宣教師と『太平記』 シリーズ“本と日本史” 4 集英社新書

神田千里

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087208726
ISBN 10 : 4087208729
フォーマット
出版社
発行年月
2017年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
192p;18

内容詳細

戦国時代、訪日宣教師はみな『太平記』を読んでいた。それは、この書物が当時の日本人の百科事典であり、絶大な人気を誇っていたためだった。『太平記』受容を通して時代を分析した、革新的一冊。



【著者紹介】
神田千里 : 1949年東京都生まれ。日本史学者。東洋大学文学部教授。1983年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。1999年『一向一揆と戦国社会』(吉川弘文館)で、博士(文学、東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • aloha0307 さん

    太平記と言えば、昭和の大河ドラマを思い出す。尊氏を演じた真田広之さん カッコよかったな(高師直:柄本明さんもすごかった)...いっときも定まらないケイオス&無常観 今でも大河のベスト1だと思っています。本書が論じるのは、宣教師と太平記の意外な関係だ。日本人キリシタンを養成するにあたり、イエズス会宣教師は太平記をその教科書としたのです。一寸先は闇、先の全くみえない現代とこの時代との符合にはっと気付き慄然としてしまいました。

  • 浅香山三郎 さん

    『太平記』や『平家物語』の中世人にとつての受容の問題を取り上げる。宣教師たちの布教戦略の話から、中世人における『太平記』の規範意識などに話が展開する。「日本人」「日本国」意識の問題は、まう少し展開して欲しかつた。

  • ゆうきなかもと さん

    太平記に関する本はめったにお目にかかれない。本屋で見つけてテンションマックス(^^) 太平記が、近世において平家物語と同じくらい、あるいはそれ以上に愛好されていたことを論証している。 平家物語に比べて、思想的に一貫性がないと言われている太平記だが、実はあるのではないかと言う指摘が参考になった。 太平記の解説書としてオススメだが、一般的には太平記はあまり読まれていないので残念に思う。 平家物語より面白いと思うんだけどなー(´・ω・`)

  • nagoyan さん

    優。キリシタン版「太平記抜書」の存在から、日本語・日本文化を理解し、カトリック布教に役立てようとした宣教師・イエズス会の戦略を解き明かす。そして、そこから、太平記や平家物語といった軍記物語が当時の日本人の教養の源であり、日本人の精神文化を形作っていったことを導き出す。これはよくわかる気がする。江戸から明治大正にかけて、日本人の精神を作ったのは、歌舞伎であり、落語であり、講談であり、あるいは活動写真ではなかったか。歌舞伎、落語、講談そして活動写真を理解するためには、ある種の歴史知識が必要であったろう。

  • さとうしん さん

    本書は実のところ『太平記』も宣教師の視点というのも取っ掛かりにすぎず(古典としては他に『平家物語』も取り上げられている)、戦国時代には共通の「歴史認識」と「日本人」としての国民意識が芽ばえつつあったのではないかというのが眼目となっている。戦国時代は乱世と言いつつも、南北朝時代などとは違って統一国家への展望や希望が見えていた時代なのかもしれないと思った。

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