戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録 集英社新書

三上智恵

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087212990
ISBN 10 : 4087212998
フォーマット
出版社
発行年月
2024年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;18

内容詳細

アメリカと日本政府が主導する、近隣諸国を仮想敵とした防衛計画のもと、戦力配備が続く沖縄、南西諸島は予断を許さない状況が続いている。基地の地下化、シェルター設置、弾薬庫大増設、離島を含む空港と港湾の軍事化が、民意をよそに急ピッチで進んでいるのだ。著者は2015年以来、沖縄島のみならず与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島など島々を歩き、実態を取材してきた。2022年末の安保三文書では「南西諸島にミサイルを並べ、最悪の場合報復攻撃の戦場になるもやむなし」という現地の犠牲を覚悟したものであることも暴露された。本土メディアがこの問題をほとんど報じない中、沖縄から日本全土に広がる戦雲の予兆に警鐘を鳴らす。

目次 : ウタの呪力について―辺野古海上工事再開/ ヒロジを返せ!県民大集会/ 山城博治さん 5カ月ぶりに保釈/ “過激派リーダー”の素顔―博治さん石垣へ/ 「日本一の反戦おばあ」の涙―島袋文子さん国会前へ/ 文子おばあのトーカチ(米寿祝い)@ゲート前/ 泣くなチビチリガマよ―クリスタルナハトにはさせない/ 美味しいニュースを選ぶ人びと―高江ヘリ墜落はどう伝わったか/ 弾薬庫と十五夜―宮古自衛隊問題続報/ 軍隊と共に心中する覚悟がありますか?―島に軍隊が来るということ/ 文子おばあ、石垣島へ/ ぬちかじり―命の限り抵抗した翁長知事が逝く/ 勝ったのはうちなー(沖縄)の肝美らさ(真心の美しさ)―デニー知事誕生/ 地図の上から島人の宝は見えない―市民投票に立ち上がる石垣の若者たち/ 埋められたのはこの国の未来―辺野古の海に土砂投入/ まだ黙殺を続けますか?―沖縄県民投票で示された民意/ 島の色が変わった日―宮古島に陸上自衛隊がやって来た/ 「弾薬庫」に抵抗する保良の人びと―宮古島の自衛隊弾薬庫着工/ クイチャー乱舞―宮古島・弾薬庫建設阻止現場の1カ月/ 私たちはもっとマシな社会をつくらなければならない―BLACK LIVES MATTER in OKINAWA〔ほか〕

【著者紹介】
三上智恵 : ジャーナリスト、映画監督。毎日放送、琉球朝日放送でキャスターを務める傍らドキュメンタリーを制作。初監督映画「標的の村」(2013)でキネマ旬報文化映画部門一位他一九の賞を受賞。フリーに転身後、映画「戦場ぬ止み」(2015)、「標的の島 風かたか」(2017)を発表。続く映画「沖縄スパイ戦史」(大矢英代との共同監督作品、2018)は、文化庁映画賞他八つの賞を受賞。著書に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書、第七回城山三郎賞他三賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 二人娘の父 さん

    記録によると、著者の書籍はこれで4冊目の読了。映像作品も先日観た「戦雲」含めて同じだけ観ているように思う。そして毎回同じ感想となる。動揺し、たじろぐ。恐れを抱く。正視できない自分の弱さに、心から情けなくなる。20年以上もの間、辺野古をはじめとする「たたかい」の場所を取材し続ける著者の行動と発信の重みに耐えられるのか。あらためてそんな弱気が私の中に生まれる。感情的な言葉を並べてしまったが、内容はきわめて客観的な沖縄の現状を知ることのできるものである。必読。

  • ののまる さん

    要塞化される沖縄。辺野古ばかりが報道されるけど、沖縄の島々はこんなことになっていたのか… 宮古島、石垣島など観光地のイメージが強いが、弾薬庫やミサイルが配置され、最新式戦車が走る。二度と戦場にさせないために。

  • どら猫さとっち さん

    「戦場ぬ止み」、「証言沖縄スパイ戦史」など、沖縄を見ているジャーナリストが、要塞化し戦力配備が進んでいく沖縄の記録がこの一冊に。さらに本書と同名のドキュメンタリー映画も公開された。辺野古海上工事再開から、翁長雄志知事の逝去、玉城デニー氏の知事就任…。希望がある一方で、恐れや怒り、悲しみも多い。沖縄は他人事ではない。本書を読めば、日本のこととして、私たちが考えなければならないと思うだろう。

  • 宮崎太郎(たろう屋) さん

    2017年から2023年までのルポ。沖縄県の本島から先島諸島、鹿児島県の奄美大島などに配備される軍事施設、自衛隊員、米軍を中心とした大規模な想定訓練などに翻弄される島民の目線から現状を追っています。国は大胆にメディアを使い、軍備増強を迫ってくる反面、自衛隊は国と基地を守るために存在する、島民のためではないこと、島民避難もいわゆる災害時の想定しかされていないことを問います。自分事にできない日本人が多い中、何度でもこの事実に声を上げる著者。私たちがどこに連れていかれようとしているのか、もっと考えたい。

  • くろばーちゃん さん

    著者、三上智恵監督による同名のドキュメンタリー映画の撮影日記。読了して映画鑑賞に臨むつもりだったが、各章ごとにQRコードが付いていて、関連画像が観られるようになっているため、観ながら読み進めたら読了が遅くなってしまったが、上映後の監督によるトークショー後、サインをいただいた。映画とともに一人でも多くの人に読んで欲しい本。沖縄本島、石垣、宮古、八重山などの島々が、今どういう状況かを知ってほしい。今、安心できる普通のくらしが脅かされている。文子おばあ、ひろじさんなど声を上げてる人々が素晴らしい。基地はいらない

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