ゲノムが語る生命 新しい知の創出 集英社新書

中村桂子著

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087202700
ISBN 10 : 4087202704
フォーマット
出版社
発行年月
2004年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
18cm,251p

内容詳細

生命の時代とも言われる21世紀、生命科学研究が飛躍的に進展する中で、科学技術文明は正しい方向に向かっているのか。「生きる」「変わる」など7つの動詞をキーワードに、生命を基本とする知の可能性を探る。

【著者紹介】
中村桂子著 : 1936年東京生まれ。東京大学理学部化学科卒業後、同大学院生物化学科修了。三菱化成生命科学研究所、早稲田大学教授等を経て、JT生命誌研究館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • tolucky1962 さん

    科学を経済,応用技術に偏らず本質,知と捉え暮ら,社会へ貢献。生命を複雑なまま理解。白黒二分化し分析する物理学が成果を挙げたが,個別の色の受止めの多様性を前提。 ゲノム情報を言語と捉え生命誌にまとめる。個別ゲノム情報は全体文脈の中で意味をもつ。漱石の「草枕」や堤中納言物語中の「虫愛づる姫君」,アニメ「風の谷のナウシカ」など様々な話も入れて,科学史,科学技術教育行政など広く話を進めている。著者の発言は生物学の範疇にとどまらず,科学者出身でありながら社会をとらえているように思う。

  • 愛奈 穂佳(あいだ ほのか) さん

    【ココロの琴線に触れたコトバ】体の一部としての脳と心を別にせずに、これも重ねて考えていくことが重要でしょう。(略)心身二元論を基本に進められてきた科学を基本にしながらも、心身を重ねて見る時代になったことは強く感じます。

  • pigpig さん

    論旨は明快、「生きものが生きているとはどういうことか、これを科学と日常とを繋げなげて考える」。「生命の複雑さを複雑なまま理解したい」ということも語られている。これらは、仏教思想でいうところの「諸法実相」の考え方にも似て、非常に興味深かった。複雑な内容を情緒的に語る著者の文体に馴染めなかった部分もあった。理解を深めるために、いつか再読したい。

  • ミニジロー さん

    分けることで「理解」することも大事だが、そこで一旦足を止め、視点・視座・視野を変えて見ることの必要性を、「ゲノム」を題材にして理解できる。。『物』の読み方「ぶつ」「もつ」「もの」、それに「物理的構え」「設計的構え」「志向的構え」という重層的な捉え方が印象に残った。重層的で複雑なことをそのまま抱えることは苦しいが、それに耐えることが「(他人や自然や未来と)共に生きる」ことに繋がるのだろう。

  • 北山央晃 さん

    著者は分析的な現代科学に疑問を呈し、「生きているとはどういうことか」という観点から、生物学をはじめとする科学へのアプローチをする「生命誌」を提唱している。命のなかに綿々と続くものを見ることが大切だという著者の想いが満ち溢れている。堤中納言物語の虫愛づる姫などのエピソードも面白い。

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人物・団体紹介

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中村桂子著

1936年東京生まれ。JT生命誌研究館名誉館長。東京大学大学院生物化学専攻博士課程修了。理学博士。国立予防衛生研究所をへて、71年三菱化成生命科学研究所に入り、日本における「生命科学」創出に関わる。生物を分子の機械ととらえ、その構造と機能の解明に終始する生命科学に疑問を持ち、独自の「生命誌」を構想。

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