アジアを生きる 集英社新書

姜尚中

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087212631
ISBN 10 : 4087212637
フォーマット
出版社
発行年月
2023年05月
日本
追加情報
:
224p;18

内容詳細

「この道を行こう──」 歴史の悲しみを乗り越えて
集英社創業95周年記念企画『アジア人物史』総監修・姜尚中による未来社会への提言!

【おもな内容】
新たな戦争と、覇権国家の台頭を前に、「アジア的な野蛮」に対する警戒心が強まっている。
だが、文明vs野蛮という図式を相変わらず持ち出しても、未来は暗いままだ。
単なる「アジア回帰」でも「アジア主義」の復権でもない突破口は、果たしてどこにあるのか?
朝鮮戦争勃発の年に生まれ、「内なるアジア」と格闘し続けてきた思想家が、自らの学問と実人生の土台を根本から見つめ直した一冊。
この世界に生きるすべての者が、真の普遍性と共存に至る道は、「アジア的なもの」を潜り抜けることしかない。

【目次】
はじめに
第一章 近くて遠いアジア
第二章 西欧とアジアの二分法を超えて
第三章 地域主義と「東北アジア共同の家」
第四章 個別的「普遍主義」の可能性──西欧とアジアの「認識論的・存在論的分断」を超えて
おわりに

【著者略歴】
姜尚中(カン・サンジュン)

1950年生まれ。
政治学者。
東京大学名誉教授、鎮西学院学院長・熊本県立劇場館長。
集英社創業95周年記念企画『アジア人物史』では総監修を務める。
著書は100万部超の『悩む力』のほか、『続・悩む力』『心の力』『母の教え 10年後の『悩む力』』『ナショナリズム』『朝鮮半島と日本の未来』など多数。
自伝『在日』および小説作品『母―オモニ―』『心』はいずれも累計40万部超の話題作に。

【著者紹介】
姜尚中 : 1950年生まれ。政治学者。東京大学名誉教授。鎮西学院学院長・熊本県立劇場館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • coldsurgeon さん

    著者の思想遍歴を語る書であり、アジアの中で日本という国が抱いてきた国体エゴイズムを知らしめる書でもあった。同時代に生きていた横井小楠と吉田松陰の考え方の相違から、明治維新以降、日本が東アジアに目を向けた姿勢を、明確にあぶりだした点が、とても新鮮だった。普遍性を求めた小楠と、特別な国体を求めた松陰とが、幕末維新期にどちらが影響を残したかが、その後の日本の方向性を決めてしまったのだ。松陰の影響を受けた長州閥の政治家の亡霊が、まだ日本の政界をさ迷っている。悪霊退散と、陰陽師はいないのか。

  • ゆうきなかもと さん

    興味のあるところだけつまみ読み。姜尚中先生の自伝的な、あるいは思想史的な不思議な一冊。手のつけやすい政治思想史入門にもなっていると思う。個人的には真面目で真摯な学者研究者だと思っているので、本屋で手にとったのだが、予想よりも面白い。著者本人の実存がまるまる乗っかったような私小説的な雰囲気もある。もう何回か、今度は詳しく読んでいきたい。

  • sk さん

    政治学者の自伝的エッセイ。アジアについての複雑な思い。

  • れいまん さん

    久しぶりに著者の最新を読んだ。在日である自らのアイディンティティを深く考え、表題の題名になったのだろう。現在のロ.ウ戦争については、大国アメリカが分断を超えて異質なものと共存していくための方策は、排外的なナショナリズムではなく、グローバルな普遍的価値にあるという。ゴルバチョフ、盧泰愚、金大中のように自らが変わり、相手の側に歩み寄ろうとすることはアメリカには無い。グローバルな普遍性は、著者の育った故郷熊本出身の横井小楠に見出したとある。熊本の濟々黌出身の哲学者の結論である。確かに、小楠は吉田松陰とは真逆だ

  • mura さん

    我々日本人は、アジア人であることを忘れていることを再認識した。G7サミットが日本広島で行われて浮かれている場合ではない。白人の仲間になったと思っても、普遍的な思想もなく、ましてやキリスト教でもない日本は欧米から見ると異質な国、著者のASEANプラス3でアジア版ユーロみたいなものを作るのは賛成。大日本帝国が滅んだあと、半島や台湾に思想が残らなかったのは天皇崇拝の思想が普遍的ではなかったから。今後普遍的な思想を構築してアジア版ユーロを目指そう。アメリカを入れるかはまた別の話。横井小楠が生きていたらの意見は斬新

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姜尚中

1950年生まれ。政治学者。東京大学名誉教授。鎮西学院学院長・熊本県立劇場館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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