著作権とは何か 文化と創造のゆくえ 集英社新書

福井健策

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087211160
ISBN 10 : 4087211169
フォーマット
出版社
発行年月
2020年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
224p;18

内容詳細

ネットやSNSの発達で、著作権は芸術家や作家などのクリエイターのみならず、一般ユーザーにとっても身近で必須の知識になった。
映像・音楽・出版・ネットなど産業や社会の動向さえ時に左右する著作権とはどんな権利なのだろうか。
著作権はどのような場合に生まれ、具体的にどのようなことができ、そもそも何のために存在するのか。
本書は、著作権を専門とする弁護士が、その基礎や考え方をシェイクスピア、ディズニー、手塚治虫などの豊富な実例でわかりやすく解説。
著作権保護期間など最近の状況を盛り込んだ、ロングセラーの増補版である。


著作権とは、文学・映画・音楽・美術といった作品の創作者が持つ、その作品がどう利用されるかを決定できる権利のことです。
著作権の最大の存在理由(少なくともそのひとつ)は、芸術文化活動が活発におこなわれるための土壌を作ることだと筆者は考えています。
なぜなら、豊かな芸術文化は私たちの社会に必要なものだからです。
ですから、著作権をその目的に沿うように使ったり、設計することは、私たちに課せられた課題です。(本文より)

【著者プロフィール】
福井 健策(ふくい けんさく)
弁護士。ニューヨーク州弁護士。1991年、東京大学法学部卒業。米コロンビア大学法学修士課程修了。
骨董通り法律事務所 For the Arts代表パートナー、日本大学藝術学部・神戸大学大学院客員教授。
専門分野は芸術文化法、著作権法。thinkC世話人。国立国会図書館審議会・デジタルアーカイブ学会ほか委員・理事を務める。
主な著書に『18歳の著作権入門』(ちくまプリマー新書)『著作権の世紀─変わる「情報の独占制度』(集英社新書)など。

【著者紹介】
福井健策 : 弁護士。ニューヨーク州弁護士。1991年、東京大学法学部卒業。米コロンビア大学法学修士課程修了。骨董通り法律事務所For the Arts代表パートナー、日本大学藝術学部・神戸大学大学院客員教授。専門分野は芸術文化法、著作権法。Think C世話人。国立国会図書館審議会・デジタルアーカイブ学会ほかで委員・理事を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • やまやま さん

    著作権でどんな場面が話題になるのかな、という意味で、例えば情報の教科書でみた話の深堀りにまずはおすすめできます。例もポピュラーなものをよく拾ってあり、社会的議論になった事件を回想できます。ロミオとジュリエットとウェストサイドストーリーの話は、シェイクスピア前の話まで事情を説明してあり、やはり文化は前史の上に成り立つことは理解できます。一方で著者自身は独占欲また自己実現欲求から自作の実演は翻案しないことを望むのも分かりますが、経済的利潤の重視は著者由来の問題でない部分も多そうです。

  • 大先生 さん

    「法律問題はたいていそうですが、著作権は特に絶対的回答は出にくいジャンルです」p109と指摘されていますが、正に仰るとおり。これ著作権的に問題ないですか?って聞かれたら、(単に自分が不勉強なだけだったとしても)判断分かれる可能性があるので著作権者の承諾取ったほうが無難ですと答える。これ君子危うきに近寄らずですから(無責任、役立たずともいう。苦笑)。と冗談はさて置き、情報の発信者になることのある人は、今どき著作権について一度は勉強すべきですね。知らないうちに、あなたも著作権侵害してるかもしれませんよ。

  • よしよしニャンコ さん

    「著作者」と「著作権者」、「著作権」と「著作者人格権」の違い、「著作権」と「知的財産権」の関係、「盗作・盗用」と「パロディ」の境界など、そういえば深く考えたことがなかったな、ということがたくさん書いてあった。最終的には本のタイトルにある「文化と創造」の保護と発展が著作権の法意。過度な保護は何でも盗作と言われるリスクから創造活動を萎縮させ、過度なオープン化は創作人の旨味をなくして創作活動が先細る。時代とともにその塩梅は変わっていく。最近では、国が中小企業の創作活動=産業の保護という観点を持ち出しているよね。

  • 西澤 隆 さん

    実は著作権法はある意味ネットやってれば素人が絡む可能性がある法律としては最難関かも。海外法との関係、たくさんある各種権利、なにが著作物でなにが著作物でないのか。悪意のないフツーの人にとって「わかんないから全部使用許諾申請」したり、逆に「それ大変だから全く使わない」だとなにも文化に対して寄与せず生み出すものもない。だからちゃんと知って使おうという起点の本。H30改正も盛り込んでいるが「これで万全」にはならないのが著作権。でも考える上での用語や概念の整理としてはすごくわかりやすい「ここからはじめる」本なのです

  • Yuichi Tomita さん

    「はじめての著作権法」が現行法の解説に徹しているのに対して、本書は、著作権が何のために存在するのか、どう保護すべきなのかについて述べられている。 コンセプトが違うので当たり前だが、現行法の理解には前者が向いており、著作権の存在意義やどうあるべきかについて考えたいという場合には本書という感じか。 考え方が中心であるため、少し散らかっている印象を受けた。「はじめての著作権法」を読んでから読む方が理解が進むかも。

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