わたしが少女型ロボットだったころ

石川宏千花

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784037272807
ISBN 10 : 4037272806
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
251p;20

内容詳細

わたしは、ロボットだった。
人間じゃなくて、ロボットだった。
そのことを、わたしはすっかり忘れて生きてきた。
きっと、忘れたまま生活するようにプログラミングされていたんだと思う。
だけど、思い出してしまった。
本当に突然、ふっと。(本文より)

自分がロボットであると認識し、食べることをやめた少女と
彼女を理解しようとする少年

ゆらぎ、見失いそうになる自分の形を
見つけるための物語

【著者紹介】
石川宏千花 : 女子美術大学芸術学部卒業。『ユリエルとグレン』で日本児童文学者協会新人賞、講談社児童文学新人賞佳作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Willie the Wildcat さん

    ありのままとなること、そして、ありのままを受け入れること。喜怒哀楽。心があるのが喜びともなり、悲しみともなる。誤作動?初期化?記憶調整装置?いや、不変の家族の思い。だから優しくされるのではなく、(他者に)優しくしたい。新宿駅での涙が、主人公の転機を示唆したという感。心に向き合う。祖母に、いっちゃんに、そして恐らく母に。”再起動”!それどころじゃない人じゃなくなった!人が人であることの喜びと、人は支えあって生きていくことの意味を、再認識させてくれますね。

  • itica さん

    中学3年生の多鶴は、ある日突然、自分がロボットだと気付いてしまった。同級生のまるちゃんは否定も笑いもせず、真剣に聴いてくれた。多鶴は真面目で優しい子なのだと思う。ずっと母親と二人で生きてきて、良い子過ぎたのだと思う。ロボットか人間かなんて関係なく、多鶴は多鶴として未来を歩いていってほしいな。すべてを受け入れてくれるまるちゃんが素敵だ。

  • おかだ さん

    読ませるYA作品。けっこう惹き込まれた。多鶴は自分が少女型ロボットだったことを思い出し、ロボットだから食べる必要がない、と気付く。これに対しての、同級生男子・まるちゃんの反応が見事です。こんな風に真剣に向き合ってくれる相手がいることは、もう人生にふたつとないような宝物だと思う。少女の摂食障害の物語。思春期の少年少女の一番の病巣は、大抵お母さんなのか。お母さんだってなぁ…お母さんだってなぁ…必死でやってんだよ!とお母さんの肩を持ちたくなる気もするんだぁ、最近。

  • ☆よいこ さん

    YA。中学の卒業式まぎわ、鈴木多鶴(すずきたづる)は自分が[少女型ロボット]として生まれ母に買われてきたことを思い出した。その日から食事をすることに意味を感じず、食べなくなった。母親はそんな多鶴を見て拒食症だと泣き、理解してくれない。唯一、幼馴染のまるちゃんだけが多鶴をそのまま受け入れてくれた。▽SFではなかった。拒食症の少女の物語。多感な時期の思い込みを[心の誤作動]で片付けられるのだろうかとモヤっとした。他人との距離感が難しい世界なんだろうな。住野よるじゃないよねぇとちょっと確認した。

  • ネギっ子gen さん

    懐かしい香りがして、心が温かくなるお話。“それどころじゃない状態にあった”多鶴は、自分のことをいつも心配してくれるまるちゃんと二人で、【自分のことを、もっとちゃんと知ろう】と、“自分探し”の旅に出る――。<ママが30歳のときに産んだ娘ということになっている。パパは、いない。小さいころは、どうしてわたしにはパパがいないのか不思議だったけれど、いまならわかる。わたしがロボットだった>から。で、わたしはママに伝えたかった。<だってわたしロボットでしょ? ごはんなんて食べなくても、生きていけるんだよ>って……。⇒

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石川宏千花

女子美術大学芸術学部卒業。『ユリエルとグレン』で講談社児童文学新人賞佳作を受賞。作品に『拝啓パンクスノットデッドさま』(日本児童文学者協会賞)などがある

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