しずつ若手の裁判官の意識が変わってきたという点か。

  • RED FOX さん

    裁判官のバッジのモチーフは八咫鏡!原発に関する主な裁判についての検証。まあ長−いあいだ原告(住民たち)側の連戦連敗なのですが、そんな中でも徐々に国・電力会社側に牙をむいた判決が出てくる、最高裁で負けるが。そして3.11以降の裁判官達の新たな動きのルポ。憲法76条3「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」の復活の兆し。帯の「高村薫さん絶賛!」で迷わず買ったが(ブクオフだが)読んで良かった。行政と国民、どちらも大変大事だからこそ司法は頑張ってください。

  • ERNESTO さん

    柏崎刈羽1号機訴訟の1審・新潟地裁で原告敗訴の判決を出した、西野喜一元判事の「判決を左右する要素」が全てと言って良いだろう。 曰く、訴訟法が国策を争うようにできていない、 国賠や公害訴訟など行政権力が関心を持ちそうな事件の全てとも言え、最高裁に別途報告することになっている「報告事件」の国敗訴でない判決を書けとの無言の心理的プレッシャー、 自分の良心を貫いた判決を書いても上級審で破棄されれば、当事者に時間と労力を消費させただけとの徒労感、  

  • Mao さん

    『少数派の声に耳を傾けるのが司法の役割だ。小さな声のなかにも取り上げるべき真実があれば、国策といえどもひるむことなく「間違っている」と判決することが裁判所にはできる。それによって多数派の暴走に歯止めをかけることが、裁判所の存在意義のはずだ。』  一日も早い実現を望みます

  • dante さん

    原発の仕組みがわからなくても読みやすくなっている。

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